■2024-03-16(土)#259クラスタフリーコンサート

今日は暖かかった。冬のいで立ちで自宅を出たが、

途中で、手袋をとり、マフラーをとり、上着を脱いで、

と、どんどん薄着になりながらの移動となった。

このまま春になってくれればいいのにと思う。

さて、今回も面白かった。以下レポートです。

出演者と演目情報は、クラスタのホームページから頂いております。

田中マスター、ありがとうございます。

(N:ナイロン弦、S:スチール弦、U:ウクレレ

 

・メリル豊嶋さん 小金井(S) EDEN、ハングオーバークリスマスローズ

以前の豊嶋さんの演奏だった。よかった。

左手小指を痛めていて、しばらく休み、

また、前回は若干その影響を感じる演奏だったが、

今回はそういうことを全く感じさせない演奏だった。

特に2曲目のハングオーバーの、リズムのノリが

すばらしく、また右手のピッキングが以前と

比べて強くなったと感じた。

最後のクリスマスローズは、

「イギリスでは12月の花だが、ここら辺では

  3月くらいに咲くので」

とのことで、毎年この季節だけ弾く曲とのこと。

メロディーが素朴で美しく、豊嶋さんの演奏にぴったりだった。

押尾コータローさんの曲。オープンG)

良かったです。

 

レフティ山下さん 八王子(S) シベグシーモア、ファニーパワー、テルウィーミートアゲイン

今回はローデンのギター。

1番大事にしているマーチンのオールドギターは、

「持ち歩くのが怖いので」とのこと。

このところ、オールドビンテージギターの

価格は、とんでもないことになっているが、

山下さんのギターもすごいことになっていると思う。

(しかし、左利き用、という特殊性は、

  どういう評価になるのだろう。)

演奏は、いつものアイリッシュ系の素朴かつ、

オーソドックスなスタイル。

3曲演奏されたが、すべて3拍子の曲だった。

近頃、他のオープンマイク(阿佐ヶ谷で、とのこと)

にも出場しているが、山下さんのオールドテイストの

演奏の評判がなかなかいい、とのこと。

聴いていると、心を落ち着いてくるように感じた。

よかったです。

 

・コレクター木村さん 狭山(S) (鉄の爪の解説)、ファネスカ(ピーターフィンガー)

今回は、フィンガーピックを付けての演奏。

「(ピーターフィンガーさんに」近づくため」とのこと。

演奏後にお話ししてくれたのだが、

「これ以上、どうやって演奏の完成度を上げたらいいか、

 わからなくなった。」

とのことで、ピーターフィンガーさんの演奏スタイルである

「フィンガーピックを付けて」に踏み切ったとのこと。

 

なるほど。気持ちはわかる。

ピーターフィンガーさんの音、速度は、

出そうと思っても出せないと思う故。

ちなみに自分は、先月木村さんが弾いた、

ゲッタウェイ」という曲で、より強くそう思う。

しかしながら、自分の考えだが、

(これも演奏終わった後で、直接お話したのだが、)

「ピーターフィンガーさんの演奏を追うより、

   木村さんの演奏にしていってはいかがでしょう」

と思うもの。つまり、

もう近づけるところが限界、となった後は、

「如何に自分なりの表現で弾いていくか、に

  切り替えていった方がいいのでは」、と思うもの。

で、そう申し上げたところ、

「たった1週間でこれだけできた。それで、

  昔フィンガーピックに集中して取り組んだことがあり、

    もっとできるイメージがある」

とのこと。

なるほど。イメージあり、なら「やる」ですね。

さらなるこの曲の進化、期待しています。

 

ちなみに、自分も時々フィンガーピック使うが、

音量の大きさ、音の粒のそろい方、は劇的によくなる。

一方で、表現としては難しいところがでてくる。

少し具体的に言うと、ある範囲内の指使いをしないと

すぐに、カシャっというような音がでてしまう。

また「きちんと弱く弾く」のが難しい、とか。

と思うが、来月の木村さんの演奏、期待しています。

 

・新宿志原さん 新宿(N) 月光(ソル)、ノーリプライ(ビートルズ)、アンドユアバードキャンシング(同)、アラビア風奇想曲(タレガ)

今日はナイロン弦ギターでの演奏。

マチュアコンテストに向けて、練習なさっているのであろう。

でも、今日はそのギターで、「ピック弾きソロギタースタイル」

の演奏があった。

自分は志原さんのこのスタイルのファンなのでうれしい。

で、その演奏だが、アンドユアバードキャンシングが、すばらしかった。

志原さんのアレンジは、「ビートルズの曲」として、曲を

知っていればもちろん楽しいが、そうでなくても、

「ソロギター曲」として成り立っていると思う。

このアレンジは、改めて本当にそうだよね、と思った。

「複数パートが同時に1本のピックからでてくる」

感じがすばらしい。

最後のアラビア風奇想曲もよかった。「ロック」だった。

指使い、フレーズの歌わせ方、自分は純粋なクラシック演奏より、

志原さんのような演奏が聴きやすいし、素直に、「かっこいい」と思う。

でも、多分コンテストではNGなのでしょうね。

でもでも、本選にいって、このテイストの演奏をしてみてほしいなあ、

とか、思っております。楽しかったです。

 

・青ワイン山川義幸さん 中野(U) 小さな竹の橋の下で(アルシャーマン)、ビリンバウ(バーデンパウエル)、悲しみのサンバ(同)、ユリディスのワルツ(ヴェニシウルジモライエス

今回は、やっぱりバーデンパウエルの曲がすごかった。

ウクレレの4本しかない弦で、バーデンのギター演奏を

再現したのだが、ピンポイントで「聴こえる音」が

トレースされていて、4本弦ということを感じない。

かつ、コピーされているのが、曲自体にとどまらず、

「演奏のニュアンス」みたいなところまでなされているのが

すごいところ。

いや、すごい演奏を聴かせていただきました。最高でした。

 

・スタンディング竹井さん 練馬(N) ネバーゴナフォールインラブアゲイン(エリックカルメン)、バーデンジャズ組曲からシンプリシタス(イルマル)、ウーマン(呉田軽穂)、クライングナウ(ジャーニー)

前々回から、ロジックウェーブのナチュリバーブという

ギター内に取り付けるリバーブエフェクトを

使っているが、この音色を、更に活かした選曲、演奏だった。

いずれの曲もメロディーがきれいな曲で、それが

ギターの5フレ以上のポジションでも

弾かれるところがあるのだが、ここでのリバーブ

独特の艶みたいなものを曲全体にもたらしている。

かっこいい。

で、演奏が終わった後に話したのだが、

さらなるいいリバーブがかかる位置を探していく、とのこと。

今日の演奏を聴いて思ったが、竹井さんは、

ナチュリバーブのさらにリバーブの量が増える機種

を使ってみるのもいいのかも、と思う。

バーブがありすぎるのも、合わなくなってしまうケースあるだろうな、

とは思うが、竹井さんの曲、演奏だったら、もっと

バーブがあってもいいなあ、と思ったもの。

以上、また、リバーブの取り付け位置の探求結果も含め

期待しております。

(自分も使っているので、参考にさせてください。)

 

・自分 日立(N) なごり雪、桜坂、案山子、長崎は今日も雨だった

いつもは、「後半の最初」の順番でやっているが、

今回は、前半の最後、でやってみた。

「準備を含めて15分」の感覚を試してみたいと思ったもの。

結果としては、やはり演奏時間は純粋に短くなると感じた。(当たり前)

ただ、「いきなり本番」として、準備運動とかがないのは、

さほど影響ない、ということも確認できた。

演奏の質としては、順番はあまり関係なさそうだ。

 

さて、演奏の方だが、今回も「いつも弾いている手慣れた曲」をまず演奏。

そういう曲のなかから、春という季節を感じさせる曲を3曲弾いた。

やはり、ステージ上だと自宅で弾くように弾けないが、

まあ、「自分の歌いまわし」の演奏はできたと思う。よし、としよう。

あと、最後の「長崎は・・・」は、リズム的に自分の日本人としての

感性のままで弾ける曲、として選んだもの。

ただし、この曲は、ちょっとした怖さもあった。というのは、

「ノリが悪いと、とんでもなく聴くに聞けない演奏になるし、

  ノリがよいと、すごく気持ちよく聞こえる」

という曲と思えていたため。

そのため、できるだけ簡単な譜にして、歌いまわしに

集中しての演奏とした。結果は、まあまあ、かな。

こういう、「昭和の名曲」をしばらく

最低1曲、取り上げることをしばらくしていってみようと思う。

 

ラグタイム北村さん 藤沢(S) ラグタイムギャル、アショーカレフェアウェル、さくら(森山直太朗

1曲目から、すばらしくノリのいい演奏。

で、単にリズムが正確、というのではなく、

ラグタイムというダンスミュージックとしてのノリ。

聴いていて、身体が動き出しそうだった。

オリジナルは「メアリーフラワー」という方の

曲とのことだが、すでにそのオリジナルとは

ずいぶん違ったものになっているとのこと。

オリジナルも聴いてみたいが、ユーチューブででてくるだろうか・・・。

 

あとは、最後のさくらがよかった。

北村さんの歌心ががっつり詰まっていて、

「ギターで歌っている」というのは、こういうのだ、

と思う。さすがです。

 

なお、ギターはひさしぶりの

個人製作家 小林良輔さんのギター。

ナイロン弦ギターのような鳴り方で美音でした。

 

・グールド賀谷さん 国分寺(N) ファイナルカウントダウン、アイオブザタイガー、アレンタウン、スモークオンザウォーター

今回は、前回演奏した、連想メドレーについて

「どういう連想でつながっていたか」

の解説と、そのなかでいくつかの曲をまた弾く、

という構成。

「ベースのリフが似ているから」とか、

「ここのこのフレーズがこっちのここに似ているから」

というのは、まあわかるとして、しかし・・・・・

「世界的にヒットした曲だから」とか

「顔が似ていたから」とか・・・、

いや・・・賀谷さん以外、それは連想できないです。

ということで、おもしろかったです。

すばらしいのは、それを完全に覚えていて、

翌月のステージで、解説付きできること。

エンターティナーだと思います。

今回は、コンサート終了後に、ピアノ演奏もあり、

これもよかったです。

また、来月期待しております。

 

・中村さん25(初) 小金井(S) ヤングトラベラー、トラベリングクローズ、スカーレッツワールド、ソングフォーアレイニーモーニング、ホープストリート(全曲トミーエマニュエル)

トミーエマニュエルのコピー、しかも新しい曲ばかり、

ということで、「指が動くこと確定」となるが、そのとおりだった。

上記の名前の後ろの数字が年齢とのことで、

今の若いギタリストは、本当に上手な方ばかりだなあ、と感心する。

それにしても、本当によく指が動いてスピードは

トミーのそのものだし、ミストーンもなし。ギターも、メイトン。

よかったです。

自分としては、新しい曲も好きだが、

「Only」とかからの曲も聴きたかったかな。

またフリーコンサートに出演されるようなので、

楽しみにしております。

 

・ウェザー若林さん 府中(N) (お天気概況)、雨だれ(リンゼイ)、タンゴOP19-3(フェレール)、月光(ソル)

いつもの曲目。アマコンの対象曲の

タンゴと月光、なかなかいい感じに仕上がってきている。

一方で、コンテストということで、

全員が同じ曲を弾くわけだが、そのなかで

「選ばれる演奏」というのは、どのような

ものなのだろうか、とか、思ってしまった。

クラシックギターの」ということで、

クラシックギターの技術点」みたいな、評価が

あるのだろう。自分はその点はまったく知識なし。

4月になると、録音曲提出まで、もう少し、

という状況になるが、若林さんの表現するところが

どのようなものになるか、楽しみに聴いております。

 

・セーハ(本名)さん 豊島(S) ミッシング(久保田利伸)、はじめてのチュウ(あんしんパパ)、エロティカセブン(サザンオールスターズ

セーハさんの演奏は、すべてオリジナルアレンジ、とのことだが

そのアレンジが秀逸。

いままで、(いまでも?)人前で弾くことがほとんどない、

というのは、もったいないと思う。

叩き系とか、そういう技術的に聴かせよう、みたいなものでなく、

「普通のアレンジでかっこいい」というのは、

すばらしい才能と思うもの。

で、驚いたのが、2曲目のはじめてのチュウは、

「20年前、高校生のときにアレンジしたもの」

とのこと。え・・・20年前、と驚いた。

8ビートの軽快なベース音、そして、チャッという

右手のネイルアタック音等、20年前に、しかも

高校生でこういうアレンジしていた、というのは、

信じられない。素晴らしい才能と思う。

さらに興味深かったのは、コンサート終了後のお話のなかであったのだが、

「右手パームによるミュートって、自分はできないんですよね」

とのこと。

もし、誰かに教わっていたら、これは絶対教わると思うので、

本当に、誰かに教わったことがなく、オリジナルアレンジで来たのだなあ、

と感心してしまった。

しかし、それでこれだけ弾けてしまうのは、才能か、と思ったが、

実際は、やっぱり相応に弾いているのは間違いない。というのは、

「肘がゴルフ肘になってくるしんだ。

  ギターでゴルフ肘になるとはしらなかったが、

    ギタリストもなるんですね」

とのことをおっしゃっていたため。

身体に影響がでるくらいの量、弾きこんでいる、ということであろう。

(これだけうまいのだから、そりゃそうですね。)

自分はセーハさんのアレンジ、大変好きです。

また、期待しております。

 

・アンプラグド鈴木さん 小平(S) (小平自慢)、神田川赤ちょうちん

 「みんなうまいので、自信ないので、なるべく、

  MCで時間をとって、演奏曲を少なくしようかな」

とかおっしゃっていたが、いやいや、鈴木さんの演奏、

とくに、ここ数か月の演奏、大変味があって、自分はいいと思っております。

特に、今回のように、70年代、80年代の曲については、

鈴木さんが本当にその曲を好きなのだ、ということと、

「実は、かなり練習している」、ということがわかる(感じる)演奏であり、

いいなあ、と思っております。

とはいえ、鈴木さんの場合は、

「鈴木さんのMCを楽しみにしている」

という方も少なくないかも。

今回もそのMCを含めて、楽しかったです。

(まったく演奏に関係ない話が多かったですが。)

日曜日の演奏も、いい演奏になりますように。

 

コンサート終了後

 コンサート終了後も楽しかった。

今回も鈴木さんのダン・マッサーを弾かせていただいたが、

これがちょっとびっくり。これまでは

「すばらしく鳴るけど、それなりにしっかり弾かないとなってくれない」

というギターと思っていたが、今回は、

「軽く弾いても鳴る」という感じでなってくれたため。

木村さんが、「まだこのギター成長途中ですよ」

といっていたが、そのとおりでした。さすがです。

ピーターフィンガーさんの曲は、マーチンよりこっちのほうが

よくなったかも。

 

そのほか、今回は、サムピックについて、の話で

盛り上がって、これも面白かった。

トミーエマニュエルが単音高速ピッキングで、

サムピックをうまく使っているが、それが

なかなかうまくいかない、という中村さんの話から

盛り上がったもの。

みんなが、これはどう、とご自身が使っている

サムピックを持ってこられて、一気に数種類、特徴的な

サムピックの試し弾きができた。その結果、

「これはいい」というのが見つかっていた。

こういうのも、このフリーコンサートの楽しみだと思うところ。

なにしろ、参加者の方の個性の幅が広く、得られる情報が

超マニアックな内容となるため。

(ギターの質と値段の感覚が壊れることには要注意。)

 

以上、楽しかった。

また来月、よろしくお願いします。

 

<過去の3月のフリーコンサート>

 

 

2022-03-20 ■2022-03-19(土)#235クラスタフリーコンサート

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/2022/03/20/105201

2020-03-22 ■20200321(土)#211クラスタフリーコンサート

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/2020/03/22/180620

2014-03-16 #139クラスタフリーコンサート

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/20140316

2013-03-17 #127クラスタフリーコンサート

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/20130317

2009-03-15 #79クラスタフリーコンサート

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/20090315

2008-03-16 #67クラスタフリーコンサート

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/20080316

2007-03-18 #55クラスタフリーコンサート

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/20070318

2006-03-19 クラスタフリーコンサート

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/20060319

<過去の今日>

2023-03-17 ■2023-03-16(木)体調について

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/2023/03/17/082041

2022-03-17 ■2022-03-16(水)通勤ランの20分と30分の違い

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/2022/03/17/081323

2020-03-17 ■20200316(月)一周3㎞

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/2020/03/17/123000

2018-03-16 スピードを上げて走る必要性

https://y1kirihara.hatenablog.com/entry/20180316

「鳥との距離」
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20170316
「帰宅ラン実施」
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20160316
「棚卸」
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20150316
「#139クラスタフリーコンサート」
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20140316
「のんびりトレラン 」
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20130316