■20200321(土)#211クラスタフリーコンサート

いつもは、横浜から八王子廻りで国分寺に行っている。その方が座れるから。

しかし、今日は横浜駅につくと、明らかにホームの人数が少ない。そこで、京浜線、東京経由、中央線にて国分寺へ移動してみた。

楽勝で座れた。かつ、みんな1つおきで離れて座れることもできた。これならコロナの影響は少ないだろう。

 

さて、お店についてみると、マスターが、

「お店の名前もあって、厳しいです」と。

そうだろうな、と納得。何しろクラスタだし。

続けてマスター曰く。

「そこで、お店でもコロナビール出すようにしました」

そこは読んでいなかった。さすがマスター。

 

今日のフリーコンサートは、5人がキャンセル、2人が代わりに急遽入り。

結果として、12人でのコンサートとなった。

 

さて、今日の演奏については以下。

演奏者名、曲目は、クラスタのBBSから頂いております。

(マスターありがとうございます。S:スチール弦 N:ナイロン弦)

 

・浜川さん 川崎市(S) サボテンの花プラトニックゾーンチューン、ウィアーオールアローン

今日はサイレントギターではなく、ご自身の愛器のエレアコエフェクターをつないでの演奏。今日はこの音がよかった。

前回はちょっとリバーブとか掛け過ぎかな、と思ったが今日はちょうどいい具合。その上で、1曲目、2曲目は4カポ。

更に鉄弦ギターのキラキラした感じがハイライトされきれいだった。

1曲目はほのぼのとした感じ。

2曲目が自分は本日の演奏では一番良かったと思うが、Cのコードフォームの曲で、半音で音をつなぐクリシェ的な動きで面白いコード感を出していた。それを活かした演奏での表情付けがグッド。

3曲目は2カポ。これも音色と演奏がとてもマッチしていた。

 

なお、4月8日にショートライブで、井端さんとビートルズとかをやるとのこと。よいライブとなること祈念しております。

 

・ウェザー若林さん 府中市(N) (お天気概況)、エチュードOP25-13(カルカッシ)、花は咲く(菅野よう子)、夜が来る(小林亜星

今日もまずは天気予報から。

明日は更に暖かくなるとのこと。かつ夜は遅くに雨とのこと。

 

まず最初はのカルカッシの13番だが、低音部のメロディーに、高音弦の同音3連が続く曲。音の粒を揃えるための練習曲なのかな、と思うが、その点がきれいに揃っており、きれいな演奏だった。

他2曲では、自分としては「夜が来る」がよかった。

メロディーを一段と大事に演奏されていて、表情付けが「しぶい」感じになってきていてかっこいい。完成形になったのでは、と思う。

 

・ビラ松尾さん 国分寺市(N) タンゴ(アルベニス)、花は咲く(佐藤弘和編)、ショーロス1番(ビラロボス)

黒のアミアミ帽子がお似合い。

1曲目はタンゴ。実にかっこいい曲だったが、自分としては、最高に難易度が高く思えた。

タンゴは、踊りとしてすごく切れがある。従い、演奏もそういう演奏が必要と思うが、その決めのところが、すごく難しい運指、フォームであり、それらをバシッと決めねば切れのある演奏にならない。

松尾さん、かなり頑張っていたが、タンゴの踊りの感じまでは、さすがにもうひとつ。今後に期待。

「花が咲く」は前回に続いて連続だが、今回の方がずっとよかった。

音の響かせ方、特に低音の方の響かせ方が美しい。

ずいぶん弾きこまれたのではないだろうか。いい演奏でした。

あと3曲目は、MCで

「曲の中に列車の進行に感じるようなところがあって、そこが好き」

とおっしゃっていたが、どこなのだろう。(質問しようと思っていて、聞き忘れた。)

 

レフティ山下さん 八王子市(S) (ニューギターマーチンOOO-21の解説)、ビーゼウマイビジョン、ロードインチクイン、プランクシティケリー、サリーガーデン

前々回ニューギターとしてローデンギターが紹介されたばかりであるが、なんと、今月更に「ニューギター」の紹介。しかも「ぎりぎり2桁万円」と。

マーチンの1950年製、OOO-42のレフティ

音はさすがに良かった。

ローデンのギターが張りのある、「クールな音」とすると、このマーチンは、「ウォーム」、「ファット(太い・リッチ)」という感じ。

テンションが柔らかそうで、それでいて、音はしっかり前にでてくる。

弾くのが気持ちよさそう。

今回の曲は、アイリッシュだったが、ローデンのさわやかな感じとはちょっと違って、温かみがある、哀愁味を感じる演奏であった。

自分としては、山下さんはローデンよりこちらの音の方が合いそうに思うがどうであろうか。

ローデンとマーチンがかなり違ったキャラクターなので、曲によって使い分けていくのだろうと思う。

さて次回の演奏はどちらでどのような曲が選ばれるのか、楽しみだ。

 

・市來さん 調布市(N) アディオスノニーノ、天国への桜~春よこい、(ベース音が半音進行で下がって行く曲は途中であきらめているのばっかりだが、今回最後まで行ったアレンジをしたさくらさくらの話)

今回も1曲目は、アディオスノニーノ。

「自分なりの弾き方となったところはあるが、何とか弾き切った」

と市来さんもおっしゃっていたとおり、いい演奏でした。

市来さんは、ギターを右足に載せ、左手のフォームも、エレキ系の抑え方だが、そのようなご自身で長年取り組んできたスタイルで、曲を攻略していた。

見習いたい。

2曲目は、天国への階段的な半音下げ進行を使って、さくらさくらの演奏から入る「春よ来い」。面白い演奏だった。このようなアイディアも市来さんらしい。今後も楽しみにしたい。

 

なお、今回様々な方のギター紹介が面白かったのだが、市来さんは、

「他の方のギターは絶対弾かないようにしている」

とのこと。理由はよくわかる。

でも、クラスタでの機会は、とても貴重なので、少しくらいはいいのでは、とも思うが、危ないだろうか・・・

 

・青ワイン山川義幸さん 中野区(U) (またまた新しいウクレレを買った話)、星に願いを、ムーンリバー(ヘンリーマンシーニ)、テイクAトレイン(デュークエリントン)

ウクレレは、昨年11月から、とのことだが、既にご自身での編曲も開始されていて、3曲目は完全なオリジナルアレンジとのこと。さすが。

いずれの演奏も、「ウクレレが楽しくて仕方ない」といったような、出音の変化をご自身でも楽しみながらの演奏。

こういう風にご自宅で弾いていると、結構な時間をウクレレで過ごせるのではと思う。あっという間に腕が上がって持ち曲が増えそう。

なお、昨年11月からハマってしまったといって、既に3本のウクレレを購入した、と前回MCされていたが、またテナーウクレレをご購入されたとのこと。すごい。

 

・ギター物理学相川さん 国立市(N) フェリジダーヂ(ディアンス編)、(岩盤を叩いた音で地質を推測するお仕事のお話)

ディアンスのファシリダーヂは、ディアンスの演奏からするとゆっくりとしたスピードとのことなるも(自分はあまり聞いたことが無いので、そういうとことまでわからない)独特のコード、リズムのとり方の緊張感がかっこよかった。

こういう曲が弾けたら・・・とクラスタでは何度も思ことがあるが、この曲もまさしくそういう曲のひとつ。

なお、MCでは、相川さんは以前岩盤を叩いた音で内部の構造を推測する副業をされていたそうで、かつ、その分野でも日本一の実力とのこと。その耳の良さが、如何なくギター演奏に活かされていると思う。

しかし、岩盤をたたいた音まで音程をとって、その音程がなぜなのか、の理由を物理的に解明している、というのは、ちょっとすごい。

 

・自分 横浜市(N) 世界に一つだけの花槇原敬之)、ハナミズキ一青窈)、Fly me to the moon、I don't want to leave you alone anymore(アールクルー)

今日のテーマは、「ボサノバ風」。

ボサノバの曲ではない曲を、ボサノバ風のアレンジで、ということ。出来としては、ボサノバのリズムは出せていたと思うが、途中走るような感じになってしまったところがもう一つ。まあでも、こんなところか。

最後の1曲は時間が余ったのでおまけ。(であり、ボサノバ風ではない)

ただし、ここでサイレントギターの電気系統の調子が悪くなってしまった。(ギターをお店のに変えて演奏)。今回9V電池を久しぶりにつかってみたが、やっぱりだめ。

もう相当の年数使用しているいので、仕方ない。完全に壊れてしまわないよう、大事に使っていこう。

 

・松子さん 武蔵野市(N) ソルOP31-3、月光(ソル)、ルビーラ、愛のロマンス、フェルナンドソル讃(佐藤弘和)、(現代ギター発行の楽譜の表紙のデザインをしているお話)

まず、すごいなと思ってしまったのは、MCでのお仕事の話。

現代ギターの楽譜の表紙デザインをされているとのことで、某有名曲の楽譜も松子さんのデザインとのこと。また現代ギターさんの催しをやっていたが、そのロゴも元デザインが松子さんとのこと。すごいデザイナーなのですね。すばらしいお仕事と思います。

さて、演奏の方だが、緊張症を克服すべく、メンタルトレーニングに通っている、とのことで、その点が課題とのこと。

確かに聞いていると、曲の中で、間違える、というか止まる個所は、その前後の演奏状況からして、しっかり弾けているような難易度のところであり、技術面というより、たしかに緊張が原因かもなあ、と思う。

ただ、今回見ていて思ったのは、「指板に目を落とすときに失敗の回数が多い」ということ。グラフィックデザイナーの方なので、目からの情報は、けっこう支配的だと思うので、目でひっぱられてしまっていないだろうか。

「指板はみない」、「楽譜を見るときは楽譜だけみて、かつ、見る範囲は今弾いているところとその数小節先まで」とか決めてみると、ずいぶんちがうのではなかろうか、と思ってしまった。(あくまで自分の個人的な感想です。)

また、そのあがり症克服のために、完全に弾ける曲を3曲きめて、それを人前で弾き切る練習をするようにアドバイスされたとのこと。

で、定番曲3曲を選ばれていたが、箭田さんもコメントされていたように、最後に弾かれた佐藤弘和さんのアレンジの曲の方が、ずっとよいのではと思う。次回、楽しみにしています。

 

・黒木さん 国分寺市(N) フリアフロリダ、鐘の響き、カーニバルの朝

カウンターで横に座られたので、そこで分かったのだが、仕事上、爪を伸ばすことができないとのことで、毎回、付け爪を両面テープで張り付けて演奏なさっている。

面倒だろうなと思うのと同時に、演奏技術的にもハンデになっているであろうな、と思う。

演奏の方は、そういうことは聴いている分にはわからないしっかりした音出しがなされていた。

演奏自体は、ところどころひっかかるところがあり、MCで、

「極度のあがり症で」

と言われていた。

「それなのに、こういう趣味って変ですよね」

ともおっしゃっていた。いわれてみればそうかな、と思う。

おそらく、自宅ではもっとスムーズに、よい演奏ができているのであろう。願わくば、聴いている方としても、それに近い演奏を期待する。

で、演奏が終わった後に、

「極度のあがり症といわれてましたが、なぜこのような趣味を(演奏会にでるような)」

と直接聞いてみた。

「意地ですかね」

とのこと。

わかるようなわからないような・・・。

まあ、いろいろな考え方はあるが、「楽しみ」であればよいと思う。

 

・ハンドメイド藤井さん 大田区(S) Turning(Alex de Grassi)、The Naked Stalk(Michael Hedges)、November(Pino Forastiere)

独特のオープンチューニングを使った3曲。

特に自分はAlex de Grassiの曲がお気に入り。今回もいい演奏だった。

で、ご本人はMCで、毎度同じ曲を弾くことに、ちょっとした葛藤を持っている、とのこと。

それは、「また同じ曲か」と思われているのではないか、という思いを持ってしまっていて、一方で、「そんな他人の演奏なんて、それほど気にしていないよ」と思ってくれているよね、との2つの思いの葛藤とのこと。

聴衆の方からは、「頻度による」とのお声。まあ、そうだろう。

自分としては、趣味としてこのレポートを書いていることもあり、同じ曲、違う曲、というのは、ほぼ認識して聴いている。また、ある程度ではあるが、結構前回の演奏も覚えていたりする。

そういう自分からして、これに答えるとすると、

「追い求めているものが聞こえるような演奏であればOK」

となる。毎回同じでも、「表現したい」という気持ちをしっかりもった演奏は、同じ曲でも聴こえ方は好印象。

ただ、いくら追い求めているものがあっても、それにつかれてしまっているような状況だと、よくない。極簡単にいってしまえば、「演奏者が飽きてしまっている演奏」、「弾くのが楽しくなくなっている演奏」はNG。そうでなければOK。

ちなみに自分の場合は、飽きっぽく技術的向上とかを追っていないので、どんどん新曲やらないと「退屈な演奏」になってしまう、状況。

ということで、藤井さんの演奏は、問題なく、毎回楽しませていただいておりますが、ご自身が新しい曲もやりたいな、といったようなことを感じているのはちょっと感じています。

 

・優勝箭田さん 国分寺市(N) 三つの前奏曲(佐藤弘和)、(ギターのエイジング用に謎のスピーカーを買った話)

今回はニューギター。国内製作家の川田一高さんのブーシェモデルのギターであったが、今回弾かれた佐藤弘和さんの曲が、稲垣稔さんという著名なギタリストに送った曲で、稲垣さんの愛器がブーシェで、そのブーシェの完コピギターとのこと。

こういうこだわりは、大好きだ。そして、そういう箭田さんのMCも毎回楽しませていただいている。

ギターの音色は、まだ若々しくてこれからの感じもあったが、演奏は相変わらずさすがの一言。

今回も本当に聴き入ってしまった。よかったです。

なお、このギターを育てるために、「音のならないスピーカー」の紹介あり。

いってみれば、スピーカーの磁石駆動部のみの製品。それを置いた場所がその振動によって振動することによって、音が聞こえるようになる。すなわち、そのスピーカーが触ったものが、スピーカーのエンクロージャーになる、という仕組み。

で、音楽を聴くためではなく、ギターの表面板にそれを置くことによって、ギターのエイジングをしよう、ということで手に入れたもの、とのこと。

(今は非売品になっていて、メルカリとかで、4千円くらい)

なかなか面白い発想と思う。

このギター、どのような音色になっていくのか、も楽しみな状況となった。

 

以上、今回も楽しかった。

 

<箭田さんより告知>

「H->G第3回演奏会」。箭田さんがギターを弾かれる室内管弦楽の演奏会の告知です。7月18日(土)14時開場14時半開演@スペースDo(最寄り駅新大久保または大久保)お問い合わせ・ご予約 yada103@gmail.com

とのことです。

 

<有用情報>

いつもとなりに座っている松尾さんより、右手の爪磨きを教えて頂いた。

女性用のものかと思うものの、爪の削る部分までが「光る」感じに仕上がるので、滑らかになっているのはまちがいない。

ずぼらな自分には、使い捨ての紙やすりを持ち歩くのは面倒に感じてしまい無理。でも、これならつかっていけるかも、とおもってしまった。

帰ったら、さっそくインターネットでしらべてみよう。

 

 

以上、いつもより3人少ない、ということは、45分短い演奏会となった。

なので、ゆっくり終わった後のギター談義をしたかったのだが、実は翌日の日曜日が休日出勤の予定がはいっていたため、後ろ髪を引かれる思いで、ちょっと早め帰路についた。(以上の状況もあったので、翌日のこのアップも遅れました。)

 

来月もよろしくお願いします。