■20201017(土)#218クラスタフリーコンサート

今日は雨。生クラシックギターを持っていくのはハードケースを使わざるを得ない。

ちょっと重いが、それよりこれまでサイレントギターで演奏していた自分として、

クラスタでの初めてのクラシックギター、どのような音が出せるだろうか、

との興味の方が上まわっている。

ということで、6時ジャスト、一番乗りでお見せ入りした。

それではいつものレポートです。

NOTE>演奏者、演奏曲はクラスタHPからです。マスターいつもありがとうございます。

(N:ナイロン弦、S:スチール弦、U:ウクレレ

・断捨離市來さん 調布市(S) エタナリー、酒とバラの日々、G線上のアリア、(小曽根真のライブに今日行った話)(クラシックの編曲の話)

現在オーケストラ曲の編曲に取組中とのことなるも、

今回は完成に至らず、とのこと。次回に期待。

ということで、本日はクラシックギターで、持ち曲の演奏。

1曲目出だしから「音がすごくよい」と感じる。

1音1音の音の出し方がクリーン。

この印象は最後の曲まで一貫していた。

で、思ったのだが、ひょっとして、自分は一か月、クラシックギター

生で弾き続けていたので、自分の耳がクラシックギター

生音に敏感になったのかもしれない。

その上で、となるが、改めて市来さんの音はいい、と再認識。

曲としては、3曲目の酒バラがよかった。

ジャズ風の高いフレットのコード中心のアレンジというのではなく、

ローコードを中心にした、どちらかというとやさしいアレンジ。

で、この曲のコードの美しさがしっかり表現されていた。

こういうアレンジだと、自分でもぜひ弾いてみたいと思ってしまう。

いい演奏でした。

 

・石水さん 武蔵野市(N) NHK朝ドラシリーズ ありがとう、あまちゃん、にじいろ、エール

久々の演奏とのことだったが、しっかりした演奏だった。

右手のピッキングが強く、リズミック。

曲目はNHKの朝ドラのテーマソングを中心にしたもの。

曲目から、江部さんアレンジの曲集からかな、とも思ったのだが、

「奥様の看病もあって自宅で毎日聞いていて、弾くようになった。」

とのMCであったので、ご自身でアレンジされたものかと思う。

(石水さんとご家族のご健康を祈念致します)

ただ、残念だったのが、チューニングがずれてしまっていたこと。

お時間かけてよいので、じっくりチューニングをしての

演奏が聴きたかった。この点は残念。

次の機会を期待しております。

 

・メリル豊嶋さん 小金井市(S) (メリルの話)、美しき人生、レッドシューズダンス、黄昏

ニューギターでの演奏。

メリルという製作家のオールドマーチンの音を目指したというギターで、

小さめのボディで弦長が633mm。

自分も弾かさせて頂いたのだが、すごくよかった。

弾きやすくて、音がいい。

弾きやすさは。弦長が短いこともあると思うが、弦のテンションが

ナイロン弦ギターのような感じ。

音は、「木のぬくもりを感じる」、という感じ。

それでいて音色のイントネーションも自分の好みであった。

お値段は聞かなかったが、・・・・・

で、常々、減のテンション感が弱い楽器が欲しい、といっていた

豊嶋さんにはベストマッチ。

演奏では、一段と右手の力が抜けて、たのしそうな演奏だった。

特によかったのは、黄昏。

この曲はメロディーにスライドが結構つかわれているが、

この音がすごくきれい。このギターのよさが光る演奏。

なお、iRingというサウンドホールに着けるマイクを

ご使用されていて、この音もよかった。

但し、このギターの音のよさなら、マイクなしで十分と思う。

(と、観客のみなさんもおっしゃっていた)

次回は生音で聴いてみたい。

 

ラグタイム北村さん 藤沢市(S) ヘリオトロープブーケ、ジョンソンシティラグ、ビンセント

黒のキャップに、真っ赤なランバード(ミズノ)のスニーカーがお似合い。

ランバードは完全にランニングシューズにみえたが、ランニングなさるのだろうか。

さて、演奏の方の感想を。

1曲目はラグタイムピアノ曲。比較的ゆっくりとしたテンポの曲

よく歌っているメロディが美しい。

2曲目は、「イントロが難しい」とのことで、

ほんとに難しかった。ただ、「イントロが」ではなく

「イントロも」だと思う。

この難易度の曲を、ほんとうに「曲を楽しむ」演奏としているのが

すごい。よかったです。

で、自分が一番よいと思ったのは3曲目。

ボーカル曲ということだが、そのとおり、ギターが歌っていた。

自分は、北村さんのギターでの「歌いまわし方」が

好きなので、ぜひとも、このような曲もいろいろ聴いてみたい。

 

・自分 横浜市(N) 銀座の恋の物語、恋(星野源)、恋(松山千春)、シュガーソングとビターステップ

1曲目の「銀座の恋の物語り」だが、一言でいうと、

「力んだ演奏」になってしまった。

この曲はクールに弾くとかっこいいのだが、

(家では、そういう風に弾いているのだが)

ちょっとそういう風にできなかった気がする。残念。

まあ、自分にとっては、クラスタでの初めての生クラシックギター

の演奏なので力むな、というのは無理だった・・・。

で、2曲は星野源の「恋」。

この曲はオリジナルのスピードで演奏するのは無理で、

「ギター曲として、3連ノリとしてちょっとスピードを落とす」

という演奏を目論んでいたが、残念ながら、そのような

スピードまで落とせなった。

曲の方が、オリジナルに近づきたい、と言ってくる感じで、つい

スピードが上がってしまう。

もちろん、ある程度のスピードで弾いた方がかっこはいい。

(つまり、演奏技術があればよいのだが・・・)

この曲は、そういった意味でよい練習になる。

継続して弾いていこう。

3曲目の松山千春の「恋」の方は、こっちはアレンジも簡単だし、普通に弾ける。

イントロと間奏部で、適当にアドリブパートをいれたり、

強弱を意識してつけてみたり、とある程度思ったようにできた。

自分がうまく弾けるのは、今のところはこのくらい、

やさしいアレンジのものとなる。

まあ、「簡単なアレンジで表現に集中する」として、

「生ギターの音作り」に比重をおいて楽しむときなのかな、

と思う。

 

レフティ山下さん 八王子市(S) テルウィーミートアゲイン、エレノアブランケット、エイトデイズアウィーク、イエスタデイ

相変わらず1950年代マーチンOOO21レフティ用。音がいい。

オープンチューニングの響きを活かした曲、

ベースの動きがかっこいい曲、とそれぞれいい演奏だった。

いずれの演奏ギターの音の良さを味わっている感じがよかった。

ただ、気になったのは、音の出し方が

「弱い音を出そうとしている」

といった感じに聞こえてしまうところ。

曲の中で、

「ここは、もうちょっと強く弾いてほしい」、

という思いを持つところがけっこうあった。

ただ、こういうものは長短一体で、山下さんの

「力みのない軽やかな演奏」という長所の裏返しでもあると思う。

そうではあるが、・・・

OOO21は、もっと響かせられる、と思う。

それを引き出した感じという演奏もぜひ期待したい。

 

・優勝箭田さん 国分寺市(N) エドウァルトサインスデラマーサ「プラテーロと私」より プラテーロ,狂人,さんぽ,花

箭田さんの演奏は、毎回メッセージ性があってとても楽しい。

今回は、「ギター演奏とコラボしている詩集」からの演奏。

曲の前に、「これはこのような詩がついている」

との解説があって、それを思いながら聴くのが楽しかった。

「狂人」は「エルコロ」という現地言葉であり、

「狂った人」の意味とのことだが、

詩の内容は、「子供たちにからかわれるプラテーロ」とのこと。

曲の方は、おしゃれな感じで、「狂人」という感じは皆無。

自分としては、

「おかしな人」(普通と変わっているけど、ちょっと可愛げもある)

みたいな題の方がぴったりくるな、と思った。

「散歩」は、詩は自然の中を歩いて、場所が開ける描写があって

とてもさわやかなのだが、曲想は悲し気でマッチしていない、

との箭田さんの感想。

たしかにそういう感じの曲で、なので、

「散歩」というより、「秋の(もしくは冬の)一人歩き」とか、

そんな感じかな、と思ってしまった。

というように、いずれの曲もそんなイメージを持ちながら

聴けて楽しかった。

以上、箭田さんの演奏はギター演奏も楽しんでいますが、

「音楽を楽しむ」というレベルでもとても楽しい。

 

・新宿志原さん 新宿区(S) (バンレイレンの話)、トゥオブアス(ビートルズ)、魅せられて(ジュディオング)、ライディーン(YMO)

ギブソンハミングバードピック弾きでのソロ」が相変わらずかっこいい。

今回すごいなと思ったのが、魅せられて と トライディーン

これをどのようにアレンジするのだ、と思ってしまうが、

一言でいうと「勢いで」の演奏。

魅せられての方は、Amのアレンジで、この曲のコードを

カッティングで追いながら、メロディやバックで聞こえる

印象的なフレーズ、ベース音を適宜、浮き立たせる、という演奏。

おそらく、それほど時間をかけずに、感覚で弾かれているものと思う。

そこが疾走感みたいな感じになってかっこいい。

ライディーンも同様の感じだが、こちらの方が、いろいろ

おいしいところが多いので、演奏としては面白かった。

ただ、こちらは磨くとさらによくなりそうなので、

指弾きとピック弾きを適材適所にして、アレンジを磨くのも

楽しいのではと思う。

 

自分もライディーンの方は、「超簡単アレンジ」にチャレンジしてみたくなった。

(そのうち・・・・)

 

・アンプラグド鈴木さん 小平市(S) メドレー スモークオンザウォーター~オバケのQ太郎ウルトラQのテーマ~ゲゲゲの鬼太郎~キューピー3分クッキング~妹

サムピックをつけて、豊嶋さんのiRig(マイク)を着けての演奏。

忘年会シーズンとなり、人前での演奏を計画されているとのこと。

そして、そのための演奏がすごく心配である、とのMC。

(人前での演奏はだれでも心配を感じると思う。)

とのことで、演奏開始したが、十分技術は上がっていると思う。

キューピーのテーマなど、かなりのスピードの曲だが、

しっかり弾き切っておられた。すばらしい。

(速弾きが苦手な自分は無理・・・)

これだけ弾けるのだから、忘年会シーズンも

自信を持って、楽しんで、の演奏となること祈念しております。

 

・コレクター木村さん 狭山市(S) (ダンマッサーの話)、カムトゥマイウィンドゥ、不明(ピーターフィンガー)

「エディーバンヘイレンは、自宅での生ギターはダンマッサーを弾いていたそう」

とのこと。で、そのダンマッサーギターでの演奏。

相変わらず、音はすばらしい。

演奏の方は、しばらく(2週間くらい前まで)入院があり、ギターが

弾けなかった、とのことで、確かにそのような感じを受けた。

曲自体が、「演奏の切れ」を高いレベルで必要とするものであり、

ギターの方も、「しっかり弾くことを要請してくるようなギター」

であるので、体調とか、練習の具合とかは、相応に感じられる。

で、「そういう状況だと自分でもわかっている」

というのを感じながら演奏していることもわかる演奏だった。

なお、そういう状況でありながら、2曲目は1曲目に輪を掛けて

難易度が高そうなものを選択されていた。

これだけチャレンジングなトライをなさっているので

ほどなく復活なさること、間違いなし。

次回も期待したい。

 

■フリーコンサート終了後

今回は、演奏者がちょっと少なかったので、少し時間が得られた。

なので、電車できたが、それなりに、みなさんのギターを弾かせて頂き、

楽しい時間を持てた。

まずメリルギターとダンマッサーギターを並べて弾くことができた。

「弾きやすさと木ぬくもりを感じる音」ならメリル。

「ギターをより鳴らしきる」ならダンマッサー。

自分の演奏しての感想だが、その後箭田さんも

両方のギターをお弾きになり、それを聴くこともできた。

そこでも印象は変わらず。というか、一段とそのように思った。

メリルの方は、豊嶋さん(右手を軽き弾きたい方)に本当にぴったりと思うし、

ダンマッサーも木村さん(ギターの音を引き出そうとする方)にピッタリだ。

アコギでは、志原さんのギブソンも弾かせて頂いたが、

これは完全にロック。

音は好きなのでが、ネックが細すぎて自分では使いこなせない。

これも志原さんにジャストフィットと思う。

 

で、自分としてもう1つ有り難い経験だったのが、

箭田さんのベラスケスを弾かさせて頂いたこと。

(でしたか・・・自分はクラシックギターは知見なしで、ギター名、自信なし)

を弾かせて頂いたこと。

印象は、まずは、各弦の音の分離がしっかりしていた。

中音から高音部についての倍音クラシックギターなのだがしっかりあって、

少しスチール弦に近いような印象で、これも音の分離のよさを

感じる一因かと思う。

それと、少し弾いて感じたのが、「硬派な感じ」というか、

「音が勝手にでてしまうというところがない」という印象。

(わかりにくいと思う・・・しかしこのように書きたい)

以上、すばらしい楽器ということ、素人の自分でも

感じることができた。ありがとうございます。

お値段はお聞きしなかったが、こういうのが、

たぶん、あーいうお値段なのだろう。

 

以上今回も楽しかった。

次回もよろしくお願いします。