■2023-08-19(土)#252クラスタフリーコンサート

お店に18時5分前についた。  

すごい暑さで、お店が開いているといいのだが、

と思いながら階段を上がっていくと、すでに開いていた。

よかった~と中に入ると、すでに佐々木さん、鈴木さんが

来店されていた。早い。17時半くらいから来ていたとのこと。

 

で、その後18時15分までにどんどん人は入って、

かつ、それらの方が、前半の最初から名前を

書いていく状況となった。トップから順番がうまっていくのは珍しい。

みなさん、早く演奏して飲みたいということか。そういう暑さだし。

 

ということで、以下今回のレポートです。

 

ゴジラ佐々木さん 国立(N) スペイン舞曲1番(はかなき人生)、ドビッシー讃歌、火祭りの踊り(マヌエルデファリ)

8月中か9月か聞きそびれたが、

「編曲関係のコンテスト」があり、それに向けての曲、

とのこと。

1曲目は「前回2位の曲」とのこと。その後が

今年のエントリー、といったようなことがMCで

話されていた。

で、3曲目がそのメインであり、先月も弾かれた曲だが

完成度がさらに上がっていた。

2本のギターをかわるがわるに変えての演奏。

それは1本が曲を演奏するための特殊チューニングに

しているため。

そもそも、まったくチューニングの違うギターを

楽譜をみながら交互に弾き、それがいずれも、

曲の表現がすばらしい、というのがすごい。

頭の中はどうなっているのだろう。よく混乱しないなあ、と思う。

それにしても、この編曲なら、絶対コンテストで

なんらかの賞を得られるのでは。

期待しております。

すばらしい演奏でした。

 

・アンプラグド鈴木さん 小平(S) 神田川赤ちょうちん、妹、22才の別れ、なごり雪

自分としては、鈴木さんのここ数回のフリーコンサート

で一番いい演奏だった。

練習していることがよくわかるが、それ以上に

鈴木さんがこれらの曲をすごく好きなのが伝わってくる。

メロディー部を大事にしたアレンジで、

それらの歌わせ方が、鈴木さんに合っている。

自分としては、妹、なごり雪、がよかった。

また聴きたいです。

 

・小野村さん(初) 立川(N) 主よ人の望みの喜びよ、ヒアゼアアンドエブリホエア、風のうた

「人前で弾くのは初」とのことなるも、

いい演奏だった。初でこれだけ弾けるのであれば、

すぐ上手になるだろう。

それにしても、「すごく上がってしまって」と

おっしゃっていたが、その言葉を聞くまでもなく、

本当に上がっているのがよくわかった。

自分は一番遠い席から見ていたのだが、

ギターに陽炎(かげろう)がたったと錯覚して、

あれ・・・と思ったのだが、ギターを載せている

足に震えがきていて、そのせいでギターがゆらゆら

にじんで見えたのだった。

緊張で震えるのは、ここではよくあることだし、自分もあるが、

これだけすごい震えはないよな、と思ってしまうくらいだった。

で、そうであれば演奏はボロボロとかになりそうなものだが、

そういうことはなく、しっかりした演奏だった。

かつ、アレンジがとても美しかった。

「主よ・・」については4カポで、ギターの音色を

高めに持っていき、ローコード中心だが、

3拍子でのリズムに少し食ったメロディーの

歌わせ方が気持ちよかった。

2曲目のビートルズ、3曲目の押尾コータローさんの曲とも

メロディーがしっかり歌われていた。

ぜひまたのご出演、期待しております。

 

鉄研相川さん 国立(N) ホ長調のプレリュード(ポンセ)、緑の季節(佐藤弘和)、リメンブランス

いずれも過去、相川さんがよく弾かれていた曲だが、

すごく演奏が進化していると思う。特に音色。

指頭弾きにしていたが、爪を再度伸ばし始めての演奏で、

爪がある演奏は4年ぶり、とのこと。

で、早いパッセージが弾けるようになって、今回の

1曲目に再トライできた、とMCでおっしゃっていた。

その音色だが、爪を伸ばして、とのことだが

爪の音はしない。指頭弾きでの演奏の仕方が

変わったのだと思う。

演奏の合間に、

「これがこのギター本来の音」

「いまの演奏の音」

と同じパッセージで、演奏法を変えて音出しを

してくれたのだが、確かに音はかなり違っていた。

ただ、なにをどのように変えていたのか、

全然わからなかった。

コンサート終了後、聞いてみよう、と思っていたのだが失念。

そのうちぜひ。

 

・メリル豊嶋さん 小金井(S) 黄昏、オレンジ#3、レッドシューズダンス

前回よりずっといい演奏。

カウンターで隣の席だったので、聞いてみると、

このところ歌ものにハマっていてギターソロの練習を

あまりしていなかったのを

今回はがっつり練習した、とのこと。

そしてその背景はトミーエマニュエルのコンサートに

いってきたことがあり、

そこで、やっぱりギターソロもいい、と再認識して

ギターソロの練習に身が入った、といったようなことを

おっしゃっていた。

なるほど。やっぱり

「本物をじかに見る」は、いい経験だ、と納得。

豊嶋さんらしい、味のある演奏でした。

 

・ダンシャーリー市來さん 所沢(S) 平均律クラビア曲集I巻1番プレリュード(バッハ)、ダンスウィズミー、ムードフォーアデイ

なんとニューギター。

「もしかして、ダンシャーリーは解消か?」

との声が観客から上がったのだが、

「先日買ったヤマハのギターは手放す予定なので、

  ダンシャーリーです。」

とのこと。

(市来さんの「最後の1本」は、次があるようなので、この次も期待。)

マーチンのダブルオー28、カッタウェイ、弦長ちょっと短め、とのこと。

表板と側板の間のバインディングが縞々模様、

フレットのインレイが特注、等々、オーダーメイド品が

流れてきたもののようだ。

ちなみに、コンサート後弾かせていただいたが、弦長が短い分

パワーがあるわけではないが弾きやすく、きれいに鳴る。

ただ、いわゆるマーチンの音、とはちょっと違った感じもする。

マーチンらしい音、というと弦長が同じく短いギターとしては

豊嶋さんのメリルの方が「マーチンらしい音」で、

市来さんのギターは、ちょっとだけフルアコ的な感じがした。

で、まだこれから鳴ってくるのではないか、と感じる。

弾きこんでの音が変わるか、楽しみにしております。

演奏の方は、市来さんのいつもの曲をニューギターで

楽しんでいる感じ。いい感じでした。

ちなみに、ギターとウクレレ、どれくらいの割合で

弾いておられるのだろう。次回聞いてみよう。

 

・スタンディング竹井さん 練馬(N) SUMMER EYES(林哲司)、ショーロス1番(ヴィラロボス)、アストゥリアスアルベニス

サマーアイズは、作曲者 林哲司氏の名前が書かれているが、

やはりここは、(歌:菊池桃子)と書かねば、と思う。

ただ、竹井さんが弾くと、アイドルの曲の感じがせず、

ティーポップステイストのかっこいい曲に聞こえるので、

林哲司、との記載の方がかっこいいかもしれない。

以上、自分としては1曲目がよかった。

竹井さんの選曲は、純粋にご自身が好きな曲を選んでいると

思うが、竹井さんの演奏にマッチする曲、と納得するものばかり。

「竹井さん選曲ポップス」、「竹井さん選曲映画音楽」等も

面白いだろうなあと思う。

もちろん、ショーロス1番、アストゥリアスも竹井さんテイストで

いい感じでした。

 

・自分 日立(N) ラプソディインブルー、怪獣の花唄(Vaundy)、雨とカプチーノ(ヨルシカ)

今回も楽しいフリーコンサートだったのだが、

唯一、自分の演奏がダメダメだったのが残念。

いろいろ勉強になったので、次に活かしていこうと思う。(決意!!)

今回、自分の演奏がダメダメになることは、可能性としてある、

というのは、わかっていた。というのは、

「演奏がなかなかうまくいかない、完成しない曲」

を敢えて選んでいるため。

どうしてそういう曲を選んだか、というと

「うまく弾けないのだが、弾いていてすごく楽しい曲」

であったから。なのでその楽しさが出せないだろうか、

と思ったもの。

結論としては、ダメ、だった。

自宅での「弾けない」は、弾けない部分があって、

その部分でゆっくりになってしまったり、一回止まったり、

するが、弾けるところは気持ちよく弾けていた。

しかし、クラスタでの演奏は、

「その弾けない部分が、普段弾けるところにも影響」

という状況となってしまった。

弾けないことで、右手の感覚が違和感となり、それが戻らない。

ずいぶん前、まだクラスタに出始めたこと、

こういう感じだったなあ、と思い出した。

要するに練習不足だが、弾けているところまで

弾けなくなってしまうのはとても残念。

ただ、過去にもこういう時があって、それを

改善してきたことなどを思い出した。

また来月頑張ろう。

 

・高橋勇太さん 小平(S) 影身、夏休み(TUBE)、たらこたらこたらこ(CM)、Journey

3月がクラスタフリーコンサート初だったので、そこから

約半年ぶりのご出演。

前回もDIにつないでいたが、その際は、もっと

バーブとかを深めで、音量も大きかったが、今回は

全体的に薄めでセッティングされ、自分としては今回の

セッティングの方がいいと思う。

演奏は前回同様、パーカッシブな音が随所にはいっているもの。

自分も、現在こういう音を入れるのに

再チャレンジしよう、と思ったところだったので、

すごく興味深く聴いた。

で、今回はアレンジ曲が楽しかった。

TUBEの夏休みと、キューピーのCM曲のたらこ、だが、

いずれも、ギターピースとしての完成度が高くおもしろかった。

特にたらこの方は、けっこう長めのアレンジで、

変奏曲みたいなアレンジで楽しかった。

また、楽しみにしております。

 

ラグタイム北村さん 藤沢(S) (ライブ告知)、クリサンチマム(スコットジョプリン)、スコットジョップリンズニューラグ

9月23日に、よねっちさんとジョイントライブを

するとのこと。いい演奏になること祈念しております。

 

さて、今回の演奏はめずらしく1曲目が

ご本人が納得されていない感じであった。

(と、聞いていて感じる演奏だった。)

ほぼほぼ、毎曲高い完成度で演奏される北村さんなので、

めずらしい。

今日、調子悪いのかな、と思ったが、

2曲目は、1曲目以上に難しく、スピーディーな

曲に感じたのだが、こちらの方は完璧。

さすがでした。

2曲目は、ホンキートンク的な、とMCで言われていたが、

こういう曲が持つノリの部分を大事にされ

それの表現がしっかりしているところが、

北村さんのすばらしいところ。

いい演奏でした。

 

・新宿志原さん 新宿(S/N) ヘルプ(ビートルズ)/大聖堂1,2,3楽章(バリオス

1曲目はお店のギターでいつものピック弾き。

いつものとおり最高に楽しい演奏でした。

で、続いて今回、ご自身で持ってきたギターで、

久しぶりのクラシック曲の演奏。

ご自身がお持ちのクラシックギターの製作家の方が

昨年お亡くなりになったことを最近お知りになり、

それで今回、クラシックギターを手に取ったとのこと。

で、志原さんは弾く曲はすべて暗譜(でないと弾けないそう)

なので、しばらく弾かないとどんどん忘れていってしまうとのこと。

従い、ひさしぶりの大聖堂は今一度すべて思い出すところからで

あったとのこと。

その演奏だが、よい悪いではなく、志原さんらしい演奏だった。

右手も左手もクラシックの演奏というより、

型がエレキギター的になっていて、フレーズの歌わせ方がロック的。

クラシックギター演奏家の方の演奏の方が、

きれいな音出しだし、演奏表現として、より曲を引き立たせるもの

なのだろうな、と思うものの、志原さんのような

演奏も、あり、だし、自分はそういうのを聴くのがたのしい。

自分は志原さんのピック弾きソロギターのファンなのだが、

クラシック曲の演奏の方も、たのしみにしております。

 

・コレクター木村さん 狭山(S) ファネスカ(ピーターフィンガー)、カムトゥマイウィンドゥ(同)

前回で、いったん完成の域か、と思っていたが、

今回は、あらためてピーターフィンガーさんの演奏を

聞き直して、細部の熟成に入ったとのこと。

具体的には、表現の細部を確認の上、今一度、

演奏速度をゆっくりにしておさらいしていて、

運指などをまた見直しているとのこと。

自分は、前回の少しスピードを落として、

運指を含めた歌いまわしが「木村さんらしい」

演奏がいいな、と思っていたので、もうそのまま熟成しては

と思ったが、木村さんとしては、さらなる完成度向上を

めざす、ということであろう。

今後を予想するに、運指などは洗練されると思うが、

演奏の速度感や歌いまわしなどは、洗練された上で

「木村さんらしい」ものに戻ってくると思う。

また来月の演奏、期待しております。

 

・グールド賀谷さん 国分寺(N) Me and Julio Down by the Schoolyard(ポールサイモン)、Flowers Never Bend with the Rainfall(サイモンとガーファンクル)、アイドル(YOASOBI)、遠き山に日は落ちて(ドボルザーク

このところ、一段と演奏技術が上がってきている賀谷さん。

今回は右手のカッティングを取り入れていた。

人差し指でのカッティングと、それとタイミングを

ずらした親指でのベース音でその曲の特徴的な

リズムをだしながらメロディーを浮き出させるもの。

今年の最初のころは、右腕でギターを固定していて、

それゆえ、右手の位置は動かせない状況だったが

前々回くらいでギターを膝に置き、これで

普通のギタリスト同様、右手の位置が自由になったな、

と思っていたが、こういうカッティングの方に

いくとは思っていなかった。

賀谷さんの場合は、曲アレンジのイメージの方が

先にあるのだろう。

ポールサイモンの曲は、なんとなくリズムが

カリプソみたいに聴こえて気持ちよかった。

また3曲目のアイドルは、

「ラップの部分をどうアレンジするかで腐心している」

といったことをおっしゃっていたが、

たしかにラップのイメージに聴こえるアレンジ

がなされていた。

すごい感性と思う。

この曲はぜひ完成版を聴いてみたい。

以上、賀谷さんの演奏はこのところ、

毎回、おもしろいです。

 

・浦田さん(初) 上野(N) リュート組曲4番プレリュード(バッハ)、魔笛の主題による変奏曲(ソル)、アルハンブラの思い出(タレガ)、大聖堂第3楽章(バリオス

正確無比な演奏だった。

右手、左手ともスピードがあり正確で、大変なめらか。

そして全くミストーンがない。

本当にうまい。

で、自分としてはレポートしにくい。

自分は演奏技術については、とやかく言えるものではないため。

従い感じたところをすなおに記載しているが、

いずれの曲も、音のダイナミクスを必要以上に変化させたり、

リズムを揺らしたり、とか、そういう部分で目立つところがなく、

しっかり整っている。

これくらいまで弾けると楽しいだろうなあ、と思う。

今回、クラシック曲の代表曲みたいな選曲であったが、

どんな曲、演奏をめざしていくのであろうか。

次聴く機会も期待しております。

 

演奏終了後

今回は、右手の演奏技術について、豊嶋さんとしばし歓談。

右手でのパーカッシブな音だしについて、話をした。

自分の右手でのその音だしについて、

「強くやりすぎている」

「それをやるなら、スチール弦では」

といったご指摘、まったくそのとおりです。

ご指摘を大事にして改善していこうと思う。

ただ、弦はナイロンのまま変えるつもりは無し。

 

その後、竹井さんのギター、市来さんのギター(ニューギター)

を試奏させて頂いた。

竹井さんのギターは、これぞ杉の表板、といった

感じで、とても素直。

「あまり高いギターではないですよ」と

おっしゃっていたが、価格云々ではなく、

奏者に合うかどうかと思う。

もちろん、このギターは竹井さんにすごくあっている。

 

市来さんのギターについては、途中で市来さんのところ

で記載のとおりだが、それにしても、先月のヤマハ

ギターに引き続きであり、理由をお聞きしたところ、

ヤマハのギターのネックが細すぎて、左手の運指に

難しさを感じたため、とのことであった。

また、弦長も短いのを探していて、ちょうどこれをみつけて、

値引き交渉をしたら成立してしまったから、とのことであった。

 

なるほど・・・・

  「市来さんは、さらなるギターと出会ってしまう」に1票だな。

次のギターを弾かせていただくことを、ゆっくり待っております。

 

以上、今回も大変楽しかった。

また来月もよろしくお願いします。

 

■8月のフリーコンサート

2022-08-21 ■2022-08-20(土)#240クラスタフリーコンサート

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2021-08-22 ■20210821(土)#228クラスタ・フリーコンサート

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2020-08-16 ■20200815(土)#216クラスタフリーコンサート

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2019-08-18 ■20190817(土)第204回クラスタフリーコンサート

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2014-08-16 #144クラスタフリーコンサート

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2013-08-18 #132回クラスタフリーコンサート

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2012-08-19 #120クラスタ・フリーコンサート

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2008-08-17 #72クラスタフリーコンサート

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2007-08-19 #60クラスタフリーコンサート

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2022-07-20 ■2022-07-19(火)連休後の調子

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2018-07-19 もう少しポメラを使いたい。

ポメラがきた。」
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