#64クラスタフリーコンサート

今回も楽しかった。
早速感想を。
(曲目はクラスタHPから)


kamayaさん 小平(N/津軽三味線) ソレアレス、タラントス/津軽じょんがら節
いつも最後に近い演奏順で弾かれるが、
今回は珍しくトップバッター。
今日はこの演奏の後、別口の忘年会あるとのことで、
最初に演奏するとのことだった。
(忘年会は楽しめたでしょうか。)


演奏の方は、
「今年最後なので、一番得意な曲を弾きます」
ということで、安定していた。
安定しているといっても
おとなしくなってしまっているわけではなく、
特にギターの方でだが、終了に向けてスピードがあがってくるところが
かっこよかった。
なお、今日は自分の聴き方として
ギターの表板を演奏しながらコツコツと
叩く音がいっしょにでているが、これを
集中して聴いてみた。
なかなかいいなあ、と思った。
そのうちぜひ教えていただきたいな、
と思ったのだが、よくよく考えてみると
サイレントギターではできない・・・・


・・・ナイロン弦の生ギターほしい。・・・


yoshinoさん 八王子(N)(初) ファルーカ、アレグリア
女性の方だが、フラメンコのダンサーをしているとのこと。
で、ギターの方は
「人前でははじめて」
とのことであった。かつ、
「ダンスはあがらないけど、ギターはあがっている」
とのことだった。
たしかにフラメンコの曲であったが、
とつとつとした感じで、フラメンコ特有のスピード感はなく
初めてなのだな、という感じであった。
しかし・・・それにしても、あれだけ長い曲を
暗譜しており、
かつ、終わった瞬間に満面の笑み。
言葉と裏腹に、
「ギターでも全然あがらないんですよ」
といった感じの堂々とした演奏だった。
これからどんどんうまくなるのではないかと思う。


hataさん 八王子(YAMAYAサイレントN)(初) 風の谷のナウシカ、レクイエム
いやーーーーーよかった。
「もうすぐ定年退職で、これからの趣味として
 ギターとつきあっていこうと思ってます」
という方なのだが、
まずもって、サイレントギターで登場というだけで、
ものすごく親近感をもってしまった。
更に、選曲がいい。自分にとってはツボ。
でまた、うれしく思ってしまい、
そしてそれ以上に演奏がすばらしかった。
ポピュラーな選曲だが、しっかりと
クラシックを練習なさった方では
と思う。
しっかりした演奏でクラスタ初ととても思えない。
そして、単に技術的に上手というだけでなく、
ご自身の歌心みたいなものがしっかり
伝わってくる演奏だった。
ぜひまた聴きたい。


kawamuraさん 青梅(N) バーデンジャズ組曲、カヴァティー
本人は演奏の出来に不満足といった表情、感想を
いっていたが、
自分としては、本日一番楽しんだ演奏。本当によかった。
演奏前に話をしたのだが、
一週間くらいまえ(?だったか、よくおぼえていない)
右手を仕事で打撲してしまい、
その際、親指のつめを始め、相当のダメージを
うけてしまったとのこと。
しかし、それで負けてなるものかと、
アロンアルファで復旧させ、(おそらく必死で)
練習してきたとのことだった。


kawamuraさんの今日の演奏は、その
真剣さが、ぐっと伝わってくるような演奏だった。
自分の好きな演奏を
聴きまくって、自分の中に理想の演奏イメージを
作り上げた上で、それに向って精進してきた
そのものの音だった。


ご本人は演奏後、
「だめだった、前回以上に緊張した」
とおっしゃっていたが、逆だ。
前回以上に一生懸命やったからこその緊張だろう。
本当にギターがお好きなのだろうと思う。
また聴きたい。


funatogawaさん 羽村(N) ソナタジュリアーニ
マスターとも同意見なのだが、本当に、
どんどん上手になっている。
さらにこのところ、funatogawaさんの
個性もでてきていて、自分としては、
「気品のある」「高貴な雰囲気の」
というようなものを感じるようになった。
とにかく丁寧なのだ。
こういう個性は自分には無理・・・
うらやましい限りだ。


kimuraさん 町田(10弦N) 練習曲1番(ヴィラロボス)、ショーロス1番(同)、愛のロマンス
あいかわらず「端正」な演奏。
ただ、よくも悪くも・・・とも思う。
kimuraさんの演奏は、ある意味機械的ともいえそうな正確さで、
クラシックがよく似合う。
一方、自分自身でその「正確さ」に対する
敷居値が高めになりすぎているかも、
と思ってしまうところも感じる。
今回、上の曲目にはないが、
カバティーナにもチャレンジしていて、
途中で気に入らなかったようで、中断。
ここらへんがなんとも木村さんらしい。
もっと厳格さを少なくしてもいいのでは、
と思うが、そうすると木村さんの
「端正なよさ」が少なくなってしまうのだろうか。



murakamiさん 町田(S) パウダースノウ、クリスマスイブ
相変わらずよかった。
パウダースノウはシンガーソングライターのPETAさんの
曲とのことだが、ペダルポイントの音の余韻が
たしかに「雪の音」っぽくて秀逸。
また、クリスマスイブはオリジナルアレンジなのだが、
自分はmurakamiさんのアレンジが一番好きだ。
実は、12月はきっと弾くだろうと予想して、
自分は先月11月に、この曲を弾いた。
自分はルバートで弾いたのだが、
murakamiさんのアレンジは正攻法のアレンジで、
リズムがめっちゃくちゃ気持ちよかった。
1年に1回とかいわず、時々弾いて欲しい。
オリジナルアレンジということであるが、
すばらしい完成度と思う。


takahashiさん 東村山(N) もしも彼女が尋ねたら、アルハンブラの思い出、悲しみのサンバ
自分と同じくクラスタフリコン1年間皆勤賞とのこと。
ただ、自分はフリーコンサートだけだが、
takahashiさんはそれどころではなく、
「飛び入り」の方も「ほぼ皆勤」かつ、
ショートライブ他、おそるべきステージ数になっている。
(ちょっとうらやましい・・・)
演奏は最後のサンバトリスチがよかった。
1年前と比べてどれくらい上手になったのだろう・・・
今回チャレンジとしてはアルハンブラ
やっているが、こちらは
初めて1ヶ月とのこと。それでこんなに弾けるのか・・・
この演奏は、自分としては親指の低音部の
ベースの次と次の音ももっと
響かせてもいいかなと思った。
でも、すぐ自分のものとしていくのだろうなあ・・
自分も見習っていこう。


次自分だが、これはあとで。


aikawaさん 国分寺(N) プレリュード(バッハ)、ファンタジー、木蘭(木蓮?)の涙、マイメモリー
前回もすばらしい演奏だったが、
今回もよかった。
今回は至極小ぶりなギター。小さくて面長。
大きさはヤマハのギタレレくらいにみえた。
ただギタレレよりずいぶん細くて、抱えるのが
大変そうだった。
みんなから19世紀ギターですね、の声に対し、
「18世紀ギターです」
とのこと。
音はギタレレにもっとウクレレテイストをブレンドした音。
(といって通じるだろうか・・・)
これでバッハを弾かれたのだが、高貴な感じで、
とてもよかった。
自分だったら、軽快なラグタイムなんかが
合いそうとも思った。
演奏は、自分としてはバッハもよかったが、
そのあとの木蓮の涙もまた最高によかった。
素朴でとてもあったかい感じなのだ。
また次も楽しみだ。


sekiguchiさん 武蔵村山(N) 練習曲8番、1番(ビラロボス)、フローズンフォレスト(佐藤正美)、ワンスアイラブド
相変わらず、でたらめに上手い。
自分なんかの演奏とは、次元の違うところまで
耳が聞こえていて、指が制御していると思える。
また、今回は興味深いことに、
初のボサノバチャレンジ。
なるほど、これくらいリズムがタイトで味をもったもの
として弾けるのか・・・すばらしい。
自分もこういうレベルに近づきたい。


aoyamaさん 小平(S) ムーンリバー、ポジティヴ、アズタイムゴーズバイ、フライミートゥザムーン
めずらしく、何回も玉砕した。
わかる気がする。
フィンガーピッキングデーに向けての曲が、
ポジティヴ(オリジナル)とアズタイムゴーズバイで
これに入れ込んでいたのだと思う。
自分にも経験があって、そういうときは、それをまず弾いて、
そしてそれらの曲のことを忘れないと、他の曲は
得てしてうまくいかない。
まあ、aoyamaさんのことだから、今回のことも
勉強にして、パワーアップしてくるに違いない。
なお、オリジナルのポジティブがリズムがちょっとはねた感じの
軽快な曲。確かに元気がでそうだ。
アズタイムゴーズバイは、aoyamaさん得意の
ジャズアレンジで、時々でてくる
ウォーキングベースがかっこよかった。
なお、これらの曲、特にオリジナルのポジティブの方は、
これで完成ということではなくて、
今後もっとかっこよく育ってきそうな感じもする。
どうだろう・・・・


iwadateさん 高円寺(N) アリアと序曲、BWV998プレリュード、エンデチャオレムス
あと三日で還暦終了とのこと。
演奏はとてもしっかりしていて、
安心して聴けた。
1年間課題曲としたというのが、
2曲目のBWV998だが、ご本人は納得いっていない
とのことであった。しかし、自分としては
とてもいい演奏になっていると思う。
来年はいつもいかれている海外で、
ギターの副講師をなされるということ。
なんともうらやましい。


asaoさん 小金井(N) アディオスノニーノ、ゴヤのマハ
今回はギター固定具を使っての演奏。
この固定具が改造仕様となっていて、
ギターの構えの部分から研究していることがわかる。
アディオスノニーノという曲だが、
とても長い曲なのだが、完全に暗譜されていた。
表現もなかなかよかった。
夏くらいまでは、譜面をみながらの演奏の
方が多かったと記憶しているのだが、
確実に進歩されている。



matsudaさん 所沢(N) ティアーズインヘブン、アレグリアス、ソレア
今回はティアーズインヘブンがよかった。
いつもいろんな曲をフラメンコテイスト
(というか、フラメンコギターの音)
で弾かれるのだが、この曲は音の枯れた感じが
はまって、クラプトンとは違った趣であるが、
とてもよかった。


以上


<自分の演奏について>
自分 横浜(S) ナウアンドゼン、インプレッションズ、水平線の見える場所
今回は先月のフリーコンサートで宣言していた通り、
オープンチューニング特集。
オープンチューニングは、いつものサイレントギターの
ナイロン弦では、とても無理。
久しぶりの鉄弦での演奏となった。


選曲にあたって現在いろんな方がいい曲をたくさん
だしていて迷いに迷ったのだが、
結局、自分のオリジナルを演奏することにした。
といっても、このところ自分は
オープンチューニングを封印していて、
オリジナルといっても、
もうかれこれ20年くらい前に作った曲だ。
ちなみに封印していた理由だが、
自分は、ギターを弾くスタイルとして
「口笛を吹くように自在に弾きたい」
という気持ちがあって、そうすると、
自分の1曲1曲チューニングを変えるスタイル
はそぐわないのだ。


でも、たまに無性に弾きたくなるときがある。
そんな気持ちを大事にしてみようと思い、
1ヶ月準備して演奏に望んだ。


演奏をスタートしてみると、弾きながら、
20年前の自分にタイムトリップしたような
気分になった。
その当時の自分の演奏が蘇ってきて、
ものすごく楽しく弾けた。
・・・そうだ、こんな風に弾いていた・・・


マイケルヘッジスや、ウィリアムアッカーマンに
憧れを持っていた。
作曲の研究のため、筝の曲を聴きまくったこともあった。
そういったことが、演奏しながら頭に浮かんできた。


2曲、20年前に演奏した曲をこのように楽しく弾けて、
最後は、昨日一昨日の2日間で作った
(なので、ほとんど即興に近い曲)
を弾いた。


チューニングは2曲目のまま。
実は、このチューニングは、相当変なチューニングで
20年前、このチューニングで新しい曲を作ろうと
何度かチャレンジしたが、
なぜか全く歯がたたなかったことを覚えている。


なのだが、なぜか、
すっと曲がでてきた。
完成度は全然だが、なんとなく今の自分のそのまま
のような気がした。
ちなみに、この曲は
「水平線の見える場所」
というタイトルにした。
これは、学生のころ、正月、初日の出をみに
海へ繰り出していき、太平洋を望んで年を
迎えていて、そんな気持ちを思いながら作ったので
付けたタイトルだ。


さて、
来年はどのようにいくか。


今年はほんといろいろな曲にチャレンジした。
作曲もした。
満足している。
しかし、「演奏の完成度」という意味では
もう少し、じっくり同じ曲を育てた方がいいのかも
しれないという気持ちを、今持っている。


正月の初日の出を前にするような気持ちで、
これからじっくりと、次の計画を練ろうと思う。



<昨年と3ヶ月前の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20061216
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20070916
<ギター趣味人>
http://guitar-shumijin.g.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080427

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<目に入ったニュース>
今日は忙しかったのでパス。