#121回クラスタフリーコンサート

今回も楽しかった。
いつも思うのだが、音楽、特にギターのインストというのは、
実に窓口が広い。
様々な種類の演奏があるし、同じ曲でも演奏者が違うと、
まったく違う曲に聞こえたりする。
そういうことを、毎回感じさせてくれるクラスタフリーコンサート、
今回もすごく刺激をいただいた。


今回は、クラスタフリーコンサートがちょうど10周年とのこと。
田中マスター、おめでとうございます。
これからもよろしくお願いします。


演奏レポート;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

kokokoさん 川崎市(P) バッハの平均率1番のプレリュード、
パルムグレンの「3つの夜想小曲」の中から星はまたたく、
バッハのパルティータ1番のサラバンド
シューマン子供の情景から、1.見知らぬ国から、2.珍しいお話、
7.トロイメライ(夢)、12.子供は眠る、グリーグの小曲からアリエッタ 


立派なウクレレケースを肩にかけての来店だったので、
今日はウクレレか、と思ったのだが、クラスタの前に
あるイベントで使ってきたとのことで、今日もピアノの演奏。
(そのうち、ウクレレの演奏も聞いてみたい)
今日の演奏も、これまでと同様、
曲想が結構難しくて短い、という曲での構成。
演奏は、タッチが強く大変よくよく響く。
そのなかで、自分がいいなと感じたのは、
きらきらした感じの、星はまたたくと
歌い上げる感じのトロイメライ
「歌い上げる」と書いたが、kokokoさんの演奏は、
ドラマティックという感じはまったくなく、
さばさばした感じで、カラッとした、
清涼感みたいなものを感じる演奏だった。
なお、みなさんの演奏後に、
カウンターで席がお隣になったので、ちょっとだけ話をしたのだが、
「本当は、ジャズをしたかったのですけど、コードが苦手であきらめたんですよね」
とおっしゃっていた。
なかなか、意味深のお言葉だ。
アドリブが苦手、というのはよく聞く。特にクラシックピアノとかを
やっている方は少なくない。
普段楽譜に忠実に弾け、と言われている方が、急に好きに弾け、といわれてもうまくいかないこともあろう。これはわかる。
しかし「コードが苦手」というのは、
直訳すると「音楽における色彩感の使い方が苦手」ということかなと思うが、
kokokoさんの演奏は、そういう風には聞こえない。
「どういう意味ですか?」
と聞こうと思ったのだが、聞きそびれてしまった。
そのうち、聞いてみたい。



fujikawaさん 赤羽(S) ノーバディーノーズユー、ムーンリバー、チェンジザワールド
鉄弦で、ギターはマーチンだろうと思う。
1曲目と、3曲目はクラプトン。(南澤さんのアレンジか)
そして、2曲目は内田カンタロウ氏のアレンジとのこと。
渋い!
ムーンリバーで特に感じたのだが、
親指で低音弦から高音弦まで、弾き下ろすコード弾きを
適宜いれていて、これがきれい。
弾き下ろすスピードが曲調にマッチしていて、
きれいに響いていた。
鉄弦では、こういう渋い演奏がかっこいい。
また聞きたい。


ishimizuさん 武蔵野市(N) ティアズインヘブン、ロングアンドワインディングロード、
放課後の音楽室、ありがとう、時の過ぎゆくままに
フリーコンサート10周年記念の曲を用意してきた、
とのことをおっしゃっていたが、1曲目は、前の
fujiwaraさんの演奏に影響された、とのことで、ディアズインヘブン。
わかる。
自分が同じ状況でも、そういう選曲をしたくなるような
fujiwaraさんの演奏だった。
そして、ishimizuさんの演奏も、fujiwaraさんに負けず、
大変気持ちいい演奏。
まずもって、ティアズインヘブンがよかった。
これは完全に十八番になったのでは。
そのあとの演奏も、自分は4月から聞いているのだが、
ずいぶん上手に(しかも急に)なられたと思う。
ポップな曲が多いのだが、メロディが伴奏に
埋もれることがなくなり、とてもはっきりうたっている。
場数を踏んだとのことで、その成果だろう。
いい演奏だった。


masakiさん 東村山市(N) 月光(ソル)、ラグリマ、アデリータ、前奏曲第1番(ロボス)
「もう1回自分の演奏をみなおしたい」
ということで、クラシックの名曲で、
再研鑽にチャレンジ中とのこと。
もう、十分お上手だが、タッチの丁寧さとか、表現の奥行とか
さらなる精度を追及しているのがよくわかる。
間の取り方とか、タッチの具合とかは、
クラスタでお聴きした超絶にお上手なokanoさんみたいな演奏を
目指しているように自分は感じた。
どこまでいけるのだろうか、とても興味がある。
期待しています。


emuraさん 府中市(N) そのあくる日(ゲーラ)、フェリシダーヂ(ジョビン/ディアンス)、サンバースト(ヨーク)
ギター歴2年半とのことだが、とてもそういう風には聞こえない。
すごくお上手。
で、興味深く聞いたのは、
「ディアンスの楽譜は、イタリア語、フランス語入り混じった楽譜を
 細部まで読み込んだ」
とのこと。
ギター2年半でこれほどお上手になるのは、手が器用であったことは
もちろんだが、もう一つ、「音楽の理解力」も必要で、
そちらも、しっかり努力なさっているのだな、と思った。
楽譜を読み込んで、頭の中で、一回目標となる演奏を
構築して、それから弾きこまれているのだろう。
現代曲みたいな難しい曲を弾きこなすには、そういく道筋が
必要なのかもしれない。
(お気楽な趣味演奏専門の自分では、あまりわからないことだが・・・)
とても楽しそうに演奏されていることも印象的。
今後も大変楽しみだ。



yamakawaプロ 中野区(N) 海を見ていた午後(ユーミン)、ルパン三世(大野雄二)、ウルトラQ、イフ(ブレッド)
1曲目は毎回弾いている演奏なので、
ほぼ、考えずに弾ける状況となっているご様子。
自分にも、そういう曲はちょっとだけあるが、その場合、
演奏しながら、ある程度他のことも頭に浮かべることができる。
yamakawaプロは、
「海の香りがみなさんにイメージできればと思って演奏している」
とおっしゃっていた。
本当は、人前で弾く演奏というのは、そういう状態にまで
持って行った曲で構成すべきなのだろう。
いい演奏でした。
ルパン三世ウルトラQは、ちょっとスピードを飛ばしすぎた
感ありで、ランニングベースで、ちょっと途中
もたる感じのところがでたが、それも味の範囲。
引き倒す感じで楽しい演奏だった。
最後、きれいにイフを歌い上げて完了。
yamakawaさんの演奏は、常に聴く側のことを
感じながら演奏されている感じで、聴いていて
とても聴きやすい。



ジェシープロ 中野区(P) スプリンクリンクレイン、ジェットコースターの夢、エンドロール(全てオリジナル)
今回は、MCで曲紹介がちょっとずつ長めにしていただき、
自分が知りたいと感じていたところがわかってすっきりした。
最初の曲は、過去のフリコンレポートで、「春雨だろうか・・・」と
記載していたが、「a sprinkling rain; 〈悲しい時に降る雨〉」とのこと。
「日本語だと涙雨ですけど、演歌みたいなので英語にした」
とおっしゃっていた。
しかし、曲想は、「悲しみいっぱい」という感じではなく、
さわやかさみたいなものを自分は感じる。
ジェシーさんは、どのような想いをもって演奏なさっているのだろう。
そして、最後のエンドロールは、
「映画の最後に、途中を思い起こしながらみたいな曲」
とのことで、こちらは、本当にそういう曲に感じた。
途中、ペダルの踏込をなくして、淡々とした曲調にはいるところなどが、
「その他様々なキャスト」がでてくるような感じであったりして、
なんともいい感じだった。



自分 横浜市(サイレントN) 舟唄、矢切の渡し箱根八里の半次郎、雨上がりII
もう少し、勇気をもってやればよかった・・・
演歌をピックアップして、「日本のブルース」
みたいに演奏したかったのだが、出張が多いこともあり、
練習不足は否めない。
従い、楽譜をみながらの演奏としたのだが、
やっぱりそれがマイナスだった。
舟歌矢切の渡しは、ほぼ、楽譜がなくても弾けたと思う。
そして、ブルースみたいなものは、楽譜をみないで
演奏せねば、本来の味みたいなものは、でてこないようだ・・・。
勇気をもって、そうすべきだった。反省。



kotohaさん(初) 八王子市(S) G線上のアリア、ブーレ、風の通り道、ワンダフルトゥナイト、ヘイヘイ
15歳! お母様が同伴で来られて、楽しまれていた。
(すいません、マスター記載のとおり女子高校生でした。)
ヤマハの鉄弦のエレアコ(APXかな?)で、実に丁寧で
味のある演奏だった。
「楽譜通り弾く」みたいな演奏では全くなく、
きちんと自分のなかで、歌にして歌っていた。
また、その歌が、15歳らしく、大変ストレートで
ほほえましいくらいだった。
自分なんかだと、メロディーは、ちょっとくってみたり
遅らせてみたり、と、いろいろしてしまうのだが、
そういうところがない。
しかし、おそらく(自分が聞いての感想だが)きちんと
原曲を聴いて、演奏されていると思う。
そう感じるような、しっかりした歌い方ができていた。
しかも、曲目も渋いし・・・・
みなさんの演奏が終わった後、ちょっとだけ一緒に弾いたのだが、
禁じられた遊びを弾かれたので、
自分は、それをリズムを変えて演奏してみたりしたら、
あっという間にさらにそれをコピーしてきたりした。
しっかりいろんなアレンジを練習しているのだな。
どんどん上手になるだろう。
また聞かせていただきたい。(お母様が大変かもですが・・・・)



ishizukaさん 横浜市(N) 暁の鐘、タンゴアンスカイ、リブラソナチネ
暁の鐘は、トレモロが効果的で、
本当に、夜明けの情景が浮かぶようなきれいな曲だった。
かなり難しい曲と思うが、しっかり弾かれていた。
次は、タンゴアンスカイ。これも難しい曲だが、
気合が入った演奏がよかった。
最後の曲は、響きを大事にした現代風の曲。
これもなかなかいい曲で、いい演奏だった。
忙しくて練習不足とのことだが、練習がしっかりできたら、、
どういう演奏になるのだろう・・・
ぜひ聞いてみたい。



コレクターkimuraさん 川越市(S) (ギターに関するうんちく)、アドリブ
前回と同じギターだが、それは、自分の前回の
レポートが間違ってしまっていたことも一因のようだ。
申し訳なし。改めて、MCをメモさせていただいた。
SHNTI(シャンティ)というギターで、
製作者はマイケルホーニック。
サンタクルーズに一時期いた方とのこと。
(前回ラルビーと記載してしまったが誤り)
ギターはコア材の、トラ目バックがすごいギター。
で、今回も弾かせていただいたのだが、
前回とちょっと印象が変わって、
前より簡単に弾いてもなるように感じた。
(前回は、かなりがっつり弾かないとならない様に感じたのだが)
ひょっとして、もっともっと鳴るようになるのか・・・


演奏の方は、アドリブで、音を楽しむような
演奏をきっちり時間いっぱい。
さすがです。


iizukaさん(以外に初) 国分寺市(N) ミスティ、ジョージアオンマイマインド、ルート66
キーはEしか弾けないんですが・・・とMCで
おっしゃっていたが、そのキーEについては、
まさに「自由自在」。
実にジャジーかつ、軽快なアレンジが素晴らしかった。
ジャズコードを弾きながら、メロディを
歌い上げ、ワンコーラス終わったら、アドリブへ。
そのアドリブが、コード感、スピード感を損なわないように
絶妙のバランスを保っていて、すごい演奏だった。
これくらい弾けると楽しいだろうな・・・
また聞きたい。



田中M 国分寺市(N) 風笛、ソナタハ長調ジュリアーニ
2曲目のソナタは、前回からかなりの進歩。
前回は、片手で収まらないくらい、途中中断があったが、
今回は1回。
もう少しで、弾けるレベルから、
弾きこなすレベルへ入っていくと思う。
昨日、珍しくお腹を壊して体調が今一つとのこと。
それもあって、少しいつものマスターからは、
柔らかめの演奏にも聞こえた。
くれぐれもお大事に。


kimuraさん(飛び入り) 三鷹市(N) ノクターンショパン
大学時代に弾いていて、10年のブランクがあったが、
この頃再開したとのこと。
今回は、初めてで「聞きに来ただけ」とのことであったが、
みなさんのリクエストがあり、飛び入り。
急で大変だったと思うが、しっかり1曲弾き切っていかれた。
ぜひとも、今後も弾きに来てほしい。



以上



今回は、自分の演奏が一番納得がいかなかった。
もう少しなんとかしたい。



<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20110916
<目に入ったニュース>

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