反ポピュリズム読了

あのナベツネ氏の著作。
86歳だったか、かなりのお歳なので、
どんなものか、と思ったが、ものすごく文章がうまい。
かつ、しっかりした理屈で貫かれており、びっくりした。
印象からして、なんらか、「トンデモ」の内容なのでは
ないか、と思ったのだが、そんなことはなく、
きちんと多くの勉強をしたうえで書かれた良書だった。


政治についての意見が書いてあり、
ポピュリズム、直訳すると、「人気主義」
みたいになるのだろうか、要するに、
きちんと考えることをせずに、
「あの人、印象がいいから」
「かっこいい主義に思える」
「自分にとっては、都合がいいから」
といったことで、政治家や政治の考え方を
選ぶことに対して、NOを強烈に言い放っている。


たとえば、高速道路0円、とか、実現すると
使う側としては、とても都合良く感じてしまうので、
賛成しそうだが、よく考えてみれば、
今の日本の財政で成り立つとはとても思えない。


原発の話もでてきている。


本当に、日本経済はなりたつのか?
考えているのか?
という問いかけからなされている。


加えて、理論的に考えると、
日本で事故が起こると、もちろん大変だが、
中国でも(現在、ガンガン原発を作ろうとしている)
事故が起こったら、大量の「危ない黄砂」が
飛んでくるのではないか?
であれば、中国に対して、安全技術をどんどん
いれていかねば、どうにもならないのでは?
(でなければ、中国にも、「原発やめろ」と
 いわねばならないが、それこそ、無理筋だろう・・・)
なんてことがかかれている。


で、ちなみに、なんでこんなに考えなくなったのか?について
ネベツネ氏の意見は、その一因を
「制限時間内でなんでも伝えようとする、テレビの悪影響」
としている。


思い当たる・・・・


そしてもうひとつは、「小選挙区制」
とのこと。
まともなことを理解してくれる方は、
地域で15%くらいだと思うが、
そういう方が理解してくれれば当選する、
ということが小選挙区制では無理になってしまったとのこと。


年配の方や、若い方、だれにでもわかる言葉で説かないと
通用しなくなってしまったら、「人気者」だけが当選する。
それでいいのか?
として、中選挙区を説いている。


これもとても合点がいく。


先入観なしで、読んでみて正解だった。


<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20110914
<目に入ったニュース>

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