番外コラム-5 「すてきだな」と思うとき

昔、自分が大学生の頃の話。
自分はそのころ、まったくラグビーをつまらなく思っていた。
「人がボールに向かってぐじゃぐじゃに突進していく様をみて、なにが面白いんだろう・・・」
くらいにしかみてなかった。
あるとき大学の寮で、高校でラグビーをやっていた友人といっしょにラグビーをテレビでみる機会があった。友人数人とバカ話をしながら、寮のテレビをみているという状況で、もちろん自分はほとんどそのラグビーをみることに興味はもっていなかったのだが、テレビのラグビーの試合を観ながら、その友人が話すのだ。
「ここはさ、あのモールのなかでは、どこにだせーとか、いってるんだよ・・・」
「あっ、ほら、こいつが、こういうことやろうとしてまわりをひっぱっていっている」
「あっちは、それをつぶそうとして・・・」
等々、これが実に面白い。
なるほどなるほど・・・と観ているうちに、つまらないと思っていたラグビーを夢中でみている自分に気がついた。
おもしろいじゃん!!ラグビー!!
このとき、自分は「ラグビーを観る技術」をその友人から伝授されたのだ。以後、ラグビーを観るのは楽しくなった。
同じような経験は、大学時代、いろんな友人から得られた。

「星をみるののどこが楽しいんだろう・・・」
と思っていたが、天体観測が趣味の友人から、その面白さは伝授された。
夏に阿蘇の草原にキャンプにいったとき、そいつが草原に寝転び、満天の星をみながら、星の話延々としてくれた。
「星って素敵だな」
素直にそう思ってしまった。

バイクが大好きな奴に、
「バイクってそんなに楽しいのか?」
と聞いたら、夏の夜に自分を後部シートに載せて、海の中道公園(@福岡)をドライブしてくれた。
「おっ、ちょっと空気が冷たくなったな・・・もうすぐ海だな!」
なんて話ながら、ご機嫌にバイクを操る奴の後部座席で思った。
「バイクってこんなにご機嫌なんだ」
数年後に2輪の免許をとっている自分がいた。

本当に楽しいものは、楽しいと思っている奴に付き合えれば、大体楽しさがわかるものだとそういった経験から悟った。というより、そういうふうに本当に楽しめる奴こそが、そういったものを楽しくしているのだ。

自分はギターの楽しさを表現できているだろうか・・・
自分も本当に弾きたい曲を心から楽しんで弾いていこう。

PS
ちなみに、
ラグビー好きの奴」
「星の好きな奴」
「バイク好きの奴」
いずれも、ラグビー、星、バイクをいいなと思うと同時に、
「こいつ、かっこいいやつだな」
とも思った。
もてる奴というのは、こういう奴なんだろうな・・・(と思った、もてなかった自分・・・・・)