河原者(かわらもの) 

でも、「生きるのに必死にならざるを得ない社会」は、芸術家に冷たい。当たり前だ。人が一生懸命田畑を耕しているとき、芸術に一生懸命というのは、ある意味遊び、すなわち、なにも生産的でないもの、に夢中になっているということだ。 だから江戸時代、百姓(百の姓=一般市民のこと)と区別してそういった人(芸術家の類)を河原者と呼んだらしい。(自分はおじいさんか、誰かからこういった話を聞いた気がするのだが正確には覚えていない・・・)河原は植物が育たない。つまり「何も生産的なことをしない(できない)人」という意味だ。今は”芸能人”と呼ばれるようになって、どっちかというと、憧れの職業として見られる向きもある。でも、本当は違うと思う。元々は河原者といわれるくらい世間からの目は厳しい職業なのであり、ちょっとでも一般社会から嫌われてしまえばそれだけで生計が成り立たなくなってしまう。芸術家として飯をくっていくのは、元来厳しいものだと思う。