オープンチューニング使用歴 

オープンチューニングについては、先に記載のとおり、自分の最初の作曲からオープンチューニングだった。前述のとおり、大学時代の夏休み中に、自転車で日本海側を旅して走ったときの気持ちをギターソロ曲にしたのが最初だ。
最初の曲なのにオープンチューニングで、しかも誰も使っていないようなチューニングだった。
高校生からソロギターに興味を持ち始めたが、それから作曲を始めた大学生、その後社会人になってからしばらくの間はオープンチューニングが主だった。
最初のオープンチューニングとの出会いは、中学生のころ、中川イサト氏の名盤「1310」の「きつねの嫁入り」という曲のコピーだ。それからはまってしまった。その後、大学に入ったころウィンダムヒルがメジャーとなり、オープンチューニングが流行りだした。ウィリアムアッカーマンの純粋さ、アレックスデグラッシの爽快感に感動し、そして、マイケルヘッジスでぶっ飛んだ。
でもこのころ、特に自分がオープンチューニングを始めたころは、周りに誰もそんなことしている友人はいなかったし、(そもそも野球部だったので、自分がギターを弾くことすら知っている友人はいなかったのだが)楽譜なども一生懸命探した末、ステファングロスマンなんかを見つけて大喜びしてたくらいだ。以上のような状況で、特にウィンダムヒルが流行る前などは、オープンチューニングというものは非常にマイナーなものだったのだが、それでもチャレンジしていた。 
実は、オープンチューニングに最初すごくこだわったのは、音楽的なことが理由なのではない。実は、自分の指の短さへのコンプレックスにある。自分が、
「手が小さいので、ギターに向かない」
と言うと、
「手が小さいのなら、ショートスケールのギター弾けばいいじゃないか」
とか、
「プロの○○さんだって、そんなに手は大きくないよ」
とか友達は、いろいろ言ってくれた。実際、そのとおりと思う。しかし、自分の指はそもそも手が単純に小さいだけではなく、小指だけが極端に短い。誠にギターを弾くのに適していない手だ。ショートスケールを薦めてくれた友人も、自分の指を見せると
「本当に小指だけ短いね・・・」
と納得してしまう。だから、何度もギターをあきらめた。でも、しばらくするとまた手にしていて・・・といったことの繰り返しで、いままで弾き続けてきている。そんなとき、どうせ普通に弾いてもほかの人並みにも弾けないのだから・・・との気持ちと、抑え方をできるだけ簡単にならないだろうか、といった考えから、オープンチューニングにはまっていったのだった。
大学生の30曲くらい作ったと書いたが、これらは、100%オープンチューニングだ。ウィルダムアッカーマンがこのころのお手本だった。テクニック的に比較的やさしく、しかしすごく複雑なーチューニング(かつ、一曲一曲チューニングが違う)で、響きがすごく気持ちよかった。 
マイケルヘッジス、アレックスデグラッシは、もちろんすばらしい。しかし自分で弾くには、あまりに難しすぎた。
とにかく、ギターのテクニックとかは本当に未熟だったのだが、頭にのぼるイメージをなんとか曲にしたくて、もがくように曲を作っていた思い出がある。
その後、就職して仕事が忙しくなり、夜遅くしかギターが弾けない状況となった。そこでヤマハのナイロン弦のサイレントギターを手に入れる。ここからは、普通の市販の楽譜を買って弾くのが楽しくなり、現在はオープンチューニングは本当に時々、主にオリジナルの曲を作るときだけに使うといった状況だ。