久しぶりにギター試奏

今日は御茶ノ水でひさしぶりに
ギター試奏をした。


今日の試奏は、自分としては
得るところが大きかった。
自分の音色に対する好みを
再認識するところがあった。


このところ試奏頻度が
減っているが、メインギターとしての
興味が鉄弦からナイロン弦に移ったためで、
ナイロン弦ギターというのは、
特にクラシックギターの方は
値段が高すぎて、おいそれと
試奏する気になれない。
でも、今日はたまたま興味を持てるギターが
あったので楽しめた。


3本のギターをひいていずれも興味深かった。
上述の「自分の好みを知ることができた」
というのは1本目で、
谷口楽器で弾かせていただいた、
カナダのメーカーのラ・パトリエ(シーガル社の系統)の
Hybrid CW Black Quantum II
定価 \134,400 (10万そこそこまで安くしていた)
新製品とのこと。
http://www.kandashokai.co.jp/lapa/hybrid_cw_bk.htm
このリンク同様、真っ黒なペイントの
ギターで、自分はあまりペイントが
極端なのは嫌いなのだが、
このギターは黒だがラッカーしあげという
もので、手にしてみると、たしかに、
「ペイントばりばり」の厚い塗装ではなく、
実に上品な塗装だった。
こういう風なら、色ついてても
それほど気にならない。


さて、その音なのだが、
いい意味で「鳴らない」ギターだった。
がしっとしたつくりで、エレアコとなっていて、
マイクとかがついていることもあるのかも
しれない。
「軽い表板」
という感覚はなし。
自分が弾いているのを
聴いていた店員さん曰く、
「あたたか系の音色ですよね」
といったことも同感なのだが、
高音部のシャリシャリした無駄音が
でない。
弦がフレットに触れる瞬間の
「カシャッ」という音、また、右手の
つめが触る瞬間の「シャッ」という感じの
わずかな音、こういったものがない。
じゃあ、全く音が前にでてこない、
「takamineのエレアコを生で弾いたとき」
のような、「あえて生音は絞ってます」的な感じなのか、
というと、そうでもなく、きちんと基音の部分はでている。
右手の表情はきちんとでてくるのだ。
簡単に言うと、
自分のヤマハのサイレントギターの生音を
そのまま大きくしたような感覚だった。


このギター、普通の方には
「ならないな、エレアコだな」
と評価されるかもしれない。。
でも、自分はこの生音の性質が
まさしく今の好みといっていい音だった。
自分にとっては、大変コントローラブル。


ただ、この音としてコントローラブルであるのと
裏腹に、ネックがかなり太い。
特に5フレット裏ぐらいから、ぐっと太さを
ましているように感じられた。
店員さんにそのことを告げると、
「そうなんですよね。かなりかまぼこ型ですよね」
ということで、日本のメーカーのと
比べても太いサイズとのこと。で、
「一応少し小さいサイズのを・・・」
といって、同メーカーの小さいサイズの
ギターを持ってきてくれた。


確かに若干ネックが細い。
しかし、こっちの方は
各弦の音の分離がいまいちで、
先のギターの方が明らかに、
音色としては好み。


「音はやっぱりこっちの方がいいですね」
と正直に感想を申し上げ、
お礼をいって試奏を後にした。


帰宅後、先日3000円で手に入れたMATANOギター
を弾いてみて改めて感じたのだが、
MATANOギターはトップがこれでもか
と薄くしてある感じで、音はすごく敏感に鳴る。
従い、上述の「カシャ系」の音も
でやすく、自分はそれが気になる。
これはこれで自分の演奏をモニターする意味でも
悪くないとは思うが、自分の好みは、
この部分がなるべく出ないギター
(ある意味、なりの悪いギターといえるのかもしれないが)
が好みなようだ。


さて、御茶ノ水に話を戻すが、
その後、クロサワ楽器Drサウンド店にて、同じく
ナイロン弦ギターを2本試奏。
ギブソンとマーチンの中古品。
先の谷口楽器での試奏より、
クラシックギターメーカーの
敏感な感じのギターではなく、
鉄弦メーカーの老舗が作っている
ギターの方が好みに合うかもしれない
と思ったもの。


1本目
Gibson C-1  1960年代
税込販売価格
98,000円
おそらく弦長620mm台と思う。
少しパーラーに近い感じ。
持った瞬間は、
フレットがちゃちい感じで、
「鳴るのかよこれで」
と思ってしまったのだが、
鳴った。というか「鳴っちゃう」感じ。
自分の想像以上に音がポーンと
でてくる。
面白い。
ただ、それがすべての音ではなく、
低音の方はギターサイズが小さいので
あまり出ないし、高いほうも、
すべての音がでてくるわけではない。
とても癖のあるギターだ。
これでなんの音を弾くか・・・
ギブソンだから、ブルースでも・・・
という考えもあるが、
このギターはXブレイシングではなく
ファンブレイシングであり、
音色自体はクラシックギターに近い。
「夜ソファーで爪弾く」系の感じ。
じっくり付き合って、うまくならせたら、
すごく味のある曲とかができるかもしれない。


もうひとつは、
Martin 00-16C 1964年
税込販売価格
248,000円
持った瞬間、軽い!と思う。
で、自分はマーチン独特の
ドンシャリ系の音をイメージしたのだが、
弾いてみると、これもクラシックギター
に近い音色。
このギターもファンブレイシングとのこと。納得。
音は簡単にいうと
「さっきのギブソンの癖の部分を
 とっぱらって弾きやすくしました」
という感じ。
「きれいな曲を爪弾く」
には最高のギターかも。
思わず、ハナミズキなんかを弾いてしまった。


いずれのギターも
持った感じは軽いが、本日気にしてみた
「カシャカシャ系」
の音は気にならず。


以上、今日の試奏の感想。
自分は性格としてあまりに
敏感すぎるのが苦手だが、
ギターの音の好みに関しても、それはいえるのだな、
と自覚した。
「本日弾いたラ・パトリエのギターの感じで、
 ネックがもうちょっと細いもの」
が、今後しばらく試奏の際の
自分の判断の指針となりそうだ。



<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20070809
<目に入ったニュース>
谷亮子 銅メダル
バレー女子はアメリカに負け。
(谷さんお疲れ様でした。
 しかし、日本成績としては苦戦だな)


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