アマチュアにとっての芸術は?

じゃあ、芸術というのは、一部のプロのもので、一般大衆のものではないのか、というとそんなことはない。むしろ逆だと思っている。芸術というのは、まずもって、自由さというか「好き勝手」であるべきと思うが、「好き勝手することと、それで生計を立てていくことが同義である」という方は、前述の「プロになるべくしてなる人」だろう。普通は、なかなか人を喜ばせるレベルのものを出しつづけていけるものではないと思う。そう考えると、「プロになれる人(上述のような意味で)」以外は、「好き勝手にするために」は、アマチュアで留まる方が、より芸術には近づけそうだ。
ただ芸術のなかでも、人間ばなれした技術が必要なものもある。(というか少なくない)その技術修得に修練(つまり時間)が必要となれば、別の生活の糧のための仕事との両立は、時間的に難しくなる。そうすると「本当の芸術をするためには、プロになるしかない」という判断しかなくなるものもあるだろうとは思う。