第8章  夢

「音楽で飯をくえないかなあ」
音楽をやっていると、そう思うことがある。音楽にのめりこんだことがある人なら、誰でも一度は思ったことがあるのではなかろうか。音楽のみならず、スポーツとか美術とかでも同じと思う。
でも、ミュージシャン、プロ野球選手、プロサッカー選手、その他なんでも「自分の趣味を仕事として飯を食っていく」のは大変だ。そしてそこに到達した人たちは、ある意味なるべくしてなったとしか思えない。つまり、才能があったということだ。
才能というのは、「努力ではけして追いつけないもの」として確かに存在する。そして、もちろん40才を過ぎて普通のサラリーマンをやっている自分は、「ギターの才能」は残念ながら持ち合わせていない。だから「音楽で飯をくう」というのは叶う事の無い夢だろう。

でも、そのことを十分わかってはいるが、将来、日本各地のライブハウス、小さなアコースティックギターのソロがちょうどいいくらいのライブハウスを演奏旅行してみたいな、というのが、自分の夢だ。

自分の才能の範囲は、技術的にはプロには程遠いが、それでも自分は音楽が好きでギターが好きだ。そして音楽は技術だけでなく、「誠実さ」とか、「音楽を通してみようとしているもの」というものでも、ある程度伝わるものだとも思っている。だから、飯を食うことにこだわらなければ、夢は、実現できる夢になる。夢を持っていると、毎日張り合いがでる。いつかその大きな(自分にとってはだが…)夢を実現させるため、道を小さな夢に分割してちょっとずつかなえながら、歩いていこうと思う。
本章が最後の章になるが、夢について綴る。