1つの構えに決めずに

ギターを弾くとき、
クラシックギターの演奏者は、
概ね、左足を足台にのせ、
その左足の上にギターを置く。


スチール弦のギタリストは
右足の上に置く方が多い。


これは一つはギターの構造的な
理由があると思う。


スチール弦のギター(14フレットジョイント)
は、ガット弦(12フレットジョイント)の
クラシックギターに比べ
駒の位置が奏者の左手方向にある。
なので、
同じ構えで弾いた場合、スチール弦の
方が右手が駒に近いところで
弾くことになる。


あんまり駒に近いところで弾くと
弦の硬さを強く感じることになるので
スチール弦は、右足の上に置く方が
多いのだろうと思う。


でも、じゃあ、かならずスチール弦が右ひざで、
ナイロン弦のクラシックが左ひざかというと
そんなことはなくて、
フラメンコギタリストは、
右ひざに乗せている方が多いし、
スチール弦でも打田氏や南澤氏は左ひざに
のせている。


まあ、個人的な好みだ。


さて自分はというと、
このところ、両方を半々にしている。


左ひざに乗っけていると、左肩に疲れを感じて、
右に乗っけていると、猫背気味になりがち
で腰とかが疲れる。
で、疲れを感じたら切り替えるようにしている。


実は演奏上は、切替時それなりの違和感を感じる。
右手も左手もギターと接する角度が
変わるからだ。


高いフレットを弾くときや、
右手でミュート奏法をするときは、
左ひざにのっけるほうが弾きやすい。


一方、右ひざにおいて、
左手を体から前方に幾分離し気味の方が、
左手は自由というか、力を
抜いた感じになれる。


どちらがいいか、けっこう悩むのだが、
2つの構えをとりあえず、
両方つかっていくことにしよう、
と開き直っている。


両方の弾き方をときどき
替えることで、
感じたり見えたりすることもあるのだ。


おそらく、
「精度」を求めるのであれば、
一つのフォームに固める方が
ぜったい有利だ。


でも、
2つとしておいて、
とっかえひっかえすることを許容してしまうことも
なんだか、悪くない気がしている。


なんというか、説明しにくいが、
例えばプロ野球選手の
バッティングフォームなんかは、
1つに決めておくのがもちろん
常道だと思うのだが、
スランプに陥ったり、ある弱点を
徹底的に突かれるようになってしまったとき、
変化させてもいいと自分で思える
もうひとつの型をもっている
選手の方が早くその状況を回避できるというか・・・


まあ、ギターの演奏なので、
勝ったり負けたりみたいに、
白黒はっきりするものでないが、
とりあえず、今は2つのフォームを
両方使っている状況を続けてみようと思う。


<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20060921

<ギター趣味人>
http://guitar-shumijin.g.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080427