第61回クラスタフリーコンサート感想

(曲目はクラスタのHPから)


Funatogawaさん 羽村(S/N) ラガマフィン/禁じられた遊び
今回は鉄弦での参加。
何ヶ月かかけてチャレンジ中の
Mヘッジスのラガマフィンだ。
感想として、すごくタッチが軽いなと
感じた。
そのため、曲全体としてタッピングやら
カッティングも入るのだが、
音量のバランスは総じてとれている。
これはいいなあと思った点。
一方、
ピッキングの表情としてはいまいち
物足りなさも感じた。
ナイロン弦がメインの方なので、
ナイロン弦向きのピッキングなのかなとも
思った。
というのは、その後弾いたお店のナイロン弦では
ちょうどよく感じた為。


ちなみに、全員の演奏終了後、その
ラルビーのギターを
弾かせていただいたのだが、
その理由を納得した。


弾いてみて思ったのは、
ものすごくテンションが軽くなっており、
音の出がスムーズなのだ。
鉄弦でありながら、ナイロン弦みたい・・・


と思いながら、他の方とのセッションに
なだれ込んだ際、気が付いた。


1音チューニングを落としてあったのだ。


テンションをご自身で弾きやすいように調整
していたとは・・・


感心すると同時に、それでこれだけ
いい音がするラルビーのギター、すばらしいな
と思った。


次は鉄弦だろうか、ナイロン弦だろうか、
また楽しみだ。



Sakataさん 相模原(S) グローイングアップ、遠い空、ラガマフィン
今日一番音がいいと思った演奏。
マイクなしでの鉄弦の演奏だが、
適度なコーラス感というか、リバーブ感というか、
聴いてて「聞き惚れる」という感じ。


そのことをご本人に演奏後告げると、
「もう、このギター以外、自分は必要ないんですよ」
とのこと。
なんともうらやましい限りだ。


ただ、この音のよさはもちろん
ギターのせいだけではない。
演奏自体、すごく丁寧で、
「一音一音丹念に弾いている」
演奏ゆえの音だ。


いい演奏でした。


Tanibeさん 大田区(N) 11月のある日(ブローウェル)、アストラルフレイクス(渡辺香津美
とても明るい感じのギターの音色が
印象的だった。ポクッとした感じ。
演奏の方は、アストラルフライクスが
現代曲であり、面白かった。
曲の中では静かに弾く部分の表現がよかった。
一方、強く弾くところは、
自分は渡辺香津美氏の
「バキバキ弾く感じ」
が頭にあって、それをイメージしてしまうので、
もっとバキバキ弾いた方が好みだな・・
と思ってしまった。


Aoyamaさん 小平(S) カヴァティーナ、エンターテイナー、ジェイムス、ムーンリバー
2ヶ月ぶりだが、
最近で一番よかったのではと思う。
特によかったのは、エンターティナーとジェイムス。
シャッフルで、ゆっくり弾かれる
エンターティナーはハワイアンのような
雰囲気を出していた。
ジェイムスの方は、
いつもより一音一音がはっきり
弾かれている感じで、
「忙しかった」
ということだが、忙しい中で、
結構弾き込んだのではと思ってしまった。
とてもきれいな演奏。


Onoさん 目黒区(N) ファンシー(ダウランド)、アリアと変奏(フレスコバルディ)、禁じられた遊び
まず、音が前回は「枯れた感じ」
と感じたのだが、今回は前回よりもなんか、
丸くやさしくなったような感じがした。


演奏は”端正”な感じでとても
しっかりしていたのだが、
2曲目からちょっと集中が途切れたのが
わかった。


楽譜を広げて演奏していたのだが、
楽譜をずっとみているわけではなく、
「時々みる」
のだが、それってどこ弾いているか
わからなくなって大変では・・・
と思いながら観ていたが、そういう個所で、
演奏がよれてしまった。


演奏後そのことを聴いてみると、
実はそれでよれたというよりは、
「本当は暗譜していたのに楽譜を
 開いたので、集中がそっちにいってしまい
 演奏自体への集中ができなかった」
とのこと。
わかる気がする。


でも、演奏の音自体は、
本人が「ぼろぼろ」といっていたほど
悪くはなかったと思う。



Matsudaさん 所沢(N) 鐘の音、天国への階段、タンゴ
「鐘の音」がのりがよくてよかった。
「天国への階段」も面白いのだが、
自分とはどうも「歌心の感覚」
が違うようで、自分にはちょっとピンとこない。
ただ、
「自分が弾きたいように弾こう」
という感じで自在にスピードや
フレーズを調整して弾いているのは、
すごく共感をもってしまった。


Takahashi(R)さん 所沢(N) ブーレ(ドビゼー)、セビージャ(アルベニス)、エチュード7番(ロボス)
この方は若いのだが、とても上手。
すごく深みのある音で
難しい曲をしっかり弾かれていた。
来週埼玉のギターコンクールで演奏するとのこと。
ぜひ、活躍を期待しています。
すばらしい演奏だった。


次自分 横浜(サイレントN) G線上のアリア、主よ人の望みの喜びよ、リュート組曲からブーレ、秋の気配、昼下がり2

今日はバッハを集めたのだが、実はこれは、
2006年2月と全く同じ選曲。
いつも違う曲ばかり弾いている
自分としてはとても珍しいのだが、
曲はいっしょでも、
演奏自体は全く違って、前回は
「できるだけ楽譜どおり」
としたのを、今回は(同じ楽譜なのだが)
「自分の思い通りくずして」
ということをやった。


いつもそうなのだが、
家で弾いているように弾く
ところには行き着かず・・・
この点は、いつもちょっとしたフラストレーションになっている・・・


でもまあ、
一応それなりに弾けたと自分では思っている。


なお、
演奏後、いつもありがたいご指摘をいただく
Magoさんから、
「曲を変えずに1曲しあげたら」
とのアドバイス
ちなみに、同じアドバイスを何度も頂いている。
「もっと1曲を完璧に仕上げて、
 そういう演奏を聞かせて欲しい」
とのこと。
そうだよなあ・・自分の演奏は演奏自体は
上手ではないので、このコメントは重い・・・
でも、クラシックの方のように、
何ヶ月も同じ曲を弾き続けるのは、
とても難しく感じる。
・・・実は自宅では「手癖」として
弾いている曲は少なからずある。
しかし、
それをクラスタフリーコンサートで
弾く気にならない。
新鮮な演奏にならないと感じている為だ。
自分の音楽の聴き方として、
上手下手は二の次で、
「表現の仕方」を聴くのだが、これは
自分の演奏にも向けられていて
そういう意味で、同じ曲をずっと続けることが難しい。
もし、
時間とお金に余裕があって、
クラシックの大曲を習わせていただき、
その曲の改善点をどんどんご指摘
いただけるような環境になれば
変わるとは思うのだが、
今のところ、そういう環境にない。
従い、同じ曲弾いても、違う曲弾いても、
演奏の進歩はおそらく変わらない。
ならば、自分が一番そのとき弾きたい曲を
弾いていきたいと思う。
・・・また、Magoさんに説教いただいてしまうかも
   しれないが・・・・


Takahashi(M)さん 東村山(N) 広葉樹、マドレ、イパネマの娘、小麦畑
すばらしい演奏だった。
自分はTakahashiさんが弾く、
佐藤正美氏の曲が大好きだ。
「佐藤氏からお褒めのお言葉を直接頂いた」
とのことであるが、それは本当にそうだと
思う。
曲の表情付けが絶妙。
イパネマの娘については、
コードの連打の中で、音量の変化を
持たせていて、これがまた絶妙。
見習たいといつも思う。



Miyakeさん 小平(S) ビーバップアルーラ、ブルースウェードシューズ、監獄ロック、ラブイズヒアートゥステイ
ご機嫌!!!
ロケンロールな演奏だった。
Miyakeさんは本当にギターが上手い。
クラシカルな上手さではなく、
「ジャズやロック等を自分の歌で歌うこと」
が上手いのだ。
自分はこういう上手さにあこがれる。


なお、こういう風に弾くのならきっと・・・
と思い、
演奏後、フィンガーファイブの演奏をリクエストすると
予想通り、
「恋のテレフォンナンバー6700」
これがまた、よかった。
その他にも、演奏後
セッションで遊んでいただき楽しかった。
しかし・・・
すごく曲をご存知だし(ビートルズセッションになった)
コードで即弾いてしまうのはすばらしい。
ほんと、みらないたい。


Ishimuraさん 狭山(N)(初) ソナタOp27-2「月光」(ベートーベン)
プロの方で10月のリサイタルの練習にみえたとのこと。
しかし、プロの方のリサイタルって
これほど難しいこと弾かねばならないのか・・・
と思うほど、大変な曲だった。
ベートーベンのあの激しさを
ギター一本で表そうとしており、
低音でフレーズを連打しながら
高音でメロディを弾き、低音、高音とも
表情づけしていく・・・
大変だ。
仕上げ途中とのことで、途中止まったりして、
大変さが一段と感じられた。
自分では、とても近づけない世界と
感じてしまった。
でも、
仕上がったときどんな演奏になるのだろう。
それはとても気になる。


Nishimuraさん 小金井(S) キープイット??(すみません読めません)、デイトリッパー、レディマドンナ、出航
いつものノリノリの演奏。
Nishimuraさんの演奏は演奏自体に
完全に没頭していて、リズムをとっていくので、
それが聴いててとても気持ちがいい。


Saitoさん 立川(N) ソル「練習曲(月光)」、スタンリーマイヤーズ「カヴァティーナ」、ルイスデテルバエス「皇帝の歌、牛を張番せよの変奏曲」、タルレバ「アデリータ」
定年退職されてから、
ギターを復活されたとのこと。
確か2回目の出演と思うが、前より、
しっかり演奏されていた。
毎日相当弾かれているのではないだろうか。
自分も定年退職したら、こういう風に・・・
なんて思ってしまった。



Okabeさん 府中(S) テイクファイブ、見つめていたい、ホテルカリフォルニア
「人前で弾いたことがない曲を集めた」
とのこと。
面白い演奏だった。
しかし、ホテルカルフォルニアは、
堀尾氏のアレンジと思うが、スカといっていいだろう
後ろのりのリズムが秀逸。
かっこよかった。
見つめていたいは、南澤氏のアレンジだと思うが、
これもいい演奏だった。
でも南澤氏のアレンジにないのだが、
途中の転調してのサビの部分、
なんとかアレンジして追加してほしいな
なんて思ってしまった。


Asaoさん 小金井(N) タンゴアンスカイ、アディアスノニーノ、アルハンブラの思い出
前々回、止まりながら弾いていた
タンゴアンスカイ。
前回スピードを落として完奏された。
そして今回、徐々にスピードを上げてきている。
おそらくMagoさんが自分にアドバイス
くれているのは、こういうことなのだろうな
と思う。
毎回確実に進歩されている。
ほんと、見習わなければ。


Kamayaさん 小平(津軽三味線/N) 津軽じょんがら節(中節)、津軽じょんがら節六段旧節/赤い花白い花+ファルーカ、ティエントス
ずいぶん、演奏慣れされたなあ、
と思った。
なにしろ明日まで連続4日間人前での演奏とのこと。
すごい。
今日の演奏は、まず
1曲目の三味線の音がまったくいつもと
違っていて驚いた。
音がポコンポコンいっている。
と思ったら、
駒が違っているからだった。
2曲目にその駒をいつものものに変えると
いつもの音になった。
ちなみに、自分は両方の音とも、それなり
の味があって好きだ。
三味線というのは本当に奥が深い。


演奏の方は、三味線がよかったが、
ギターの方の、
「赤い花白い花」
を特に集中して聴いた。
実は、Kamayaさんが弾くこの曲を
初めて聴いたのが去年の9月のこのフリーコンサート
だったのだ。


今回はフラメンコのファルーカという
曲がくっついていて、なかなか
面白かった。
1年前はリバーブをバリバリに効かせて、
シンプルイズベストみないな演奏で
それも面白かったが、
今回のようにご自身でアレンジして
どんどん育っていくのをみるのは
また、楽しい。


以上、
ほんとに、楽しいひとときでした。



<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20060916

<ギター趣味人>
http://guitar-shumijin.g.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080427