#118クラスタ・フリーコンサート

すごく充実したコンサートだった。
自分の率直な感想で言うと、
「当たりのコンサート3,4回分を一度に聴けた」
という感じ。
その「当たり」も、「上手な演奏」という意味でなく、
「心に響くものがあった」というもの。
すごくハッピーな気分になれた。
演奏者の皆さんに、お礼を申し上げます。

それでは演奏感想を。

まず、今日は18:30と、ちょっと早目かな、
と思う時間にいったのだが、すでにakikoさん、aishimaプロ、
yamakawaプロ、がきていて、akikoさん、aishimaプロは、
そのまま、聴いていたくなるような
「熱いリハ」の最中。
それにしても、うまい・・・。


その後、続々と19:00前に
皆さん来場なさったのだが、この熱気のためか、
かなりの方が、「ギターを取り出しリハ」
をはじめられ、19:00前からすごい状況だった。

本日の1番バッターは、
アルパakikoさん 小平市(A) アルフォンシーな海、想いの届く日、ラビキーナ
アルパ(ハープ)の準備で、1番最初か、
中間休憩からの1番手か、いずれかとのことで、
これまで、中間休憩後の1番になっていたが、

今日はトップバッター。
こんなにいい演奏を、ちょっと遅れてきた方は
聴けないのは、もったいないなあ、と思ってたりしたのだが、
今日は、19時には、ほぼみなさん来場されており、
その心配は杞憂だった。

1曲目は、「昔弾いていた曲」といっていたが、
かなり弾きこんだのだろうな、というのを感じる演奏。
美しいルバート調の曲が情感たっぷりに演奏された。
演奏だけきくと、ゆったり・・・なのだが、目でみていると
実に頻繁に「半音調節キー」が操作されている。
この操作がかなり忙しいのだが、みためには、
「優雅」くらいにみえてしまうところから、
「弾きこんだのだろうな・・」というのが窺える。

自分として楽しかったのは、最後の曲。
リズムがサンバだろうか、躍動感を持っていて、
それを出すために、「休符を弾く」のだが、
これがすごく気持ちよかった。

takahashiさん 東村山市(N) 恋にちがいない、アペーロ、悲しみのサンバ、イパネマの娘
前の3曲が、「バーデンパウエル3部曲」とのこと。
毎回、すばらしい演奏で感心しているが、
今回は、後ろの曲になるほど、よく感じた。
一番よかったのは、イパネマ。

ほんとのところはどうなのかは
ご本人に聞いてみないとわからないが、
感じたとおり書いてしまうと、(takahashiさん、すいません)
悲しみのサンバ、までは、意識が、
「今出している音」より、
「次に出す音(次の展開)」
に行ってしまっているような感じ。
それに比べて イパネマは、

「今の音にすごく集中している感じ」

があって、すばらしかった。

でもまあ、ちいさなことかとも思う。
ご病気からの復帰ということもあると思うが、
すごく楽しそう。

それだけで、ハッピーな気持ちになれた。
それにしても、 自分もこういう風に弾けるようになりたい・・・と
毎回思ってしまう。


鉄弦ポップスharadaさん 横浜市(S) スワロウテイルバタフライ、いとしのエリー、アイラヴユー
選曲も、演奏もベリーグッド。
なにしろ、本当にメロディーを大切にしていて、歌心満点の演奏。
こういう風な演奏が
「時間を忘れて演奏に没頭する演奏」
かな、と思う。
聴いているほうも、「引きこまれる感じ」
だった。次回も非常に楽しみ。


超絶アレaishimaプロ 国分寺市(N) アレグリ、グアヒラ、ルンバ
超絶スピードのフラメンコ。
上述のとおり、19:00前のリハからすごかった。

音は力強いのに、右手の指は
本当に脱力されている。
とても参考になった。
これほど力が抜けているものなのか!
(でないと、このスピードはでないか)
で、一方、MCは大変謙虚。
「ぜんぜん・・・」、 「まだまだ・・・」
といった発言が多い。

これは前からのようで、、常連さんから、

そういう発言があるたび、
「なにを言っているんだ」という笑いがでていた。
しかし、 自分は、aishimaさんの謙虚さは、 地なのだろうな、と感じられて、

その「ぜんぜん・・・」とかいうのも、本心なのだろうなと思った。
それはそれとして、演奏から感じるのは、熱さ。
熱情というか、パッションというか、
それくらい、「入り込むこと」が必要なのだろう。
そうしないと、ああいうスピードは
でないのかな、とも思う。




2曲目に入ったとき、右手でまずは
表板を叩いて、軽快で見事なリズム。
これはまた、すごい曲かな、
と思った瞬間、
「違うわ!」

の一言で、演奏中断。
みなさん、脱力して大きな笑いがでたが、
実は、これも熱さゆえと思う。
3曲目を聴いて、そう思ったのだが、
3曲目の演奏を2曲目で始めてしまって
いたのだと思う。(と、自分は思ったのだが、違うかも)
ということで、aishimaプロの今日の演奏のメインは自分は3曲目に聴こえた。
メインというか、
「今、一番がんばっている曲」。
こういう難しさ、スピードの曲だと、
「ものすごく没頭すること」
が必要なのだろうと思う。
故に、つい、2曲目で3曲目の・・・となってしまったのでは、
と思った次第。
ということで、自分が感じたのは、
気持ちのよい「熱さ」。
いい演奏でした。

yamakawaプロ 中野区(N) 海を見ていた午後(ユーミン)、
ルパン3世(大野雄二)、ゲゲゲの鬼太郎、ラウンドミッドナイト(セロニアスモンク)
エンターテインメントかつ、チャレンジスピリット満載の

楽しい演奏だった。
最初の海を・・・は、いつもながらの演奏。
毎回これを弾くことで、自身の調子を
整えたり、確認したりすることもあるのだろう。
2曲目は、4月に聞いた、ルパン3世のハイスピード&ランニングベース
バージョン。軽快な演奏が気持ちいい。
で、こっから違う曲を用意していたと思うところ、
ジェシーさんから、
「アニソン!」のリクエスト。
「いや・・・・あの・・・」と躊躇していたが、
「アニソン!」とさらに大きなリクエスト。(というか命令?)
で、
「よし、わかった。アニソンを馬鹿にしちゃいけません」
として開き直って演奏したゲゲゲの鬼太郎
遊び心満載でよかった。
前奏部におけるテレビのナレーション入り、
途中、合唱あり、で、実に楽しい演奏だった。
さすが。
演奏として、よかったのは、最後のラウンドミッドナイト。
「まだ、未完成ですが、ここでチャレンジしたい」
とのことで、気合の入った演奏。
こういう、「ぎりぎり感」
がある演奏は、いってみれば
「今しかできない演奏」だ。
普通はルバートで弾かれるのが多いが、
少しシャッフルしたリズムで、
独特の世界観がよかった。


風景写真家アンダルシアkamayaさん 小平市(N) ベルディアーレス、タンゴ、タラント
大変お久しぶり。
自分の席のお隣に座ったので、趣味の風景写真を見せてもらったが、
アジサイの写真が大変きれいだった。
アジサイの花の中のミクロな部分の美しさを
とった写真で、造形的にも面白くて
思わずみいってしまった。
さて、演奏のほうは、超速のaishimaさんが
先にやっているので、若干のやりにくさはあったかと
思うが、kamayaさんはkamayaさんで、独自の世界観を
お持ちので、そこは問題なかった様子。
フラメンコだが、スピードというより、
「力強さ」を感じる演奏。
よくあれで親指のつめが無事でいられるな、
と思う強いピッキング
なのでフレーズも実にはっきりしていて、
ご自身は「イメージはヘビメタ」とかいっていらっしゃったが、
自分なりの思い入れで弾かれていることが十分伝わった。
特に最後のタラントが、
「現在の厳しい労働状況の思いをこめて!」
とのことで、いい演奏だった。

大学の大先輩ishimizuさん 武蔵野市(N) スイートメモリー川の流れのように
いい日旅立ち、ティアーズインヘヴン
いずれも、ローコードを使ったアレンジで、上手に
曲をものにされている。
最後のクラプトンのティアーズインヘヴンが、最高によかったのだが、
これも耳コピとのこと。
すぐにこういうことができてしまう方なのだろう。
(arizonoさんを思い出してしまった。)
そのティアーズインヘヴンだが、「ものにしたばかり」
とのことだったが、この曲が一番
「歌っている演奏」で、気持ちよかった。




ヒューマンネイチャーkanaiさん 川崎市(N) 銀河鉄道999、ジアンサーイズイエス、 パコデルシア
自分のブログでのリクエストで、999とのこと、ありがとうございます。
大変懐かしく聴かせて頂きました。よかったです。
でも、やはり、kanaiさんにとっては「過去の曲」
なのだろうな、と思う。
昔のkanaiさんの999は、もっとリズミックで
がんがん主張してくる演奏であった気がする。
というのは、次のジムホールの曲、パコデルシアのほうが、
kanaiさんの演奏の特徴である、「歯切れのよさ」
が際立っていた。
「今弾きたい曲」は、やはり弾きこんでいるのだろう。
リズムやメロディーの「はっきりしている度合い」が高い。
自分としては、パコデルシアが秀逸。
kanaiさんは、こういう難しい曲がよく似合う。


次自分 横浜市(サイレントN) ハナミズキ、G線上のアリア、秋(オリジナル)、おぼろ月夜
今回は、ハナミズキで、暴走してしまえ(自由にアドリブ)と、
バッハで譜面どおり、という対比をテーマにやってみた。
結果は、
「やはり、自宅で弾くようにはいかない。」(ちょっと悲しい)
でもまあ、チャレンジはできたのでよしとしよう。
次の「秋」は、オリジナル曲だが、kamayaさんの写真をみて、
「風景の美しさ」を感じたゆえ、そのテーマで、
急遽選曲したもの。
ひとりよがりかもしれないが、いい気分で演奏できた。
いい演奏をずっと聴かせていただいての
演奏なので、自然と力が入ってしまう。
こういうのがたのしい。

ギター歴3年emuraさん 府中市(N) The Balbdsより第一楽章アレグレット、フィリシダーヂ、
Summer GapdenよりRememberance
1曲目は前回も1曲目で演奏された曲。
前回は、「3年目で!?」ということで、その演奏技術ばかりに
耳がいってしまったが、改めて聴いて、
この曲は、曲自体が大変美しい曲だなあ、と感心した。
「普段は現代音楽の”気持ち悪い曲”ばかりの作曲家が、
 つくった普通の美しい曲」
とのことだが、本当に才能のある作曲家なのだろうと思う。
演奏のほうは、やはり「3年」にはとても聴こえない。
それは、演奏の表情が実に豊かだから。
この先、どのような演奏家になっていくのだろう。
(と、みんな思っていると思う)


近江楽堂ヘヴンokanoさん 練馬区(N) 無伴奏ソナタアンダンテ(バッハ)、マルビーナヘ(メルツ )、

11月のある日(ブローウェル)、2人の姉妹(タレガ)
まずもって音がいい。とにかくきれい。
昨日、かなり大きな舞台の本番があったそうで、
「出し殻状態です」
とおっしゃっていたが、演奏のほうは、
ぜんぜんそんな感じではなく、艶ありまくり、の演奏だった。
いずれの曲も、なんというか、
「品格の違い」
みたいなものを感じてしまう。
すごい。
どうしてそういう風に感じるのだろう、
と自問していたのだが、
「美は細部に宿る」という言葉が浮かんできた。
とにかく、細かいところに、本当に神経が
行き届いている。
音の伸ばし方、低音と高音のバランス、
音量、フレーズの歌わせ方、こういったことが
ひとつひとつきちんとなされている。
それらが集まったとき、それが品格みたいに

感じるのだろうと思う。
相変わらず、すごい演奏でした。


3年ぶりmurakamiさん 町田市(S) KATHY、GOODTIME、GOT THE BLUES、風笛
今日の自分にとって、一番心にしみる演奏でした。
murakamiさんの演奏といえば、その
「鈴なりの鉄弦の音」を思い出すのだが、
自分の思い出の中の鈴なりの音より、
今回は一段とすばらしい音だった。
で、感動したのはその音以上に、アレンジ。
「鉄弦は、こういう風にアレンジすると、美しいよね」
というのを、そのまま音にしたようなアレンジだった。
開放弦をうまく使い、音の重なりを大事にしてのアレンジ。
叩いたりなんだり、をしなくても、これでいい、

レス イズ モアというか、
すばらしい演奏だった。
「風笛のアレンジがほしい」
とtanakaマスターが思わず言っていたが、
自分も同感。
こういうアレンジだと、今一度自分も鉄弦を
弾きたくなってしまう。
下世話な話になってしまうが、
「アレンジ by murakami」
で売り出したら、結構売れちゃうんじゃないか、と思った。
今後もぜひとも、また 聴かせていただきたいなあ、

と思っています。


kokokoさん 川崎市(P) アリエッタ(グリーグ)、こどもらしい小品(シベリウス)、星はまたた く(パルムグレン)、ゆりかごの歌(パルムグレン)、春に(グリーグ
前回、「途中でギブアップ」の曲が多かったところを、
「曲目を絞って、仕上げてきた」
とのこと。
なるほどの演奏だった。
短い曲ばかりなのだが、いずれも、
メロディーがきれいで、聴いていて楽しかった。
しかし、前回より、相当上手になっているが、
なにか変化があったのだろうか。


コレクターkimuraさん 川越市(N) (ギターの解説)、アドリブ、鉄腕アトム
今回のギターは、あのジョンザイドラーのギター。
見た目は、普通のフラットトップのギターにみえるのだが、
出てくる音は、アーチトップのフルアコのような音。
特に1,2弦が独特・・・というか、1,2弦と
ほかの弦が別のギターみたい。
で、ならないギターみたいにも思えるのだが、
弾いてみると、実にジャジーな感じで、特に
ジャズコードがぴったり来る。
今日来た演奏者のなかでは、kanaiさんに合いそうと
思ったのだが、終わった後弾いていらっしゃったが、
実にマッチしていた。
ジムホールなんかが、実にはまると思う。
じゃあ、フルアコでいいじゃないか、
という思いもあるが、フラットトップらしさも
なくしていない。
・・・・・なんとも、説明のしにくいギターだ。
「はまる方にしか、はまらないが、はまった方にはたまらない」
というギターだな。
・・・・自分は?・・・・はまったかもしれないが、
使いこなせるほどの腕ははない。


ジェシープロ 中野区(P) エリーゼがひっくりかえっちゃった。、スプリンクリンクレイン(オリ ジナル)、ジェットコースターの夢(オリジナル)
エリーゼ・・」は、長調で始まって、途中、長調と単調が入り混じる、すごいアレンジ。
こういうのを楽器店で、しかも子供の前で弾いたりすると
どんなリアクションみられるだろう、なんてことを思ってしまった。面白い。
次の2曲目は、数度聴いた曲。
自分としては、ジェシーさんの曲では、この曲が好きな曲。
最後のジェットコースターは、
「今日は手がぼろぼろで弾けません」
といっていたのだが、
yamakawaさんから、
「お前なら弾ける。弾け〜」
というしつこいリクエスト。
なるほど、
「アニソン!」
との強力リクエスト(命令)のカウンターは、
こういう風に返すのか・・・・

結局、観客席のほうが強いゆえ、(お客様は神様です)
演奏へ。
ちょっと危ないところもあったものの、無事完走だった。
これも、楽しい演奏でした。

以上15人終了。
それにしても、聴き応え十分のラインナップ+演目。
演奏者のみなさんに感謝。

いまから、来月もぜひ・・・と思う。


仕事(出張)をなんとかうまくやりくりしなくては・・・・

<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20110617

<目に入ったニュース>

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