#145クラスタ・フリーコンサート

第3京浜高速道路に乗った瞬間、
あれ・・・まずい・・・
となった。


すごい渋滞で、まったく車が動かない。
ここから5km、港北出口までの間
が渋滞だった。


30分以上かかって抜けたのだが、
渋滞がとけるその場所で、
ちょうど運転席が黒焦げになった
中型トラックが引っ張っていかれていた。
運転手大丈夫だっただろうか。


ということで、クラスタについたのは19:01。
わずかに最初のshiotsukiさんの演奏開始
には間に合わず、曲が始まってしまっていた。
でもまあ、1曲目から、とりあえず聴くことができた。
やれやれ・・・。


ということで、早速感想を。
(曲目はクラスタホームページより。N:ナイロン弦、S:スチール弦)


POPSshiotsukiさん 昭島市(いつもSだが今日はN) 
I LOVE YOU、デスペラード見上げてごらん夜の星を
上述のとおり、1曲目の途中から聴くことに
なってしまったのだが、聴いた瞬間から、
あれ・・・なんか違う・・・と思う。
いつものギブソン鉄弦ではなく、
ナイロン弦で演奏だ。
自分としては、shiotsukiさんの
演奏は、ナイロン弦の方が合うのでは、
と思う。選曲として落ち着いた曲が多く、
メロディをしっかり歌わせる演奏なので、
手の握力が少なくても、表情が出しやすい
ナイロン弦の方があっているのでは、と思うもの。
曲としては、2曲目のデスペラードがよかった。
「この曲を先生がコンサートの
  アンコールで弾いているのを聴いて、ソロギターを始めた」
とのこと。加えて、この曲をギターの先生に
弾きたいと申し入れたところ、一旦
断られたのだが、先日、
「弾きたいっていってたよね」
とその先生から先日アレンジ譜を頂いての演奏とのこと。
なるほど。
そういう状況であれば、思わず気合も
入るだろう。いい演奏だった。
また聴きたい。


なお、shiotsukiさんの
先生がデスペラードの希望を一旦断ったのは
自分としては、よくわかる。
一見(一聴か)してゆっくりのバラードなので、
弾きやすそうに思えるのだが、イーグルス
演奏をよく聴くと、メロディの節回し、
フェイクが実に多彩で、これらをコピーしようとすると、
かなり難易度が高い、というのが自分の評価。
先生も同じことを感じていらっしゃったのではと思う。
これから、完成度があがるのを楽しみにしたい。


メーカーズマークkawakamiさん 立川市(N) 
モデラート(カルリ)、ロマンス(メルツ)、メヌエットクリーガー)、
カルリOP60−3、愛のロマンス、月光(ソル)
最初は、ガチガチになっていらっしゃったようだが、
だんだん後半になって指が動くようになっていた。
ということで、後半の方がいい演奏だったのだが、
ちょっと残念なのは、弾けるところの演奏を
急いでしまうところ。
弾けなくて引っかかってしまうところは
しかたがない。
しかし、そこで遅くなるからかもしれないが、
うまく弾けるところで、逆に、
いたずらにスピードを上げてしまっている
のは、もったいない。
軽率な印象になってしまっていた。
弾けるところは、しっかり音楽的に、
急ぐことなくじっくりと弾いたら
ずっとよくなると思う。


uchikoshiさん 川崎市(N) 
カルカッシNo.3,7,14,17、君といつまでも
いつものように、「とつとつと」した味のある演奏。
しかし、今回よかったのは、そして驚いたのは、
「君といつまでも」。
なんと、「セリフ入り」
しかも、そのセリフが大変堂々としていて、
いい味だしていた。さすがです。
で、演奏の方だが、その「君といつまでも」
がとてもuchikoshiさんらしいな、
と思った。


「ふたりを〜ゆ〜う〜やみが〜」
というフレーズを、自分が弾くと、
「ゆ〜う〜やみ・がああああ〜」
と、最後の音を感情にまかせて気分よく
大きな音で弾いてしまうのだが、
uchikoshiさんの演奏は、この最後の
「気持ちよさを感じるであろう音」
のところを、ぐっと(かなりぐっと)おさえて
演奏される。
これが「しずかな盛り上がり」みたいな
独特の味になっている。
こういうのも面白い。
自分もちょっとやってみよう。


オシオtoyoshimaさん 小金井市(S) 黄昏、永遠に青い空、アンジェリーナ
今日は、黒のキャップをかぶってカジュアルないでたち。
で、いつもの押尾2曲と今日はトミーエマニュエルが1曲。
今日は最初の1曲目黄昏が、ちょっと調子悪そうかな、
と思ってしまったのだが、後ろになるに従い、
いつもの調子になった。
で、本日一番自分がよかったと思ったのは、
最後のアンジェリーナ。
トミーエマニュエルのアレンジだが、
「一か月、こればかり弾いていた」
とのこと。
かなり難易度が高いアレンジなので、
演奏の完成度としては、前の2曲の方が
上だったのだが、そんなことは
どうでもよくなるくらい、
「楽しそうな演奏」だった。
トミーエマニュエルのアレンジは、
ギタリストとして、実に、
「弾いていて気持ちいい」
アレンジだと思う。
それがひしひしと感じられる演奏だった。
よかったです。


masakiさん 清瀬市(N) 
星に願いを、悲しみのサンバ、涙そうそう、G線上のアリア
数か月ぶりにmasakiさんの
演奏を聴いたが、相変わらずよかった。
特に、悲しみのサンバ、G線上のアリアは、
なんど聴いてもすばらしい。
で、自分としては、それに加えて、
涙そうそうがよかった。
メロディーと、バッキングの絡みが
絶妙のバランスで演奏されて、
聴いていて癒される感じ。
ゆっくりな演奏なのに、スピード感みたいな
ものも感じた。よかったです。


アンダルシアkamayaさん 小平市(津軽三味線) 
東京音頭津軽がんにん節、りんご節、六段、こきりこ節
ひさしぶりにkamayaさんの三味線を聴いた。
ギターも音が大きいが、三味線は更に一段と大きい。
音だけで、気持ちよくなった。
で、演奏の方は、最後の「じょんがら」と「こきりこ節」
の2曲がよかった。(6段=じょんがら? 曲目聞き逃した)
最後のこきりこ節のMCで、
「日本人らしい曲、とリクエストされたら、
  この曲を弾きます。
   日本人のやさしさみたいなものがすごく
    でている曲と思います」
といっていたが、kamayaさんのそういう気持ちが
率直に伝わってくる演奏だった。


shimodaさん 横浜市(S) 
ゾウズフーウェイト、オールウェイズソートオブユー、モンバサ
トミーエマニュエルのアルバム「ONLY]の
1曲目から3曲目をそのままその順番で、の演奏。
フリーコンサートでは、ひさしぶりに鉄弦の
演奏であったが、トミーエマニュエルの
コピーについては、やはり鉄弦が正解と思う。
歯切れのいいリズムが実に気持ちよかった。
スピード感も爽快で、特にモンバサが秀逸。
低音弦を思い切りちょっとビビるくらいに
大きくならしたり、メロディでの
スライドの切り方とか、トミーエマニュエルを
リスペクトしつつ、shimodaさん独自の
歌い回しもあって、最高に気持ちいい演奏だった。
また聴きたいです。


aikawaさん 国分寺市(N) ムーンタン、緑の季節、ファンタジー
相変わらず音がきれい。
で、右手の脱力が、以前に比べて
格段にできているように見えたのだが、
なにか変えたのだろうか。
(自分の思い違い?・・・)
そういう風にみえるくらい、
いずれも難易度が高い曲ばかりなのに
さらっと弾いている感じ。
それでいて、ダイナミクスの広い、雄弁な演奏。
いい演奏でした。
そうとう練習しているのでしょうね。


ヒューマンネイチャーkanaiさん 川崎市(N) 
アイムノットインラブ、アイキャントヘルプイット、ザ・ドルフィン
今日はご自身のギターではなくお店のギターでの
演奏だったが、相変わらず、「さすが」の演奏。
で、特に面白かったのは最後の
ザ・ドルフィン。
kanaiさんもMCでおっしゃっていたが、
コード進行が独特で、自分も似たような曲を
思い出せない。 独特な曲。
一般的なツーファイブ進行も入っていて、
明るい進行感のあるのだが、
それらが、なにかわけのわからない
コードで連結されている感じ。
しかし、これが、聴いてみると
スムーズに聴こえてしまう。
おそらく、
「スムーズに聴こえさせることができる
  腕を持った演奏家が弾く曲」
なのだろうと思う。
さすがの演奏でした。


自分 横浜市(サイレントS) 
ジェームス(パットメセニー)、ブルース、SEEKER、ハナミズキ
最初の曲は、
「家では、うまく弾けているが
 おそらくここではうまく弾けない」
と、演奏前からわかっていて、そのとおりの演奏となった。
残念。
まあ、もう少し自分の中で熟成させないと
自分のものにならない曲、ということだ。
他は、今回は、アドリブというか
インプロビゼーションというか、
曲調をその場で考えながら弾く、という
ことを目指したもの。
気楽さ半分、怖さ半分。
でも、その怖さは楽しさと
裏表の関係だと思うので、今後も
恐れずやれることはどんどんやっていこうと思う。


スーパーアレンジャーishimizuさん 武蔵野市(N) 
NHK朝ドラシリーズ(花子とアンごちそうさんあまちゃんゲゲゲの女房
面白かった。
いずれの曲も、「曲のおいしいところ」
がしっかり聴こえる、「おいしいアレンジ」
だった。
あまちゃんとか、どうやってギター一本で、
と思うのだが、逆にギター一本でやることで、
「おいしいところ」が抜き取られて示された
ような演奏だった。
「これ、楽譜があったらほしい」
と思われた方が少なからずいたのではなかろうか。
(自分はほしい・・・)


甲府のmikamiさん 甲府市(N) 
魔笛の主題による変奏曲、ベネズエラワルツ3番
気合が入った演奏。
取組の誠実さというか、真剣さが
伝わってくる演奏だった。
まだ暗譜したばかりとのことで、
フレーズフレーズは弾けているが、
繋がりとか、速いフレーズとかで、
ちょっとひっかかりがある。
しかし、これから、どんどん磨かれていくのだろうと思う。
完成形をぜひ聴いてみたいです。


shiharaさん 新宿区(N) 
プレリュード(バリオス)、イエスタディ、最後のトレモロ
今日は19世紀ギターでの演奏。
小ぶりなギターで、アルトギターか
レスポールくらいにみえる。
で、チューニングも半音下げとのこと。
かなり弦のテンションは低いと思う。
理由は、音楽的なものではなく、
手を故障したからとのこと。


演奏の感想としては、音色にマッチした演奏だった。
19世紀ギターの音はダークというか、
曇った感じの音だったのだが、
(音程を下げたせいだろうか?)
「それにぴったりの演奏」
という感じだった。
特に自分は武満アレンジのイエスタディがよかった。
ダークで深い響きが武満アレンジにぴったりだった。
あとは、最後のトレモロとか、
音色と合うだろうかと、ちょっと心配に
思えたのだが、なかなか面白い感じだった。
これはこれでよいと思う。


しかしそれにしても・・・・
手を故障した方の選曲に思えない・・・・
くれぐれもお大事に。


アンプラグドsuzukiさん 小平市(S) 
22才の別れ、神田川狙いうち
最初の22才の別れが、途中までよかったのが
いきなり、「飛んでしまった」
状況となってしまったので、
次の神田川もちょっと心配したが、
こちらは、ほぼノーミス。
そして、最後は、山本リンダの狙い撃ち。
ご自身のアレンジと思うが、
suzukiさんらしさがあってとてもよかった。
このところ、演奏の質がすごく
上がったと思うのだが、それは
この狙い撃ちのような
「自分で曲をアレンジする」ということの
効果が大きいのではと思う。
曲を弾いているとき、曲の
コード進行や表現に自然に集中
出来ているように見える。


この調子でsuzukiさんには、ぜひとも
「ザ・昭和」
といったアレンジ曲をどんどん
開拓していってほしい。


コレクターkimuraさん 川越市(S2台) 月光4価(?)、年下の男の子
今回は、2本のギター。
このところ毎回お持ちになっている
「フジフィルムギター」に加えて、
fホールの「ギブソンギター、L-37」。
1939年製とのこと。
最初の「インプロ〜月光〜」の方がL-37、
「年下の男の子」の方が、フジで弾かれたのだが、
音色の違いが際立ってとても面白かった。


もちろん、ギターの音色としては、
ソロギター用として、とみると、
フジの方が音色の豊かさ(倍音豊か)、
音の大きさ、伸び、いずれも上だ。
しかしながら、L-37の方は、
そういったものとまったく違った味があった。
低音高音カットで、中域のみブースト
したような音で、
ジャズの4ビートとかロックのリフとかを
やると、最高にシブい。
演奏終了後、shiharaさんが、ロック系
ブルースコード進行や、リフ、ソロを
このギターで弾いたのだが、これが
すごくかっこよかった。


こういうカッコよさは、
かえってなりがすばらしいギターでは
だせないものと思う。


で、kimuraさんの演奏も、そういう
ギターの音にインスパイアされた演奏で
愉しかった。
それにしても、年下の男の子は、どんどん
完成度が上がっていてすごい。


なお、
L-37で「年下の男の子」をリクエストして
前奏部分をやってもらった。
ギターの音色の違いの聴き比べとして
すごく面白かった。
ありがとうございます。


以上、今回も楽しかった。
マスターが、
「今回の感想としては、何か全体的にみなさん上手い!」
「正確に言うと、この日に合わせてすごく練習を重ねて来られて
 本番に落ち着いて丁寧に弾かれているといった印象を受けました。」
と書いているが、自分もまったく同感。


楽しい時間をありがとうござます。



<去年の今日>
「本物とは」
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20130920

<目に入ったニュース>

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