ギャラリートーク「岩永嘉人さん@喫茶「豆ちゃん」

16:00から17:30くらいだろうか。
楽しい時間を持てた。


抽象画の画家の方の作品ではなく
(作品ももちろん飾ってあったが)
お話を伺えるというのは、
とても面白そう!
と思い、楽しみにしていたが、
思っていた以上に楽しめた。


『「こどもの絵画」と「大人の絵」+α』
という題目で、岩永さんの絵画論が
話された。


自分も実は「芸術工学」という分野を
学生時代に勉強したことがあるので、
「いまは単なるサラリーマンだが」
納得するところだけではなく、
「自分はこう考えるなあ」
というところもいろいろあった。


いろいろお話をフェイスTOフェイスで
してみたいなあ、なんて思った。
(今日は家内に夕飯待たせているので、帰った)


すごく共感を得たのは、
・こどもの絵は、絵のヒント、学びごと
  にあふれている!!
という考え。


確かにそのとおりで、
「いきいきした感じ」
というのはこどもの絵ほど
感じるものはない。


これを「なぜかな」
と追っていくのは、とても楽しいのだ。


自分の実家は習字を習わせているが、
「上手に書く」
ということと同時に、
「自由に表現する」
ということも時々やる。


前行ったときは、
「花火」
という2字を、自分の自由に書かせていた。


これがすごく面白い。


でっかくてはみだしてしまっているような「花火」
もあれば、おそらく線香花火なんだろうな
と思わせる花火もある。


見て楽しむなら、
こういう「習字展」の方がおもしろいなあ、
と思う。


そんなことを思い出した。
(自分が絵画”鑑賞”に目覚めたのは、
  高校時代、その親に連れて行かれた、
   「ねむの木学園」の絵だ、というと
     わかる人にはわかると思う)


一方、意見がちょっと違っていたのは、
「人類の絵の歴史は、壁画時代から、3万年だが、
 子供の絵の歴史は高々2,3百年」
と言う話。


絵の具を使った(つまりお金が必要となる)
絵については、そうだろうな、と思うのだが、
武士の子供が習字でお父さんの顔を書くことなんか
なかった!
というのは、そんなことなかろうと思った。
(吉永さんの奥さんも同じ意見とのこと)


絵というのは、「抽象、というか、
見たことを、平面に示す」
ということと思っているので、
そうすると、砂場遊びをして、
「これは山!」「これは川」
「おうちはこれね!」
といってあそべた子は、
自分としては、
「絵を描いたと同義」と思ってしまう。
そうすると、やっぱり「子供の絵画」
だって、同じだけ古いというのが自分の
考えだ。


また、教育については、
「子供の感性を殺さないように、
  ”指導画”にならないように」
というのは、まったくそのとおりと
思うが、一方だから、
「なるべく意見をしないで」
「模写にこったら、筆とか道具を変えて」
というのは、自分は、ちょっと違う。


各題材、描きたい内容、こういったものを
対象にする教え方は自分は同意権だが、
遠近法とか、デッサンの技術基礎、
こういった、
「絵を使ったメモ技術」
「絵を使った伝える技術」
というのは、技術論として、
小学生高学年か、中学生で教えるどんどん
教えるべきと思う。
(そればかりやっていいと思う)


それは、点数つけられるし、
本当に大事なものは、その先にあって、
それは点数つけられないものだ。


自分は、国語の技術でまったく
同様の意見を持っている。


作文を書くと、
「で、あなたは、そのとき、どう思ったの?」
と聞かれ、それが入っていないと、
それを書くように指導される。


しかし、まってほしい。


「事実を淡々と、短く正確に文章にする」
ということが技術だ。
これは教えていいけど、
「どう感じたか」
は書きたくないものは書かないほうがいい。


新聞記者では、
「作文が得意でした!」
という言葉は話半分に聞かねばならないという。
「事実を早く正確に!」
ということより、
「気持ちを表す」
ことの方ばかりだったりするからだ。


それは、新聞記者という仕事上は
「次にくること」であり、
第一の技術ではない。


ただ、自分の子供のころは、
「事実だけをつづること」
では、国語の作文の点数はあげることは
できなかった。


で、音楽でもそうで、
コードの仕組み、とか、コードシーケンス(解決)
とかは、知識としては、覚えてしまえばいい。
知識は、しばりではなく、
より自由になるためのひとつ単なる道具、
という解釈の方が正しいと思う。


そんなことをすると、
子供の可能性をしぼませちゃうのでは?
という考えもあると思うが、
それを教わったくらいで縮む感性なら
大したものではない。


本当の才能は、
「もう、すさまじく描きまくる」
というものだろうから。
ピカソがしかり、北斎しかり)



と、岩永さんの楽しいトーク
聞きながら、そんなことを考えた。
上記は、考えたことのほんの一部。


こういう調子で、
1.5時間頭がフル回転していた。


たのしかった〜。



また、こういう機会があったら
ぜひ行こう。


豆ちゃんのマスター様、ありがとうございます。



PS
そういえば、岩永さんは、
ミニマムミュージックが好きとか
お聞きした。
すごくわかる気がするのだが、
岩永さんって、他はどんな
音楽がすきなのだろう。

ぜひ聞いてみたかったなあ。





<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080829
<目に入ったニュース>


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