WBC日本大勝!

ひさしぶりに「強いチーム」
と日本を感じた。
昨年のオリンピックでキューバの強さに対して
持った印象と同じような感覚。


まず、相手ピッチャーはこれまで
2度も辛酸をなめらされている相手。
ポイントはサウスポーからのスライダー。
これを打たねば連打は無理。


日本はこれを「打線」として
打ち崩した。
なにしろ、1番から3番までみんな
このスライダー系をヒット。
かつ、低めのボールになる
スライダーはことごとく見逃す。


チームとしての対応であったことは、
そのヒットの出方、フォアボールの
出方から、もちろんみてとれるが、
合わせて、見逃し三振が多かったこと
からもわかる。
変化球のタイミングで、内角ストレートが
ズバッとくると打てない。


でも、この
「戦略が見え見えで、やられた」
ということが、ピッチャーにとっては
たまらないだろうと思う。


この調子は他のピッチャーに対しても
同様で、
「ピッチャーの勝ちパターンを
 見出させない形で、点数をとっていく」
ことがずっと継続され、結果としての12点差。
すごい。


自分はこれまでの国際試合ではキューバの打線にこのような
感覚をもった。
とにかくバットスピードが速くて、
ひきつけるだけ引きつけ、思い切って振る。
このとき、明らかに相手ピッチャーの
「得意のパターンは頭に入っている」
といった感じで、
特に、狙いがずれたときのファールが印象的だった。


今回も、ホームランを打った村田選手を始め、
「なんともすばらしい(相手にとっては
 いやでしょうがない)ファール」
がとても印象的で、
その点が先のキューバと自分のなかでは重なったのだ。


こういう試合だと、
気が楽なので、実力はフルに発揮される。
従い、ピッチャーもバッターも
「いいところだしまくり」
になるものだ。
だから大量点になったりするのだが、
今回の場合、大変自制の利いた戦いという
こともあって、そのしたたかさもすばらしいと思った。


二番手のアンダースローの渡辺、
サウスポーの杉内などは、
1イニングのみ、かつ、球種を明らかに
絞ってのいわゆる
「流し投球」であることがみてとれた。
(杉内は結構力んでいたが)


しかも、それが相手にわかるように
やっているところがしたたかだ。


「今日は手の内みせませんよ」


という投球をなされた方は
どのような気持ちになるか。


大勝のときは、次がとても心配になるものだが、
今回に関しては、次はとりあえず、
ずいぶん気分的には有利なところから
戦えることになるな、
という感じを持った。


まあ、野球だから、どうなるかわからないが、
とにかく今日の日本は強かった。




<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080307
<目に入ったニュース>
イチローだ!韓国倒した12点差コールド
 第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドA組は、日本がライバル韓国と激突。初回、イチロー外野手(35)が今大会初安打となる右前打で3連打の口火を切り、先制のホームイン。二回には絶妙なセーフティーバントを決めるなど、持ち味を存分に発揮して14-2の七回コールド勝ち。2連勝で2次ラウンド進出一番乗りを決めた。日本は8日の韓国-中国戦の勝者と、9日にA組1位をかけて対戦する。
  ◇  ◇
 超満員のドームが大きく揺れた。こんな姿を見たかった。こんな快音を聞きたかった。2次ラウンド進出を決めたイチローは「今日決めたかったですからね、それが達成されてよかったと思います」と表情を緩めた。
 強化試合を含めて16打席連続無安打だったイチローのバットがついに火を噴いた。初回。カウント1-0から、北京五輪で日本が苦しめられた“日本キラー”左腕、金広鉉の2球目、内寄りカーブをライナーで右前へ運んだ。地鳴りのような歓声を一身に浴びて「懐かしい感じがしました」。この一打に中島、青木が続く怒濤(どとう)の3連打で先制のホームを踏んだ。
 真骨頂はここからだ。一回裏に松坂が2ランを浴び、1点差に詰め寄られた二回無死一、二塁の場面で初球をセーフティーバントで三塁線へ転がした。「ランナーを前に進めることを最優先に考えた。あのサイズ(体格)でサードを守っているのは見たことないし」。三塁手の身体能力を冷静に見極めての“技あり打”が、勝負を決定づける村田の一発を呼び込んだ。
 先頭打者となった四回は中前打で出塁すると、今度は中継ぎ左腕のチャン・ウォンサムから楽々と二盗成功。カウント2-2。ストライクを投げることに集中したい投手心理を突いた頭脳プレーの直後に、3点目のホームを踏んだ。
 「ぼくはぼくの野球を体現するだけです」
 イチローがそう力強く言ったことがある。打って走るだけでなく、相手の心理を読んだプレーで1点を取りに行く。宿敵・韓国を相手に思う存分、イチローの野球を実践してみせた。
 メジャー9年目。大きな故障は一度もない。しかし、それはもって生まれたものではなく、日ごろの鍛錬だけによるものでもない。肉体にいいものを吸収しようといという貪欲さがあるからだ。昨季から抗酸化力が高い水素水を愛飲し始めた。今オフからは疲労回復に役立つ酸素カプセルも使用し始めた。その取捨選択をできる感性をイチローはもっている。
 コールド勝ちで韓国を完膚なきまでに叩きのめしたが、試合中も試合後も感情を見せなかったイチローは言った。
 「まだアジア予選。とりあえず、アメリカでゲームができるようになった、ということだけ。大きな感情がくることの方が不思議に感じます」
 冷静なチームリーダーがたくましく見えた。


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