1枚、「完成しない絵」がある。
ポスターカラーでモズを描いたもの。
モズ自体はできているのだが、背景が気に入らず、
もう4回くらい完成としてから再度手をいれている。
おそらく、この絵は完成せずに没となるな、と思いながら、
それでも手直しをしている。
もう、これでやめておこう、と思うのだが、
あとちょっとだけ・・・と始まると、一気に没頭してしまう。
ポスターカラーは不透明水彩で、上から
元の絵を塗りつぶすことができる。
加えて、水彩なので、準備はすぐできる。
そもそも「絵を直す」というのはいくらでもできることだ。
どうしてこうなるのか・・・と振り返ってみると、
直すことに快感を得ているのだ、
と気づいた。
ギターの演奏は、一旦出した音を取り消すことはできない。
一旦出した音は、もうやり直すということができないのが音楽だ。
でも、絵ではそれができる。（ように感じる。厳密には違うと思うが。）
そう考えて改めて思ったのは
せっかく得られる快感だし、
それほどコストはかからないのだから、
ぞんぶんに味わってもいいよな、
ということ。
ただ「大いなる時間の無駄遣い」なので
ほどほどに・・・・そう、
新しい絵を描くことの、邪魔にならないように、
ということは考えながら。
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