■20210417(土)#224クラスタフリーコンサート

前回は2020年12月。第220回だった。

今回224回なので、3回できなかったということで、

今年初めてのクラスタフリーコンサート。

 

ただ、まだコロナがこういう状況なので、

5時開店、6時開演、9時まで、参加者10人

(通常15人なので5人減)という催し。

 

で、今回の感想全体の感想を最初にいうと、

「今回来た方々の演奏はすごかった」。

 

いや、「今回来た方々の」という記載は適切でない。

「こんなときなのに、くる方々の」だ。

本当に、「聴けてよかった」と思う。

 

それでは、以下感想です。

演奏者、演奏曲はクラスタHPからです。マスターいつもありがとうございます。(N:ナイロン弦、S:スチール弦、U:ウクレレ

 

メリル豊嶋さん 小金井市(S) 堂山町の夜は更けて、ストレイキット2ステップ、オレンジ#3

押尾さんの曲を好んで弾いていらっしゃったが、

このところ押尾さんの師匠にあたる、中川イサトさんの

楽曲にハマっているとのこと。

その中でも、特にラグの曲を選曲されていた。

これが実に豊嶋さんにぴったり。いい味だった。

特に自分が素晴らしいと思ったのは、オレンジ。

これは、イサトさんご自身が好んで弾いていた曲で、

最初のアレンジから、いろいろな発展系が録音されているが、

それらを、最初のアレンジから、バイオリンの入る

ところの渋いアレンジ、そして、ランニングベースのアレンジ

等々、ずらっとならべて実にかっこいい演奏だった。

いやあああよかったです。

 

・青ワイン山川義幸さん 中野区(U) オーバーザレインボー、戦場のメリークリスマス、蘇州夜曲、スターダスト

山川さんは、また、ニューウクレレ

ラインアウトプットが付いたやつで、

久留米のアストリアス社製とのこと。

ラインの音は、リバーブのかけ方も絶妙で

すごくよかった。

で、なぜまた新しいウクレレを買ったのか、

というと、「ボディーヒッティングをしたかったから」、

とのこと。

たしかに、山川さんの他の大事にされている

あの鳥のインレイが入ったウクレレとかは、

ボディーヒッティングはしたくない、という気持ちは

よくわかる。

 

さて演奏の方だが、そういうこともあって、

とてもエモーショナルだった。

半袖にジーパンという夏が近いなと思わせる出で立ちで

今回はスタンディングでの演奏。

盛り上がってくると、一段と観客席ににじり寄っての

身体全体をゆすりながらの演奏。

音はそういう「体全体からでてくるような感じ。

山川さんの演奏を聴いていると、

メロディーの歌わせ方が本当に気持ちよく、

それに入ってくるコードの装飾音も必要十分で、

弦は4本で十分なのではないか、と思ってしまう。

すばらしかったです

 

・ダンシャーリー市來さん 調布市(N) ムードフォーアデイ、(マーチンD-42を買った話)、春よ、来い

前回、

>次のアレンジに加えて、「ダンシャーリーの動向」も楽しみ。

と記載したのだが、きちんとその期待に応えてくれるのが市来さん。

早速のニューギター。(おめでとうございます。)

今回は、マーチンのD42。

「これぞドレッドノート」という音がよかった。

最初の曲は、いつも弾かれるスティーブハウの曲だが、

これまで、どのギターでもこれを弾かれているので、

ギターの違いがよくわかる感じだった。

やはりマーチンは、倍音が多くリッチな音なのだな、

と改めて認識。

その他を含め、今回の選曲においては、自分は最後の

春よ、来い がよかった。

石川鷹彦さんとかの影響なのか、自分はマーチンの

ドレッドノートの音は、1970年代から90年代にかけての

フォーク、ニューミュージックの曲に合う感じを持っている。

そういう感じを思い出す演奏、音色だった。

クラスタでは、村上さんのD28の音が好きで、

 それを思い出した)

自分は、市来さんのアレンジも大好きなのだが、

こういうギターになると、アレンジも変わったりするのだろうか。

今後が愉しみだ。

ラグタイム北村さん 藤沢市(S) windy and warm、 ラグタイムパレード、エンターテイナー 

相変わらずさすがの演奏。

特に2曲目は、ご自身の曲ということだが、

すごい難易度の曲。北村さん曰く、

「マスクしていたので、苦しくなった。

  短距離走みたいな曲なので」

とおっしゃっていたが、納得だ。

で、こういう曲にギターの音がとてもあっている。

「古いギブソンはアーチトップ系音」

とおっしゃっていたが、そのとおりで、

倍音は少な目ですっきりしているので、

「音がもたつかない」という感じ。

それでいて、音に個性があってかっこいい。

その他の曲は、1曲目がウェンディ&ウォーム、

ならびに3曲目がエンターティナー。

いずれも、いってみれば「定番曲」だが、

アレンジ(というか、即興も入っていると思うが)

遊び心満載で、聴いていて本当に楽しい。

さすがです。

レフティ山下さん 八王子市(S) (1950年製マーチンOOO-18レフティの話)、ティルウィーミートアゲイン、ジーザステンダリーコーリング、エレノアプランケット

「このところ、アレンジとか、いろいろやっている」、

とのことなるも、演奏曲としては、ここ3回、同じ曲。

アレンジも自分としては違いを感じず。

アレンジ云々というより、メロディーを大事に

ギターを歌わせることを主に考えているのかな、と思う。

自分としては、3曲目が好きで、自分の中では、これを

「夕日の曲」とサブタイトルをつけていて、

山下さんの演奏スタイル、ギターの音色がとても

マッチしていると思う。。

レフティー用マーチン音が一段とこなれてきていて、

とてもやわらかくていい音だった。

 

・レポーター桐原さん 横浜市(N) 海の声、カブトムシ、OPUS1310、三文楽士の休日、ブルース

今回、実は前日まで、クラスタがある、ということを

忘れていて、「フリーコンサート用の練習」を

していなかった。

でもまあ、毎日弾いているし、なんとかなるかな、

と思っていたのだが、自分はこういうのはダメだな、と

思ってしまった。

自分は、「そのときの気分で自在に」

みたいなやり方は100年早いようで、

「しっかり計画と練習を持って」

でないとよくないと気付いた。

演奏自体の実力はそうそう変わらないはずだが、

「自分なりの物語」というものを持っていた方が、

ずっといい感じにできる、ということを改めて

思ってしまった。

来月は、しっかり計画を練ってこよう。

 

・マサキデー永島さん 東大和市(N) ラグリマ(タレガ)、ヘンデルの主題による変奏曲(調子の良い鍛冶屋)(マウロジュリアーニ

自分は結構な回数フリーコンサートにでているが、

永嶋さん以前お聞かせいただいたことあっただろうか。

思い出せない。ということで新鮮な感じで聞かせていただいた。

演奏は、大変丁寧、端正といった感じ。

足台に加え、ひざの上に置く専用のクッションを使い、

ギターの角度を立たせ気味にしているのがとてもきれい。

そのきれいなフォームから、とてもクリアで、

木の温かみのある音をだされていた。

クラシックギターの基礎がしっかりできているのだろうなあ、

と思ってしまう。(自分はこういう素養はまったくない)

演奏は、緊張されているのがわかるのだが、それでいて

それが演奏にでることなく、しっかり弾けている。

基礎がしっかりできているのだろうな、と思う。

見習わねば・・・

美しい演奏でした。

 

・H→G箭田さん 国分寺市(N) 美しきエレナのためのバラード(V.コズロフ)、ホワイトグランドピアノ(S.ルドネフ)、波の盆(武満徹

今回の演奏は、いずれもコード感が明確な感じで

聞きやすかった。

最後の武満の曲が出色のできで、やっぱり箭田さんすごい、

と思ってしまったのだが、それでも、

「オーケストラの曲で、この曲の色彩感はなかなかだせない」

とおっしゃっていた。

今回の選曲は、2曲目も「ショパンを意識した感じ」

とおっしゃっていたが、「色彩感が豊かな曲を選曲した」

なのかなあ、と思ってしまった。

(音で色彩とかいうのは、ちょっと違和感あるかもしれないが)

しかし、こういう曲を楽譜を読み取って、楽しく弾けたら、

それはそれは楽しいだろうなあ、と思う。

すばらしかったです。。

 

・新宿志原さん 新宿区(S) ペーパーバックライター、カムトゥギャザー、ドライブマイカー、アイソーハースタンディングゼア(全曲ビートルズ

「ピックでのロック系のソロを完全にご自身のスタイルにされた感じ。

 どんどん完成度が上がっている」

と前回記載したが、更にすごくなっている。

今回進化していたのは、ボディーヒッティング等の

リズムの表現。

「リンゴのドラムを再現しようとした」

とのことだが、カラピック、ボディーヒッティング、

その他諸々合わせて、すごく気持ちよく、また

かっこいい。

テンポ自体もビートルズの原曲に近く、思わず

歌いだしたくなる感じ。

そのリズムセクションの上で、ピック1枚で

弾いているのに、原曲のおいしいフレーズが

しっかりちりばめられているのがすごい。

「そこまでやるか」と田中マスターに大うけ。

しかし、ビートルズを聞いていない方でも、

十二分に楽しめる演奏だ。

すばらしかったです。

・コレクター木村さん 狭山市(S) ピーターフィンガー3曲 

2曲目にずっとチャレンジしている

カムトゥマイウィンドウを弾かれたが、

ついに、「弾きこなすステージ」にきた。

ずっと弾かれているが、非常に難易度が高く、

弾きこなすことはできないのではないか、と

思ってしまう曲だったが、毎回、進歩していて、

今回は、「ほとんど弾けている」。

あとは、速いフレーズ(おそろしく速いのだが)

この1音1音の粒がそろったら完成、という感じ。

すばらしい。

で、自分として同じようにいいなあ、と思ったのが

その前後の2曲。こちらはスローテンポの曲だが、

速い曲を弾きこなしているからと思うが、

余裕があり、自在に弾きこなしている感じ。

曲自体もとても美しく、またギターの音も最高だった。

すごいです。

■フリーコンサート終了後

今回は、21時で閉店であり、演奏が終わったところで

20:30を過ぎている状況。

まあ、コロナがこういう状況なので、

致し方なしだが、みなさん、早めにお店をあとにされた。

自分も後ろ髪をひかれながら、あまり長いせず

帰路についた。

以上、今回も楽しかった。ありがとうございます。

 

コロナがひどくなることなく、

来月も、開催されますように。