#65クラスタフリーコンサート

メトロノームシリーズは、今日は中断)

今回も楽しかった。


今回はまず、いつもそのすばらしい演奏
で感動させて頂いている、sekiguchiさんを
最初に書いておきたい。


sekiguchiさん 武蔵村山(N) 郷愁のショーロ、森に夢見る(バリオス
で、まず本日4番目での演奏。
数回前のクラスタフリーコンサートで、
「もうちょっと完成までかかる」
と言っていた「森に夢見る」
はそのときでも、完成したら・・・すごいなこれは・・・
と思っていたが、そのすごいのが現前された。
・・・感動!!
しかし今日はそれだけではなかった。
22時くらいからみえたお客様のリクエストで、
全員終了後再登板。
これがまたすごかった。
アデリータ、最後のトレモロアルハンブラの思い出、ビラロボス練習曲1番、郷愁のショーロ、森に夢見る
以上が演目であるが、どれも極上。
驚くべきは、そのときsekiguchiさんは
すでに熱燗片手以上いっていたのでは
なかろうか・・・
観客席では、(カウンターの自分のお隣にいらっしゃった)
最後の方は、眠ってしまった?・・・・
というような状況であったのだ。
そこから、急遽登板、しかも、
リクエストされたお客様のギターを使って、
(すごく高価なギターとのことだが)
即あれだけのものを聴かせていただけるとは・・・
ビラロボス練習曲1番などは、
あまりの高速さに、音の壁みたいに聴こえた。


結論。
「本当に上手い人の演奏は、なんどでも
 繰り返しきいて、その都度感動することができる」



さて、以下順番に今回の感想を。


yamakawaさん 広島(N) 3つのサウダージ(ローランドデミュ)、ユリディスのワルツ(ヴェニシウスジモライス)、ユアーサンシャインオブマイライフ(S.ワンダー)
まずは、FPコンテスト、決勝進出おめでとうございます。
ということで、演奏の方はさすがの演奏。
特にその決勝で弾かれるという
ユア−〜がよかった。
あと、自分の好みとしては1曲目がよかった。
不協和音の多い出だしから、
そのまま「現代風」で行くのかと思っていると、
そこからカリプソ風というのだろうか、
とてもリズミックで楽しい演奏になる。
この変化が絶妙。
こういう曲が弾けたり、作れたりすると
いいのになと思う。
いい演奏でした。


iwadateさん 高円寺(N) ロマンツア(プジョール)、11月のある日(ブローウェル)、フリアフロリダ(バリオス
他の演奏会を楽しんできてからきたとのこと。
演奏の方は、とても安定していて、
いつもの輪郭のはっきりした音を楽しめた。
なお、寒いのは苦手とのことで、
「(常連となっている)バリ島へいきたい」
とおっしゃっていた。今31度あるらしい・・・。
確かに今日はお店の暖房マックスにしても
ちょっと寒さを感じる日だった。
入口の下のところがちょっとだけ空いている
ためとのこと。
(マスター改善必要かもです・・・)


aoyamaさん 小平(S) ムーンリバー、アズタイムゴーズバイ、ポジティブ、アルハンブラの思い出
自分はaoyamaさんの
「低速鉄弦クラシック曲」
のファンなのだが、今日はアルハンブラがそれ。
昔、録音技術がなかったころは、
きっと「トレモロ」といっても
そんなに早く出来る人がいない、
という状況があったのではと思うが、
そうした場合、このaoyamaさんみたいな
演奏が、普通の一般のアルハンブラだったのでは
なかろうか。
そんなことを思ってしまう。
ゆっくりだけど、非常に聴きやすい味のある演奏なのだ。
あと、ポジティブというオリジナル曲、
なんともaoyamaさんらしい曲。
これも楽しめた。


moriさん 府中(S)(初) アンジー、クラップ、ヒアゼアアンドエブリホエア、ブーレ
以前、日曜版飛び入りコンサートで
聴かせて頂いて、そのときも思ったのだが、
スチール弦をとても分離のいい、はきはきした
音で聴かせて下さる方。
今回手持ちの外付けコンデンサマイク(だと思う)
を使って一段とはっきりした出音だった。
右手の方も、ピックを使った指引きで、
このせいもあるのだろうと思うが本当にクリアな演奏。
演奏の方は、その選曲から予想されるとおりのもの。
アンジーは、あのSGのレコードそのもの。
そして、もっとそのものだったのが、
ティーブハウのクラップ。
ハウのアコギソロは、なんというのだろうか、
「ロックやっている人がラグ弾きました」
みたいな感じがするのだが、
まさしくその独特な感じまで完全に表現されていた。
好きなんだろうな、そういうのが、
というのをひしひし感じる演奏だった。


yosinoさん 八王子(サイレントN)(初) 涙そうそう
11月にクラスタのフリーコンサートをみにきて感動。
その後すぐギター(サイレントギター!!)
を手に入れ、2ヶ月で今回のデビュー。
すばらしいバイタリティ!!
で、
自分は元々そうなのだが、
「初めての方」「初心者の方」
の演奏が大好きなのだが、今回も感動してしまった。
・・・なんなんだろう・・・
もちろん上手い演奏には感動するのだが、
こういう演奏も自分は心に響いてくる。
また来月もチャレンジするとのこと。
期待して聴こうと思う。


sekiguchiさん 武蔵村山(N) 郷愁のショーロ、森に夢見る(バリオス
上述のとおり。


murakamiさん 町田(S) 煙が目にしみる、アコースティックレイディPART2、ランヤ、ワルツフォーグロンリー
murakamiさんは、音の趣味が似ているのだろうか・・・
なんとなく、やろうとしていることが
わかるような気がしてしまう。
とはいえ、「わかる」などといっては失礼なので、
言葉を慎重にせねばと思いながら、感じたことを書くと、
今、「アコースティックレイディ」の16ビートを
モノにすることに注力しているのではないか、
と自分は感じた。
murakamiさんの得意分野は、
「穏やかな8ビートのアルベジオ」
だと自分は思っているが、そこから
「クールな16ビート」というか
「ヒュージョン全盛時代のさわやかな16ビート」
というか、そういうものをギター1本で
表現することにチャレンジ始めたように聴こえた。
今後が楽しみだ。



次自分 横浜(サイレントN) ウルトラ警備隊、ウルトラセブン、昼下がり2、風笛
これはあとで。


aikawaさん 国分寺(18世紀レディスN) パイパー大将のガリヤルド、リュート組曲第2番、アルハンブラの思い出、ミスティ
例の小さな18世紀ギターでの演奏。
あれだけ小さいと、高音部でのチューニングが
甘くなりそうなものだが、全くそういうこと
なく、きれいな演奏。
で、バッハ等をバリバリ弾かれるので、
クラシック技術のしっかりした方と
思っていたが(事実そのとおりなのだが)以外にも
アルハンブラは、初めてチャレンジした」
とのこと。
演奏の方は相変わらずとてもきれい。
aikawaさんの演奏を聴いていると、
自分もちいさな、ウクレレとギターの中間のような音のでる
ギターが欲しくなってしまう。


takahashiさん 東村山(N) マズルカショーロ、ポデミーコ、もしも彼女が尋ねたら、悲しみのサンバ
相変わらずすばらしい演奏だが、
今日自分が感動したのは、最後の「悲しみのサンバ」。
「疾走感」というか「躍動感」というか
バーデンのそういったところがモノにされていて、
ついに完成、という気持ちだったのではないだろうか。
感動しました。



matsumotoさん 練馬(N) ラグリマ(タレガ)、クリスマスキャロル(バリオス)、春よ来い(松任谷由実
「とつとつ感ギター健在!」
「とつとつと」という感じが味となっている
matsumotoさん。フラメンコ等にチャレンジしても
同じく「とつとつ感」があるというその演奏の味が
自分は好きなのだが、今回は、演目も
その感じにあっていて楽しめた。
最後、マイクを使っての演奏になったが、
音量自体は大きくないので、
マイクを使った方が、ずっと聴きやすい。
なお、「とつとつ感」は、えてして
リズムがだれてしまい、聴きにくくなるものだが、
matsumonoさんの演奏はそれが少ない。
それは、演奏する姿をみていると、
体全体が、リズムにあわせて動いている。
「体全体で弾く感じ」があるのだ。
このせいだろうと思う。


chimotoさん 生田(N) 月光(ベートーベン)、浜辺の歌、エストレリータ
浜辺の歌のコードがテンションコードを
上手く使っていて面白かった。
浜辺の歌は、自分も
「ジャジーなコードを使ったアレンジ」
をいつかしてみたいと思っている。
なかなか参考になった。


matsudaさん 所沢(N) アメージンググレース、鐘の響き、ファルーカ、ブレリア
アメージンググレースが面白かった。
ゆったりルバートから始まったが、
そのあと、3フィンガー的というか、
カントリーテイストあふれる演奏となる。
そのところどころに、matsudaさんの
フラメンコギターテイストが
ブレンドされて、一種独特な感じ。
でも曲想もあってとても
穏やかに聴こえるところが面白い。


asaoさん 小金井(N) アルハンブラの想い出、タンゴアンスカイ、前奏曲第1番(ビラロボス)
着実に上手になられている。
今回、遅くきたお客様の盛り上がりがあってか、
得意曲で構成し、気合の入った演奏。
お客様との一体感みたいな感じもあって、
すごくいい感じだった。


kamayaさん 小平(N/津軽三味線) ソレアレス/さくらさくら、津軽じょんがら(中節)、秋田荷方節、津軽じょんがら(六段)
kamaya照明、kamayaリバーブでの演奏。
既に、「芸」になっている。
相当場数を踏んだことを感じる。
昨年60〜70とのこと、すごい。
ただ、自分が感心するのは、
その場、というか、いっしょにやられる方々の
幅の広さだ。
話を聞くと、もちろん、フラメンコ関係、
三味線関係はあるのだが、それ以外にも、
劇の方、朗読の方、果ては、鉄板を叩く前衛の方とか・・・
そういう方とやっているからだろう、
「ステージ上で普通」な感じを獲得されている。
それゆえ、
「自分の感情を曲に込める」
ということが、自分で思ったように
できているのだろうと思う。
そういった、「気持ちの込め方」、
見習っていきたい。


さて、最後に自分の演奏だが、
今回のテーマは、
「ずっと弾き続けた曲を弾いてみる」
ということ。
昨年11月から、自宅での毎日の演奏で、
「必ず最後はこの曲」
ときめて弾きつづけてきた
ウルトラセブンと昼下がり2を弾いた。
演奏自体は、それだけ弾いていると、
「ほぼ練習どおり」プラス
「やっぱりステージでは80%くらいの
 できになってしまうな」
というもの。
どっちにしろ、「ほぼ予測できたもの」
が出力された。


この点で、迷いが生じるのだが、
それは、ひとまずおいておいて、


まず、「日々の演奏の中で、いろいろ学ぶべきものはあった」
ということを反省の1つとして。


まず、当然ながら好きな曲なので、
弾く楽しさがあるのだが、
その後、1ヶ月くらい続けていると「マンネリ」
がやってくる。
で、だらけてしまうのだが、
ふと、録音してみて、
「まだ全然・・・」であることに気付く。
メトロノーム使ったり、手本となる音源を捜して
きいてみたり、いろんなことをしてみる。
一応納得できる演奏が何回かに1回できるように
なって、今度はマンネリだか、どうだかわからない
境地になる。
以上が、ステージまでの経緯。
「続けること」でいろんなことがわかる。
続けることというのは大事だなと思った。


と同時に、迷いも生じているのだ。


こういう風に、曲数を絞って
こだわりぬいて育てていこうと、今年初めとして
思っているのだが、それは
本当に自分のしたいこと?
という、迷いも同時に持ってしまった。


技術的には、1つの曲をこだわりぬいて
育てていった方が、きっと
いいものをステージで演奏できるだろう・・・。
でも・・・・なんというか・・・・
「切迫感」
みたいなものは、今回、そういう
やり方してみて、小さくなったのを実感している。


あの初めて2ヶ月のyoshinoさんの演奏から
聴こえたような・・・なんといったらいいのだろう・・・
「汗かきながらやっている感じ」
というか・・・


もちろん、うまく弾けた方がいい。
そして、
その上手く弾けることとあわせて、
・・・・言葉にできないのだが・・・
「逼迫感」とか「切迫感」
みたいな感じをもっている演奏がしたい。


・・・矛盾した欲望か?



そんなことを考えている。


下手な考え休むに似たり・・・か・・・
それより、来月なにを演奏するか・・を考えるか。



<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20070120
<ギター趣味人>
http://guitar-shumijin.g.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080427
<目に入ったニュース>
今日はパス。


><