#68クラスタフリーコンサート

今回も楽しかった。
そして、今回は感激してしまった。
相川さん、ありがとうございます。
理由は以下で。早速感想を。


以下クラスタHPより抜粋。(N:ナイロン弦、S:スチール弦)


satoh(tetsu)さん 千葉市(N) コロンビアーナアレグリア
フラメンコの方。今回で3回以上連続と思う。
コロンビアーナはキーCでC特有の明るい
コード感を活かした演奏。楽しく聴けた。
アレグリアスについては、
自分としては、
「曲の中のフレーズの区切れ」
がもっとわかりやすいと聴きやすいのになと思う。
フラメンコの方で、よくそう思うのだが、
フレーズがどんどん流れるのはそれはそれで
そういうものなのだろうが、
言葉でいうところの、「文節の区切り」
みたいなものがわかりにくいところが
ちょっとつらい。
ここがはっきりわかると、もっと聴きやすいと思う。


sakataさん 相模原市(N/S) ニューシネマパラダイス愛のテーマ/かけら
ドタキャンの方のいきなりのピンチヒッター。
準備不足であったと思うが、とてもいい演奏だった。
sakataさんは、音楽に向かう誠実さが
演奏にでていて、聴いていてとても気持ちいい。
カウンターで隣同士になったので、
ちょっとお話したのだが、お互いオリジナルアレンジ
にチャレンジしているというところで
その話になったのだが、
「なかなか難しいですよね」
と自分がいうと、間髪要れずに、
「でも、歌うことが大事ですから」
とのことを言われていた。
で、ご自身の演奏はまったくそのとおりで、
メロディーをとても大事にした
アレンジであり演奏だった。
特にメロディーでのスライドの入れ方が美しい。
オリジナル曲は明るい感じのオープンチューニングで、
それを哀愁味ある(うまくマイナーを入れた)曲。
こちらも面白かった。


nakagomeさん(初) 墨田区(N) 九月、レッドシューズダンス
大学3年生でギター歴5年とのこと。
スーツだったが、ラフに緩めたネクタイ、
少し長めで少し茶色の髪、と学生モード全開にみえる。
・・・ちょっと自分の学生時代を思い出した。
さて演奏だが、
「9月」は現代風の曲だが
やわらかい音でありながら、
音の芯がしっかりあり、いい演奏だった。
かなり弾きこんでいるのがわかる。
次のレッド〜は押尾コータロー氏の曲だ。
こちらもまあまあ弾き切っていて
楽しく聴けた。
こちらはブルージーな4ビートで
ランニングベースなんかがはいる曲だが
親指のビートがもっとはっきりすると
もっと栄えると思う。


yoshinoさん 八王子市(N) モクレンの涙、禁じられた遊び、櫻色舞うころ
昨年からギターを始め、
先月からギター教室に行き始めたという年配の方。
1ヶ月毎に聴くと、
上手になっていく過程がみえて面白い。
前回と比べると、曲の表現とかは、
それほど変化はないが、無駄な雑音が
ずいぶん消えた。
ご本人に聞いてみると、
「右手、左手のフォームをずいぶん矯正された」
とのこと。
なるほどと自分の聴こえた感じを納得した。
このあと、どのように上手になっていくだろうか。


kimuraさん 町田市(N) カバティーナ、タンゴアンスカイ、アルハンブラの想い出(一部)
kimuraさんもドタキャンのピンチヒッターだ。
しかし、今回はMCが最高だった。
「ご家族とけんかして家出してきた」
とのことで、
その心のうちをMCされたのだが、
こういう、ライブで個人的な話は
それだけでパワーがあるのがよくわかった。
・・・すいません・・・笑わせて頂きました。
演奏の方は、いつもの「堅実な」
感じは、kimuraさんの特徴として感じるが、
それにあわせて、「けんかからの勢い」
みたいなものがあって、自分は今回の方が
好きだったりする。
ちなみにもっというと、全員終了後、
aikawaさんのギターを借りて、
完全にリラックスして弾かれており、
そのときの音が一番よかった。
kimuraさんは、本番ステージでもあんなふうに
弾けばいいのではと思う。


kamedaさん 千葉市(N) コンポステラ組曲よりレシタティーボ、プレリュード、ムニエイラ(モンポウ)、BWV998よりプレリュード(バッハ)
昨年の夏以来とのこと。
1曲目は現代曲だが、しっかりご自身の表現となっていて
楽しめた。難しい曲だが、クラシックの方は
ほんとに演奏がうまい。
こういう上手な演奏を生で聴くと
現代曲もいいなあ、と思う。


satou(a)さん(初) さいたま市(N) バッハ・リュート組曲4番よりプレリュード、メヌエットI,II、ブーレ
若い女性の方だが、マスターが
「ギターの先生か、先生の助勢をしている方」
といっていた。
演奏はまったくもってそのとおりで、
バッハをすごい正確さ、表現の確かさみたいな
感じで弾ききった。
バッハだからもちろん対位法だが、
左手が常に動いていて、
音がでる瞬間に左手で抑えるのがずっと続く。
まるで左手でのみで自在に弾いているみたいに見えた。
もちろん、右手もしっかりしていて、
音のダイナミクスもばっちりだった。
とてもスレンダーで小柄な方なのだが、
音の方はしっかり芯があって力強かった。
なお、1曲目が大曲、かつ完全暗譜で
気が抜けたのか、そのあとの曲は
”流した感じ”になってしまった。
でも、1曲目だけで十分楽しめた。


次自分。 横浜市(S/サイレントN) ナウアンドゼン/白鳥の湖、桜色舞うころ、さざなみ、6番町ラグ
今日は、自分の演奏をよく聴くことがテーマ。
音自体を聴くのはもちろんだが、
メロディーの表情、音を出すタイミング、
ベース音の動きなど、
演奏しながら、どれだけ聴衆でいられるか、
にチャレンジした。
ということで、練習した曲は2曲に絞ったのだが、
演奏中、充実感があった。
今回は、大満足だ。
もちろん、失敗もいろいろあったし、
緊張もしたのだが、演奏するときの感じとして
常に自分の中の聴衆を意識した結果、
そのほうが、「家で弾いている自分」
に近くなった。
ここ数回のフリーコンサートでは、
一番気持ちよかった。
これを常態としたい。


aikawaさん 国分寺市(N) 早春賦(武満徹アレンジ)、七つの子、約束(佐藤弘和)
さて、aikawaさんだが、はっきりいって
感激しました。ありがとうございます。
というのは、2曲目の七つの子は2月に
差し上げた自分がアレンジした楽譜を
そのまま、というか、それ以上のできで
演奏していただいたのだ。
どう言葉にしていいか、わからないくらい感激した。
自分でアレンジしたのだから、
曲として次の音は演奏前に
聴こえるのだが、その弾かれる実音は
ことごとく、自分のイメージよりかっこいい。
自分はラフな曲想のアレンジのつもりで作ったのだが、
aikawaさんはそれを「重厚かつ荘厳」
といった感じで演奏された。
これは、自分のアレンジであるが、
aikawaさんの曲だ。
aikawaさんのその表現力にノックアウトされた。


しかし、aikawaさんの演奏は
聴いていてほんと気持ちいい。
早春賦、約束とも、すばらしく気持ちの入った
演奏で、楽しかった。


・・・もっといいアレンジをしてみたい、
そういう気持ちになった。
しかし・・・
武満氏のアレンジ、佐藤氏の曲を
聴くに・・・自分相応の範囲でだな。


matsumotoさん 練馬区(N) フリアフロリダ、アメリアの遺言、鐘の音
ご本人が好きでないといっていた、
「鐘の音」
が楽しめた。
matsumotoさんは
自分は「とつとつと」といつも表現しているのだが、
その演奏はとても内省的で
「どんどん自分の世界に入っていく」
みたいに感じるのだが、今回は
「みんなに聴いていただこう」
みたいなところが感じられた。
それが特にでていたのが
「鐘の音」に自分は思えた。
ひょっとして、そういう「外向きさ」
というのがご本人が「好きでない」ところだったりして・・・
でも、音楽だから、そっちの方が
楽しいと自分は思う。次も期待しよう。


kanaiさん 川崎市(N) パコデルシア(ジョーパス)、プライベートアイズ(ホール&オーツ)、アイムナッシングトゥユー(オリジナル)
マスターから、
「FPD決勝進出者!」
とプレッシャー攻撃を受けていたが、
その攻撃に恥じないかっこいい演奏だった。
自分は特にパコデルシアがフレーズの
歯切れのよさがkanaiさんのいいところが
とてもでていると思った。
プリングオフやハンマオンを使った
速いフレーズがナイロン弦であるが、
1音1音がはっきりしており、聴きやすい。
弾いていても気持ちいいだろう。
それとオリジナルは、コード展開が
独特で面白い曲。
そのコード展開が、kanaiさんの得意なベースのランで
つなげられていく。
これで、もっとメロディーがたってくると
相当いい曲になるのでは。


iwatateさん 高円寺(N) フリアフロリダ、11月のある日、チャイルド
「バリにいって1ヶ月、その後ショートコンサートで燃え尽きた」
とおっしゃっていたが、
演奏はそういう意味で、
気負いがまったくなく、気持ちいい演奏だった。
「バリで教えてもらったフェリピンの曲」
として弾かれた「チャイルド」
は、昔杉田二郎が「アナック」として歌った
ものが元曲なのではなかろうか。
(どちらが元なのか、自分は不明ですが・・・)
iwatateさんには珍しいスリーフィンガー調の
曲であるが、美しい曲だった。


takahashiさん 東村山市(N) アルハンブラの思い出、サンバエテルノ、イパネマの娘、ラグリマ
1曲目は、練習中のトレモロの披露。
相当上手になっている。
でも、takahashiさんがめざしているのは
あのsekiguchiさんのトレモロなのだろうな・・・
まだまだうまくなると思う。
2曲目は佐藤正美さんの曲ということだが、
いい曲だった。
サンバの曲調で、ベース音が下降ラインを
描きながら、きれいなメロディーが乗っている。
練習中とのことで、バレーコードの連続部が
もうちょっとだったが、takahashiさんのことだから、
程なくものにすることだろう。
あと最後に久しぶり、
といって弾いたイパネマがさすがだった。
tanakaマスターのイパネマも好きなので、
一度連続して聴いてみたいなんて思った。


aoyamaさん 小平市(S) アズタイムゴーズバイ、学生時代、ブーレ、エンターテイナー
aoyamaさんはいま、
「自分なりのソロギターの次の方向」
をいろいろ探している感じにみえた。
ちょっとずつアレンジを磨いている「アズタイム〜」、
毎回、アレンジすることにした、としての「学生時代」
その後、いろんなクラシック曲をトレモロで・・
自分も常にそういうところがあるので、
とても親近感を覚える。
自分はaoyamaさんの曲のなかでは
ジェームスとかアズタイム〜とか、
ジャズだけど、ばりばりな感じではなく、
ほっとする感じのアレンジ
が好きだったりする。
aoyamaさんはどういう方向を考えているのだろう。


matsudaさん 所沢市(N) 大聖堂、タンゴアンスカイ、アルハンブラの思い出
・・・・この曲目!
「今回は・・・ちょっとクラシックにチャレンジしました」
といっていたが、
「ちょっとチャレンジ」
な曲ではなかろう・・・・
しかも全部暗譜。
面白かったのは2曲目のタンゴアンスカイで、
matsudaさんの高速ピッキング
はまっていた。
なお、アルハンブラは、matsudaさんが弾くと、
なんか、バリバリに弾く感じで
やはり、フラメンコを感じてしまった。


以上。


今回も楽しかった。
なお、aoyamaさんから
ヤマハサウンドスケッチャーを
お譲り頂いた。
(”借用”と自分は思っております。)
ありがたく使わせていただきます。
新曲できたら、(いつになるかわかりませんが)
ご連絡します。



<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20070420
<ギター趣味人>
http://guitar-shumijin.g.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080427
<目に入ったニュース>


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