読書メモ「5万年前 このとき人類の壮大な旅が始まった」

ニコラス・ウェイド/著 , 沼尻由起子/訳 , 安田喜憲/監修
出版年:2007.9


面白かった。
5万年前のことなんか、遺跡やらなんやら
ではわからない。
なので、想像力を駆使した、
SF的読み物かな、と思っていたのだが、
さにあらず。


近年解読が進んでいる、DNA(ヒトゲノム)
の調査でいろんなことがわかってきて、
それをまとめたものだ。


世界中のいろんな人のDNAを調べてみると、
「人種としての枝分かれの状況」が
わかるという。
人類の今の種はどっから何人くらい?
ということまでわかるというから、すごい。
さらに、
これと、考古学者の知見、言語学者の知見を
あわせてみると・・・・・
というのも解説されていて、最高にエキサイティングだ。
著者は、学者ではないか、
二代科学誌「ネイチャー」「サイエンス」の科学記者を
歴任、現在は同紙の人気科学欄「サイエンス・タイムズ」をもつ
科学ジャーナリストだ。
だから、ちょっと表現に厳密さが欠けるかな、
という感じはするが、そんなことはふっとんでしまうくらい
読み物としては面白い。
「ジャーナリストの方が書いたならではの面白さ」だ。


それにしても・・・・
・人類の祖先は、5000人のアフリカの
 グループから旅にでた150人だった!
・肌の色はどのように変わったか
・農耕より先に定住が始まった。
・社会性をもつことが人の起源。
 言語、宗教は同時に生まれた。
・日本語も英語も同じ言語の祖先をもつ
・今も人の進化は続いている
等々、
純粋に
「わかるのなら教えてくれ」
と思ってしまうような疑問点が
取り上げられていて、
「米国ではたちまちベストセラー・・・」
となったそうだが、納得だ。
 

しかし・・・
これって、自分自身のことなのだ。
自分は・・・もっと上手にいきていきたい、
なんて究極的なことまで考えたりした。


さて、
「DNAの研究ってこんなにおもしろいんだ。
 じゃあ、他にも、例えば日本人にスポット
 をあてた研究なんかもあるんじゃないの・・・」
と図書館リストを調べてみると、あった!
早速予約を入れた。


また楽しめそうだ。



データ----------------------------------------------
目次(BOOK):
ヒトゲノムが解き明かす人類史の謎;
はじまりは5万年前、たった150人;
人類が発した最初の言葉;
祖先たちの肖像画を描く;
ネアンデルタール人たちとの死闘;
インドに到達、さらに遠方へ;
「定住」という人類史の革命;
惨酷と利他―人間性の不思議;
人種はかくて世界に拡散した;
ユーラシア大語族の謎;
ヒトゲノムがあばく歴史の裏側;
人類進化の終わりのない旅


要旨(BOOK):あなたの祖先は、
5万年前にアフリカ大陸を脱出した150人あまりの集団のなかにいた。
ヒトゲノムが紐解く、人類史の驚くべき真実。
著者紹介(NS):
【ウェイド】イギリス生まれ。
二代科学誌「ネイチャー」「サイエンス」の
科学記者を経て、「ニューヨークタイムズ」紙の編集委員となり、
現在は同紙の人気科学欄「サイエンス・タイムズ」に寄稿。
科学ジャーナリスト
沼尻】東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、
渡米して読売新聞ニューヨーク支局勤務の傍ら
アメリカン・イングリッシュ・インスティテュートで修業。
帰国後、大手出版社の編集者を経て、フリーライターとして独立


<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20070419
<ギター趣味人>
http://guitar-shumijin.g.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080427
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