1-8  ライブの後のひととき

ライブの後のひととき。
自分にとっては、毎月の行事としているクラスタでのフリーコンサートの後の雑談の時間。大体、いつも、20人前後のお客さんがきて、うち15人が演奏するといった感じ。なので演奏していた人が、7〜8割を占める。自分演奏なさった方、また聴きにきているだけの方もいらっしゃるが、みなさんよい方ばかりで、自分はその方々との雑談も楽しみになっている。
ある日のクラスタでのフリーコンサートの自分の日記を紹介しよう。

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クラスタフリーコンサート。楽しかった。今回も実に多様な演奏が楽しめた。
〜中略〜・・・
聴衆として演奏だけでなく、音の出し方からして、その人の性格がでているものだな、と思った。好みとして好きなのは、MGさん、MKさん、KMさん、TMさん。
MGさんのクリアな模範演奏は相変わらずさすが。
MKさんは音が好き。”マーチンのあの音”を出し切っている。音自体きれいであるが、”やさしさ”を感じる音だ。演奏後いろいろ話もできたが、MKさんが音に対するこだわりも好きだ。
KMさん。とにかく音がでかい。”音を出す気持ちよさ”というシンプルな気持ちよさがストレートに伝わってくる。その熱さからはいつも元気を頂いている。
TMさん。クラシックギターの達人なのだが、技術的云々を別にしても、曲に対する思い入れといったものをすごく感じる。オリジナルアレンジが特に好きだ。時々の出演だが、毎回楽しみにしている。
他の方も面白かった。毎回思うが、自分にとっては、それほど好きでないプロの方の演奏より、フリコンのほうが楽しめるのかも。

『次の課題は・・・』
演奏が終わった後の雑談。
MGさん:
「もっと1つの曲を磨いたら?もうちょっとがんばれば、すごくよくなるのに。でも、本人の考え方だから・・・。どれくらい1つの曲に入れ込むかは好き好きなんだろうけどさ・・。」
MKさん:「自分の音を録音して聴いてる?聴くの大事だよ。」

自分の今回のテーマは「ルバートの曲を感情をこめて弾く」であったのだが、これはできた。演奏直後、
「のってましたね。気持ちよさそうでした。」
との声をかけていただいた。で、次の課題もみえた。 
MGさん、MKさんのコメントはずばり、核心をついている。 
最近自覚した「今の自分に足りないこと」として何日か前の日記に書いた。それは「磨くこと」。部屋の掃除をしていて気づいたことだ。これは自分の仕事、実生活を省みて書いたのだが、実は、ギターも全く同様だ。 
『「ここが楽しい。」「ここが美しい」と感じたころを、瞬間的になんとか出力する』
というところは大好きなのだが、そのおいしいところを、「継続して磨く」ということが足りない。そうじが苦手な性格が音楽にもでているのだろう。というか、音楽は自分を写す鏡みたいなものだから、当然か・・・・。
しかし、できない原因は、自分の性格にあるのだから直すのは大変だ。気がつかなければ、また、気にかけなければ・・・直しようはない・・・・・・。 だから、MGさんの
「好き好きなんだろうけどさ・・・」
とのお言葉は重い。性格は、おいそれとは直せないんだろうけどさ・・・ということだろうが、それは、「薬は無い」ということだ。ご本人はそういう気持ちで言っているかどうかは定かではないが、自分としては、まさに自覚したタイミングであったので、すごく響いた。
ただ、自分で気がつかないのが、自分の性格・・・なにせ、40年そういう性格でやってきたのだから・・・と心のなかで葛藤を感じた瞬間、MKさんから、
「自分の音を録音して聴くのが大事」
との話。うっ・・・自分の心の中がなぜわかるの???・・・というような意見・・・。
「プロの方からいわれたんだ。自分の演奏聴くのはすごく大事」
とのこと。
「そうだよな・・・」
と心の中で納得してしまった。以上のようなやりとりがあって、ものすごく充実した時間だった。この課題にはおそらくゴールはない。昨日の自分よりよくしたいということをずっと継続するのみだ。1年後、いや、数年後でもいい。改善を自分で実感できたらすてきだろう。

みんなに感謝。
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以上、2005年の冬ごろの日記より。 

雑談をするみなさんは、自分で演奏しようとするような方、もしくは、しろうとの演奏をわざわざ聴きにくるような方である。それぞれすばらしい感性をお持ちだ。そして、お酒がちょこっと入ったりして、本音で話ができるとき、それは、かけがえのない瞬間となる。  

ライブの後のひととき・・・・本当に楽しい時間。