#124クラスタフリーコンサート

今回の演奏者は11名様。
15人の定員に至らなかったので、
ちょっと心配したが、杞憂だった。
中身は大変濃くて、楽しかった。
ものすごく得した気分。


それでは、いつもの感想を。
(N:ナイロン弦、S:スチール弦、U:ウクレレ、L:リュート、A:アルパ)


yorifujiさん 川口市(N) ソナタ第2楽章、第3楽章(ディアベリ)
前回の第1楽章、第2楽章で、今回はその続き。
前回もそうだったが、演奏の出来は、
後半に来るほど、よくなってくる感じ。
楽譜を何枚も譜面台に重ねて、進行に合わせて
めくりながらの演奏。
その「楽譜を見ながらの感じ」
が演奏にでてしまっていて、
演奏の表情がとぎれとぎれになるところがあり、
そこがちょっと残念。
まあ、こういう大作だから、簡単にはいかないと思う。
今後、更に洗練させていくことを期待。


ishimizuさん 武蔵野市(N) ロングアンドワインディングロード、G線上のアリア、ブーレ、チェロ組曲第一番(バッハ)
年末大掃除で、右手の人差し指の爪を破損し、
アロンアルファで仮復旧状態とのMCで開始。
大丈夫かなと心配したが、演奏自体はしっかりした
いい演奏だった。
どの曲も、解放弦の使い方がうまい。
バッハの曲では、対位法がきれいに表現されている。
これらの編曲はご自身でなさっているのだろうか。
特に最後のチェロ組曲は、
力強さもあって、いい出来だった。
また聴きたい。


レレデボッサさん(kiyamaさん 稲田堤(U)、Megさん 津田沼(Vo,U))
The Christmas Song、Yokohama Sunset、Ka Ukulele lele、明るい街角で、卒業写真
ウクレレ2台で、ボサノバアレンジの女性ボーカル」のお二人。
ウクレレの音がすばらしいし、リズムもいいし、
演奏技術もばっちり。特にkiyamaさんの
ジャズテイスト溢れるバッキングは渋い。
そしてなによりMegさんの歌声が最高。
「今日はこのままずっとレレデボッサさんの演奏で」
と言われても、OKです。文句ありません、
といってしまいたい演奏だった。
聴かれていたみなさんも同じような気持ちだったようで、
「最後の曲です」
という、サニーサイド・・・の後で、
アンコールがかかった。
(もちろん、自分もアンコール)
で、最後はユーミンの「卒業写真」。これも最高。
ウクレレでボサノバ風アレンジの卒業写真」
だったら、こういうアレンジでしょう。という
ストライクゾーンど真ん中だった。
また聴きたい。


リュートokazawaさん 横浜市(L) 小さな皮肉や、リゴドン、メヌトゥ、プラチナ色の髪のミューズ(クーブラン)
「kiriharaさんですよね」
とokazawaさんの方から、お声掛け頂いた。、
「自分は私は3年ぶりくらいなんです」
とのこと。
実は、自分もokazawaさんのことは
覚えている。
自作の椅子と楽器固定台で、見事なリュート演奏をされる方だ。
自分としては、自分が長崎いったあとも、
ちょくちょく演奏されているのだろう
と思っていたので、自分からは、声掛けしなかったもの。
過去の演奏では、
バロック時代にタイムスリップしたような
気持ちさせていただいたことを演奏を覚えている。
ちなみに、自分の過去のレポートは以下。
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20090315
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080921


今回の演奏もよかった。
どの曲にも、その曲への思いを語るMCが
最初にあり、そのイメージで聴くのが楽しい。
自分が特に気に入ったのは、3曲目のメヌトゥ。
これは、女性の名前で、「メヌトゥ嬢」と
いったところとのこと。
曲想から、
「おっとり型の女性であったと思う」
とのことで、この点はどんなかな、と興味を持ったのだが、更に
「この作曲家のクーブランは、残っている肖像画では、
  ずいぶんかっこいい人です。
    で、その人が女性の名前で曲を作ったということで、
     君のために・・・みたいなことだったんでしょうね」
みたいなことが話された。
「そういうキザな奴は、好きじゃない」
と思ってしまったのだが、
曲が始まってみると、
特に出だしの部分が特にさわやかな曲想で、
かつ、ずいぶんモダンなコード感を感じてしまい、
こういう曲なら、そういうキザなことも、
許せてしまうな、と思ってしまうくらいいい曲だった。
リュート独特の”ビョーン”という
残響音と、巧な対位法の演奏がすばらしい。
ぜひまた聴きたい。


emuraさん 府中市(N) フェリシダーヂ、リメンブランス、サンバースト
ギター経験が3年未満で、これだけ弾けてしまうのか・・・・
技術的には、1曲目、3曲目がスピード感があり、
かっこよかった。
でも、自分が感動したのは、2曲目のリメンブランス。
スローで歌い上げるような曲調だが、
メロディの歌わせ方が素晴らしかった。
数か月前に聴いたときは、
今回よりも、勢いがすごくて、
そういう点では、1、3曲目は、
数か月前の演奏の方が良かった点もあるな、
と思ったのだが、今回は、どういうわけか、演奏から全体的に
「ちょっと影がある感じ」
を自分は感じてしまっていて、
それでいっそう2曲目がよく感じてしまったのかもしれない。
いずれにしろ、すばらしい技術だと思うので、
田中マスターのおっしゃる通り、なんか
コンテストとかチャレンジしてみてはと思う。


アルパakikoさん 小平市(A) 想いの届く日、戦場のメリークリスマス、仁のテーマ、牛乳列車
今回も美しかった。
曲がきれい、音がきれい、そして音楽表現もきれい・・・・。
加えてハープって、弾いている姿もきれい。
ビンテージっぽい(ではなくて、本当にビンテージか)
ジーパンという衣装だったのだが、
南米のハープには、ぴったり。
akikoさんの演奏は、ハープという楽器が
そうさせるのかもしれないが、
大変な集中力をもって演奏しているのが
伝わってくる。美しくて、なごむと同時に
緊張感も感じる。
それはそれで、心地よいのだが、
次の演奏が自分なので、これだけ
うまい演奏で、しかも緊張させられてしまうと・・・
とちょっと焦ってしまったが、
最後の牛乳列車が、ギターでいうところのカッティングみたいな
弾き方もあって、結構ラフなところもあって、
落ち着きを取り戻せた。
それにしても、いい演奏。
もっとたくさんの方に聴いて頂きたいと
思ってしまった。


次、自分 横浜市(サイレントN/S) 上を向いて歩こう、モンバサ(トミーエマニュエル)、
Now & Then
自分としては、まあ、これ以上でもこれ以下でもない、
といったところ。
反省点は、2曲目のモンバサが雑な演奏になってしまったこと。
自宅で弾いているときに、
面倒でイヤホンをつけない演奏ばかりしていると、
細かいところまで耳が行き届かず、
大きな音でやってみたら、ずいぶん雑だった、
ということがあるのだが、その状態。
この曲は、もう少し弾きこんで磨いてみたい。
最後のNow&Thenはオリジナルで故マイケルヘッジスに憧れて作った曲。
鉄弦やオープンチューニングも、
たまに、ガッツリやってみてもいいかも、と思った。


コレクターkimuraさん 川越市(S) (ギターに関するうんちく)、アドリブ
今回のギターはマーチンの1940年代のシングルO。MCで、
「アドリブって、ギターがプレゼントしてくれているような感じがします」
とおっしゃっていたが、同感。
音がいいと、勝手にその音が感性をインスパイアしてくれて、
いつまでも弾いていた気持ちになる。
その言葉どおり、アドリブはとても気持ちのよい演奏だった。
ちなみに、このギター、
「今買ってきたところ」
とのこと。
いつものことだが、みなさんの演奏後に弾かさせて
頂いたのだが、
まず、低音がびっくり。
マーチンの良質のドレッドノートと遜色ない、ガイーンという
倍音がたっぷりある、すばらしい音がなる。
このサイズで、どうして・・・・という感じ。
中音から高音については、表現として伝わりにくいかもしれないが、
「ねばりのある音」。
基音がしっかりしていて、「ナイロン弦に近い」
ともいえるのだが、じゃあ倍音が少ないか、
というと、そんなことはなく、
倍音もしっかりある。
倍音もしっかりあるのだが、ドレッドノート
比べると、倍音の成分はいっしょだが、
倍音の音量は少ないという感じ。
率直な音色という感じで、ギターの表現がしやすい感じ。で、
「思ったように弾ける感じがあって、いつまでも弾いていたくなる」
という感じだった。
いつものことですが、いいもの弾かせていただきました。
ありがとうございます。



田中M 国分寺市(N) 風笛、トリステーザ、イパネマの娘
1曲目の風笛は、とても落ち着いていい演奏だった。
いつもより、できがいいな、
と思ったのだが、一方で、こういういい調子のときに、
一つ失敗すると、崩れたりするんだよな、
と思っていたら、2曲目、そうなってしまった。
しかも、実に、わかりやすい崩れだった。
まず、トリステーザの山場の高音部で、
思いっきり音をはずした。
まあ、これはご愛嬌で、その後通常演奏に
戻ったのだが、また、同じ
ところが来たとき、
「ちゃんと気を付けて」
というのが、わかるような演奏になった。


まずい・・・・


自分の経験だと、そういうふうに頭を使ってしまうと、
そのあとが、「飛んでしまいがち」になる。
・・・と思った瞬間、そのとおりになってしまった。
そして、その流れは3曲目でも同じ感じ。
いやー、マスター程曲を弾きこんでいる方でも、
そういうことってあるのだな。
生のステージ演奏の難しさを改めて感じた。



masakiさん 東村山市(N) 広葉樹、ボセエボニータ、タルゴ、いそしぎ、未踏の原生林
自分は、「masakiさんが弾く佐藤正美さんの曲」が
好きなので、大満足の曲目だった。
masakiさんの演奏は、乗ってくると
本当にリズムが気持ちいい。いい気分になっているうちに
あっという間に終わってしまった。よかった。
ちなみに、masakiさんの今年のライブ本数は100本越えとのこと。
(うち60回はクラスタとのこと)
この膨大な経験が、安定した演奏に繋がっているのだろうな。
いい演奏でした。


以上、楽しいライブだった。
また、楽しみにしています。次回もよろしくお願いします。



PS
ということで、また、来月も来ようと思っているが、
会社の行事が重なってしまうかもしれない状況。
悩ましい・・・・。



<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20121216

<目に入ったニュース>

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