第119回クラスタ・フリーコンサート

11番目にtanakaマスターが演奏だったが、
そこで演奏前に挨拶があった。
「この7月で、クラスタ開業10周年を迎えることができました」
「マニアックな店なので、いつまで続けられるだろうと思っていましたが、
 ここまで続けてこれたことをみなさんに感謝します」
とのこと。


いや、感謝せねばならないのは、こちらのほうだ。
他では得られない貴重な経験、楽しい時間を
頂いている。
改めて、tanakaマスターに深く御礼申し上げます。
そして、10周年、本当におめでとうございます。


さて、そのtanakaマスターの演奏は2曲。
いつものマスターのテーマソングである、
「風笛」と「イパネマの娘(バーデンバージョン)」
上手なのは、もう当然。それ以上に
「継続することの尊さ」
を感じた。
じっと同じ曲を弾き続けて、じわじわだが上手に
なられている。
イパネマのほうは、バーデンの演奏が2分59秒だから、
その時間ぴったりに合わせることを目標に修練していて、
今回はなんと3分ジャスト。1秒しか違わない・・・・。
ちょっと信じられない精度だ。


ということで、
勝手なお願いですが、今回の演奏もともども、
お店は、”永遠に”続けてください。
まあ、・・・永遠は無理かもしれませんので、
「自分が生きているうちはぜひ」で、
なにとぞよろしくお願いします。
今一度、
「10周年、おめでとうございます」



以上スペシャルトピックということで。



以下今回の演奏の感想。



iibaさん ねこふんじゃった、明治チョコレート、禁じられたあそび、ゲゲゲのキタロウ(全てオリジナルウクレレアレンジ)
ウクレレは実はギターより音域が広い」
などと言われるが、そうかもしれないな、と思った。
4弦しかないが、フレット間が狭いので、
ギターではありえないストレッチな抑え方ができる。
演奏のほうは、ウクレレの独特のあったかい音色と
素朴で楽しいアレンジがよかった。
また、ぼそぼそっと語るMCも絶妙で楽しかった。
「ギターは真剣にだが、ウクレレは適当でよい」
のだそうだ。
こういう演奏を自宅でほっこりできていると
さぞかし、癒されるだろうな、と思う。
また聴きたい。



hamumi(hiromi)さん 秋の木の葉(N.コスト)、第6のカプリス20−9(レニャーニ)、11月のある日(L.ブローウェル)、エチュードOP443(ソル)
練習に裏打ちされた、しっかりした演奏。
2曲目「第6の〜」の前は、
はあっとため息をついた後、
「難しい曲なんですよね」
と一言。
しかし演奏を始めると、すごい集中力でほぼ完ぺきに
弾かれていた。すごい。
自分としては、そのあと、少し肩の力が抜けて
のびやかな感じを感じられた11月のある日がよかった。



masakiさん 東村山市(N) 月光(ソル)、ラグリマ、アデリータ、アルハンブラの思い出、G線上のアリア
クラシックギターの上手な方の演奏を聴きまくっていて、
それらの方の音色の出し方を修得したいと
思って練習されているとのこと。
アルハンブラまでの4曲では、その言葉通り、
「音色を大事にした演奏」だった。
ラグリマで右手の位置を駒側に変えて
硬い音色を効果的に使ったり、
アルハンブラでの丁寧なトレモロなど。
すごく高いレベルの演奏が頭の中で聞こえているのだろうな、
と思うし、徐々にだが、いまでも着実に上手に
なられているところがすごい。
それらの効果を生かしたい、
として最後のG線上のアリアは、いつものサンババージョン。
masakiさんのいつもの疾走感を損なうことなく、
「丁寧な音だし」になっていた。
しかし、どこまで上手になっていくのだろう。
いつもそうだが、masakiさんの演奏は、次会う機会が
楽しみになる。


ishiiさん 調布市(N) スカボローフェア、悪魔のカプリッチョ
スカボロフェアは「ツボイ○○氏のアレンジ」とか
おっしゃっていたが、きれいなハーモニクス
独特の清涼感のあるコードアレンジが素晴らしかった。
ただ、演奏の難易度はすごく高そう。
で、むずかしさという意味ではそれに輪をかけたような
「悪魔のカプリッチョ」を
バリバリ演奏。
すごくお上手かつ、熱い演奏がよかった。


なお、みなさんの演奏終了後、
ウルトラセブン」、
エアリアルバンダリース」(!!!)→kimuraさんのD28で演奏(!!!)
とすごい演奏も聴かせていただきこれもすばらしかった。
あの「エアリアルバンダリース」を弾きこなしてしまうとは・・・・
で、ギターは、あの「アサド兄弟」が実際に
使っていたものとのこと。
(値段は聞かなかったが・・・・にわかには信じられない)
大変ありがたいことに、弾かさせていただいたのだが
ありえないくらい、「激なり」のギターだった。
弾いているとあっという間に時間がたってしまう・・・・
本当にありがとうございます。
また次お聴きできる機会を楽しみにしています。



tsumuraさん 船橋市(N) オーバーザレインボー
関口さんに習われているとのことで、
コードアレンジと、単音で弾かれるフレーズが
ジャジーな演奏。
まだはじめられたばかりとのことだが、
家での演奏に近い演奏はできていたのではと思う。
「本当に緊張しますね」
というのが演奏後の一言。
ほんと、そうですね、と思った。


miyazakiさん(初) 八王子市(N) 鉄道員、カルカッシの練習曲(ハ長調
一生懸命の演奏が好印象。
残念だったのは、1曲目は3弦のチューニングがくるっていたこと。
演奏途中で止まってでも直したほうがベターと思う。
2曲目は練習曲だが、チューニングを直しての演奏で、
きれいな演奏だった。
楽しそうに弾かれており、今後どんどん上手に
なられるのではと思う。


ishimizuさん 武蔵野市(N) ウナセラディ東京、ティアーズインヘヴン、ボヘミアンラプソディ
「このごろ、亡くなった方の追悼演奏ばかりのような気がする」
とのことで、ウナセラディ東京は、あの「ピーナッツ」
からの選曲。しぶい。
次のティアーズインヘブンが自分は一番よかった。
観客のみなさんには、ボヘミアンのほうがうけていたが。
ティアー〜は、前回に続いてなのだが、細かいところで様々アレンジが
追加されていて、一段と完成度が上がっていた。
特に、メロディーでスライドを入れたりして
の味付けがよかった。



次、自分 横浜市(サイレントN) Three views of secret、川の流れの様に、真夏の果実、ビューティフルネーム、南風
1曲目のジャコパスの曲をなんとか1テイク分コピーするので
(いつものとおり精度としてはあやしいコピーだが)
自分の1か月は限界だった。
なのであとは、適当に普段弾いている曲から一掴み。
ジャコパスの曲は、これから、「ずっとたまに弾く曲」
で楽しんでいこうと思う。
まあまあ、楽しめた。しかし、周りの方の
演奏を聴いていると、もっともっとやれそうな
気もしてくる。


kamayaさん 小平市(N) ペテネーラ、ギリージャ、ソレアレス、津軽じょんがら節
アンダルシア風の帽子(?)をかぶっての演奏。
1曲目は「黒いギター」という意味で、暗いイメージで。
2曲目は重々しい、九州での大雨の濁流をイメージして。
3曲目は、「哀しみ」というタイトルなので、この頃の哀しみをイメージして。
ということで、大変重く暗いステージのように思えるが、
実際は、実際はその暗すぎるイメージをMCで笑いを得るような
感じで、肩の力が適度に抜けた楽しい演奏だった。
ちなみに、kamayaさんのこの頃の一番の哀しみは、
「ケータイをスマホにかえたら、指が太すぎるので、
  うまく操れず、ものすごく不便になり、2,3日泣いて過ごしました」
とのこと。
なんとも人畜無害な哀しみ。
そんな感じで朴訥さがよかった。
なお、
その哀しみの元になったkamayさんのその指は、
ギター演奏、特にフラメンコのたたきつけるような演奏には
重宝しているとのこと。
で、そのたたきつけるような使い方で
「ギターで津軽じょんばら節」
をなさったのだが、これが秀逸。
まさに「ばちのような親指」
が、さく裂した演奏だった。


コレクターkimuraさん 川越市(N) (アコギに関する詳しい解説)、アドリブ
なんと、kimuraさんが今回持ってきたギターは、
あの「マーチンD28」だ。
いつも、「誰も知らない激なりギター」
で楽しませていただいているので、逆の意味で驚いた。
でも、そこはkimuraさんで、D28といっても、
なんと1949年製。
すばらしい音色だった。
ちなみに演奏前のいつもの
「ギター解説コーナー」は観客席からの質問続出で、
結局10分近くその質疑が続いてしまった。
しかも、それが大変面白い。
kimuraさんの場合、
「マイコレクトギター」とか銘打って、
ギター解説と音色を楽しむイベント、
みたいなのが、成り立ってしまう気がする。
(2,3時間の枠での成り立ちそう。)
みなさんの演奏が終わった後、弾かさせて
頂いたのだが、本当に
「いつまででも弾いていたくなるような」ギターだった。
ちなみに、もってみると、本当にものすごく軽い。
値段は聞かなかったが、すごいのだろうな・・・・。


tanakaマスター 国分寺市(N) 風笛、イパネマの娘(3分ジャスト)
上述の通り。いい演奏&10周年のご挨拶でした。



yamakawaプロ 中野区(N) スマイル(チャップリン)、ルパン3世(大野雄二)、ゲゲゲの鬼太郎いずみたく
3曲とも、満面の笑みを浮かべながら、実に楽しそうな演奏。
聴いているほうも、自然に楽しくなる。
曲のほうもご機嫌で、上手に弾けることはもちろんで
その上で、如何に聴いている方を楽しませるか、
という演奏&MCだった。
yamakawaさんは、音楽を自体を楽しむことが
本当に好きな方で、いつも
「○○さんの演奏がすごかった」
とか教えてくれるのだが、その楽しめていることを
ご自身の演奏に反映しているところがすばらしい。
聴いている方をハッピーにできる演奏が一番と思う。


yamauchiさん 中野区(N) 風笛1/2、WAVE
ツイッター奏法」とのこと。
これが実にたのしい。
弾きながら、演奏が怪しいところや
わすれてしまったところは、
「チャーンチャチャチャ・・・・」
とか口で演奏しながら継続してしまう。
それだけではなく、
「ここ、難し」とか
「あはは、間違えた」とか、
自在に解説入りで曲が進められていく。
果たしてこれは、観客がいるということを
意識して、ネタでいれているのか?
それとも、曲に集中しすぎて、無意識に
でてくる言葉なのか?
そんなことを思ってしまうくらい
絶妙なツイッターだった。
願わくば、ギターがさらにお上手になっても、
ぜひともこの奏法は継続していってほしい。
yamakawaさんの演奏と同じくらい
聴いていてハッピーな気持ちになれる演奏だ。


aikawaさん 国分寺市(N) エチュード6−11(ソル)、島へ、オーバーザレインボー
久しぶりのaikawaさんの演奏。
相変わらず、メロディーがきれいで
しっかりした演奏。
特に武満徹編曲の後の2曲がよかった。
ずいぶん弾きこんでいらっしゃるのだろう。
ただ、ちょっと変わったかなと思ったのは、右手。
以前はもっと強いピッキングだった気がする。
左手の力強いビブラートとかは、以前の通りだが、
それと同じくらい、右手も力感があった気がしたのだが。
まあ、それはそれとして、演奏は、さすがの演奏。
またそのうち、古いギターとかもお持ちいただいての演奏も
期待しています。



以上でフリーコンサート終了で、
このあと、飛び入りで歌入りの演奏が2曲。
これもなかなか味があってよかった。



以上楽しい演奏だった。



<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20110715

<目に入ったニュース>

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