熊田千佳慕展@福岡県立美術館

今日は福岡県立美術館へ行ってきた。

実は、家人の手伝いで、土日福岡へ
通っており、その結果福岡で自由時間があるもの。


しかし、今日は体調不良(9割は寝不足)
で、なんとも気分がブルー。
なにもしたくないような感じであったが、
このまま何もしないで1日過ぎれば
後悔するな・・・と思い、天神から歩いて
いける距離にある、県立美術館にいってみたもの。


特設展は、熊田千佳慕さんという画家で、
惜しくも2009年に逝去なされた、とのことだが、
なんと、99歳!!
かつ更に驚くべきことに、死ぬまで現役の画家として
ご活躍であったとのこと。


なんともすごい。


で、絵の方であるが、ぱっと見は、
自分としては、正直、あまり好きでない絵。
というのは、ものすごく精緻で
「筆遣い」みたいな楽しさ、リズム
みたいなものがみえないから。

しかし、おどろいたことに、
実際に本物の絵をみてみると、
「精緻にみえる」ではなく
「本当に精緻」だったのだ。


動物とか昆虫、植物といった自然の
小物が絵画対象なのだが、ほんとに、
「毛の一本一本まで書く」
が実践されてできている、
本当に精魂こめられた絵だった。

なので、近くでみると、
そのすごい筆使いをみてとることが
できた。


そして、その一筆一筆は、
なんでこんなに力強いの?
というくらい強い線だった。

「対象を見て、観続けて、観極めるまで
 線を引く事はないというのが、自分のスタイル」
とのこと。


これもすごい。


そんなことをやったら、
気が張り詰めすぎて、
体壊すんじゃないか、と思うが、
実際、1つの絵を仕上げるのに数年かかることがあり、
しかも、線を引くたびに歯をくいしばるため、
絵を描き終わったあとに、
歯茎がはれ上がることがたびたびだったという。

壮絶だ。

しかも、99歳。

ちなみに、自分が敬愛している、というか畏敬
している白川静氏は、96歳逝去だったが、
いずれもおなくなりになるまで、現役というのがすごい。

どういう考え方で日々すごしていらっしゃったのだろう・・・
と思い、出口で販売していた絵やら本やら
をみてみると、
熊田千佳慕の言葉 私は虫である」
というご本人のメッセージ集をみつけた。

本当にいいメッセージが載っている。
1つ書き出しておく。


  抱負なんて、贅沢なものはありません。
  五日間のことだけ考え、無事に五日を過ごせたら、
  また次の五日を考える。
  それより先のことは考えず、
  一日一日を大事に過ごしています。
  



今を全力で過ごすことの
積み重ねか・・・・


お手本だな。


とても疲れていたのだが、
元気がでてくるように感じた。

みにきてよかった。


<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20090529
<目に入ったニュース>

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