討論

仕事をしていると、
「討論」となる機会が、たまにある。


「いやいや、仕事なんていうのは、
 いつも討論ではないか」
という意見もあろうかと思うが、
自分は「本当の討論、前向きな討論」
というのは、なかなか無いと思っている。


大抵は、
「正論(と自分が思っているものの)言い合い」
であって、その結果は、
会社なんかでは、
「上司」もしくは「味方が多い方」が勝つ。


こんなのは、討論ではなかろう、
と自分はと思う。


自分が思うに、
「前向きな討論」
とは、以下のような条件がそろったケースと思う。


話し合う双方が、
「自分はどうしてもこう思う」
という強い思いのほかに、
「自分の考えは間違っているかもしれない」
という謙虚さをも、持っており、
その状況で、
「なんとかできるだけよい答えがほしい」
と思っているケース。


この条件の更に大元の条件が、
「どこまでもクールであること」
だろう。


で、今日の上司との長い長い話会いは、
そんな討論であった。


お互い努めて冷静に話すのだが、
ずっとずっと話していくうち、
上司の方が
「熱くなって」
きていることに気付く。
そして、もちろんその場所こそが、
本当に上司が思っていること、
意見の根本だ。


そして、それにはあたりもはずれもない。
「気持ちの問題」「納得の問題」
であることも、その時点で分かってくる。
くるしいんだろうな、舵取りの立場として。
十分わかる。


間違いかもしれないと本人も
わかっているから、熱くならざるを
得ないのだろう。


ただひとつ、
ちょっと弱く思ったのは、
「俺がやるから、ついてこい」
ではなくて、
「俺はこう思うから、
 なんとかやってくれよ」
という物言いになっていること。


「まず俺がやる」
という気概を持てるかどうか。
最後はそこに行き着くのかもしれない。


自分は、部下ができてちょっとした
ころから、
「自分でやるという物言い」
をけしてなくしてはいけないと、
ずっと戒めてきたせいもあってか、
その語調というか
肌触りというか、そこの違いが、
大きく感じる。


おそらく、今日話した上司は、
そこのところは、本人自身も
普段気にしていないのだろうな。


討論の具体的な内容については、
もちろん、話したぶんだけの
進捗があったのだが、
自分としては、上記のようなところが
とても気になってしまった。


なんにしろ、
大変勉強になった気がする。
感謝したい。


<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080417
<目に入ったニュース>



>