勇気をもってゆっくりいけ

1日遅れてしまったが、NHkのプロフェッショナル仕事の流儀
今週も大変面白かったので、ちょっと感想を。
今回は時期的にもすごくタイムリーで
オリンピックの金メダリスト北島選手の水泳コーチ 平井伯昌さんだ。


「勇気をもってゆっくりいけ」


北島選手は、200mの平泳ぎの泳法が
すばらしく、その泳ぎを100mに
もってきたという。
100mはスピード勝負ゆえ
ハイピッチでの泳ぎになるが、
それをあえて、
「最高の技術を持っている。それを使え」
という意味でいったものだ。


普通出来まい。


まわりがしゃかりきになって
手足を動かしているところ、
「おまえだけは、ゆっくりやれ」
ということだ。


案の定、準決勝で、最初の50mが
計画18ストロークのところ19ストロークであり、
タイムも駄目だった。
(1位になれず、かつ差が大きかった)


で、上記の言葉を平井コーチは北島選手におくる。


結果、なんと
16ストロークで50mを済ませてしまう。
結果として、
世界新記録での優勝。


(1)技術的に完成されると、そこまですごくなるのか?!
  (2ストローク少なくて、ほとんど一番速いということが
   起こっている!!)
(2)それをオリンピックの決勝で出せるものなのか?!
  しかも前日は19ストロークだったのに・・・


本物の奇跡みたいなものがその場で
起こっていたのだな、と感心した。


それにしても、
「選手には一言で伝える」
をコーチとしてモットーとしているとの
ことだが、
「勇気を持ってゆっくりいけ」
なんてすばらしいアドバイスだろう。


自分はいくらコーチでも、
技術面の最終のところは、選手の方が
ひとつ上にならざるを得ないものと
思っているが、
平井コーチは、
「本当にもっとも早くなる技術がみえていた」
ということだ。


そして、それを信じさせる力もあって、
(つまり本当に「選手の一歩先を行く」
 ことができている)


で、実現してしまう北島選手。


感動した。



PS
ちなみに音楽では、
「勇気を持って力を抜け」
とかかなあ、と思うが、
精神力、技術力とも未熟な自分は、
当然ながら、思うに任せない・・・



<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20070903
<目に入ったニュース>


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