柔道の神様がいいたいこと (8月13日追記)

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谷本は試合後、
「やっぱり一本(を取る)柔道を教えてきてもらったので、
 それを貫いて、これから柔道する子供たちに
 もっともっと一本を取る柔道をしてもらいたいと
 思ったのでよかったです」
と涙と汗で濡れた顔を大きくほころばせた。
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以上、ニュース記事のクリップから。


柔道なんて、オリンピックのときしか
みない自分は、昨日これを聞いた直後は
それほど、この言葉を重くみていなかったが、
一日おいて、谷本選手の記事や、
そのことに関するブログとかをみていて、


実は、柔道の神様がこの言葉を言わせたくて、
谷本選手とデスコ選手についたのでは
と思うようになった。


あまり美しい物言いでなく、
また、柔道を素人の自分が・・・
という気持ちだが、おそれずいうと、
「セコイ柔道じゃ楽しくないよ」
ということだ。


「まともに組んで戦った場合、
 勝てば美しいが、負けることもある」
とした場合、
「勝つこと至上主義」
をとったとすると、
「差し出争いにて、十分な体勢にしない」
「そうしておいて(ポイント争いに持ち込んだ上で)
 どうやって勝つか」
というような、選択がある。
そして、そういう柔道が
少なくない傾向にある。


谷本選手は、
デスコ選手の柔道が好き
であり、デスコ選手も
谷本選手の柔道が好きだそうだ。


それは、
『「セコイポイント争いなどせず、
 一本といえる技の掛け合いで、
 正々堂々と競っていること」
 をお互い理解しあっている』
上での言葉と自分は理解した。


「ただ勝てばいい」
という考えも、それはそれで
否定する気はない。


でも、
「勝ち逃げ」みたいな勝ち方を
しても、相手は、
「本当に参った」
という気持ちを持つだろうか・・・
「うまくやられたな・・・」
という気持ちとやりきれなさが
残りそうな気がする。


一本へのこだわりは、
「柔道の本当の気持ちよさへのこだわり」
なのだと思う。



昨日の谷本選手の記事では、
「デスコ選手と対戦している最中に、
 うれしくて戦いながら笑みがでた」
というのもよんだ。


この
「一本勝ちへのこだわりの美しさ」
「正々堂々技を競い合っている気持ちのよさ」


それを伝えたくて、
柔道の神様は、
谷本選手とデスコ選手の決勝戦
を選び、そしてあの、
相手の力を十分に利用した、
まさしく「柔よく剛を制す」の
電光石火の内股での決着を現したのだと思う。



ほんと、いいものみた。



(以上、8月13日追記)


いや、谷本選手最高だった。
すべて一本勝ち。
準決勝まで、投げ技でなくすべて寝技だが、
いずれも技への入り方が絶妙、
強引にいけるところは一気で、
隙があるところはうまくそれを
利用してと、投げ技に負けないくらい
美しい一本だった。


そして、決勝戦での見事な内股。
相手の技からの返しで、
その技をこらえるところは
多少力が必要だったかもしれないが、
その後は、全く力は必要なかったのでは。
相手の力を利用するというか、
絶妙のタイミングを逃さないというか、
こういうのが、
「柔よく剛を制す」なのかな、
などと思ってしまった。


それにしても、
谷本選手、笑顔がめちゃくちゃ
チャーミングだ。
話す内容も
「廻りへの感謝」
「自分の体への感謝」
で、とてもさわやか。


スポーツ選手の
「やりきったときの笑顔」
これは無敵だな。


なんか、とても元気を頂いた気がする。


今日は、
このほかにも、なでしこジャパン
サッカーもめちゃくちゃ力んでみてしまった。
5−1で勝利!!
GOOD!!



・・・寝不足注意だな。





<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20070812
<目に入ったニュース>
[北京 12日 ロイター]  北京五輪女子柔道63キロ級の試合が12日、北京科技大学体育館で行われ、日本代表の谷本歩実が2連覇した。アテネに続き全て一本勝ちだった。腰痛を乗り越え、これまでの豪快な投げ技に足技や寝技などが加わり多彩な技を身につけた「ニュー谷本」を大舞台で披露した。
 <アテネから全て一本勝ち、北京では多彩な技>
 初戦となる2回戦は横四方固め、続く3回戦は崩れ上四方固め、準決勝でも07年世界選手権王者ゴンザレス(キューバ)を横四方固めで押さえ込んで勝利した。谷本といえば豪快な投げ技。アテネでも豪快な投げ技を駆使し全て一本勝ちだった。しかし4年後の北京に表れた谷本は別人のような柔道で勝ち進んで行った。
 柔道の幅が広がったのは腰痛で苦しんだためでもある。腰椎分離症をわずらい一時は優勝できない時期が続いた。アテネ後の世界選手権では05年が2位、07年は3位だった。腰は完治までには至らず、谷本は「前に近くなったが、近くなっただけで(残りは)何かで埋めないといけない」と以前語っていた。
 「怪我したことによる精神面での成長が大きかった。もともと寝技はできたが、がまんして寝技などの練習をするようになった」と松岡義之コーチは話す。技のバリエーションが広がり、強引に投げるのではなくチャンスをうかがい、その場面に応じた技が出せるようになったという。「今までの派手さはなくなるかもしれないが、地味だけど一本を取る」と谷本はかつて語っていた。
 <一本へのこだわり、デコスとの最後の勝負>
 だが「一本」へのこだわりを捨てたわけではなかった。投げ技と比べ地味ではあるが、準決勝まですべて一本勝ち。決勝戦ではライバルのデコス(フランス)の大内刈りをはずして豪快な内股で一本勝ちした。3回戦以降の相手は全て負けたことのある相手だが、谷本は「一本勝ちでリベンジできてうれしい」と試合後、満足げに語った。
 デコスはジュニア時代から常に決勝で当たり、05年世界選手権と06年ワールドカップの2大会で一本負けしている最強のライバル。デコスの柔道が好きだという谷本。最高の相手と最高の舞台で戦えたことで試合中には笑みも出てきたという。
 谷本は試合後、「やっぱり一本(を取る)柔道を教えてきてもらったので、それを貫いて、これから柔道する子供たちにもっともっと一本を取る柔道をしてもらいたいと思ったのでよかったです」と涙と汗で濡れた顔を大きくほころばせた。


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