1-5  人前で弾くこと

1-2と1-3で、はじめて人前でやったときのこと、あがってしまった経験などを綴った。これは言ってみれば、ライブを始めたばかりのときのことだ。
なんでも最初は楽しい。「未知の自分と会うこと」はいつでも楽しいものなのかもしれない。スキーでのゲレンデデビューもそうだし、ゴルフのコースデビューもきっとそうに違いない。(自分はゴルフはやらないが)
次に1-4では、「ライブが最高に楽しいと思える瞬間」ってどんなだろうということを、特にプロの方々の本からひろってみた。こういう瞬間が得られれば、というか、得られる実力があれば、音楽は本当に楽しいものと思う。こういったライブの楽しさは、不変だろうと思うが、いつまでも初心者でいるわけではないし、プロが体験しているような最高の瞬間がおいそれと得られるものでもない。
では、そもそも、なぜ人前で演奏するのだろう。
自分はクラスタのフリーコンサートで月一回、人前で演奏する機会を頂いているのだが、
「なぜ人前で演奏するの?」
と家内から質問されたことがある。
自分「・・・いや、その方がうまくなるし」
家内「でも、いまさらプロになるほど うまくなるわけないでしょ。」

そのとおりだ・・・・

自分「でも、楽しいから」
家内「一人で弾いたんじゃ、楽しくないの」
自分「もちろん、楽しいよ」
家内「じゃ、なんで人前で弾くの? 人前で弾くともっと楽しいの?」
自分「・・・・・・」

まじめに考えてみると、この質問に答えるのは実は難しい。でも、どんな趣味でもそうだとは思う。

「なんで 山に登るの?」
「何で毎日ブログ書くの?」
「何で毎月ゴルフに行くの?」
「何で毎週草野球に行くの?」
等々。答えはシンプルに、
「楽しいから」
というしかない。

でもこれは答えになっていない。聞いている方は、
「何が楽しいの?」
と聞いているのだから。

この項では、この答えを自分になりに考えて綴ってみた。