-北斎展- 江戸東京博物館

実は、先週の土曜日、だから、19日、
観にいってきた。
そのときはブログでは、メトロノームシリーズを
書いていて、かつ、翌日はクラスタフリーコンサート
で、そのレポート書きも楽しくしてたので、
北斎展の感想はそのときは、書けなかった。


しかし、やはり「すごいものをみた」
という感想をもったので、遅ればせながら、
書いておこう。


展示品は、これでもか!というくらい、
量が多くて、2,3時間かけてじっくり
みたのだが、圧倒された。
しかも、全部北斎色であるが、
例の有名な版画集、肉筆での気合の入った絵画、
そして、今でも文字を現代後になおして
もらえば、めちゃくちゃ面白いだろうと
思われる「漫画」(ほんとにマンガだった)、
踊りとかの教本が紹介されていたのだが、
イラスト、デッサン、
もうほんとになんでもありだ。
「この人は生きることイコール描くこと、
 で生ききった人だ」
というのを強く感じた。


しかも、独特の感性というか、
特殊なものももっている。


特に面白いと感じたのが、
お化けというか、怪物というか、
・・・そう、妖怪か!
こういったものが最高!
説明でも書いてあったが、
よくこういうものが、頭のなかから
出てくるものだと感心する。


そのイメージ力の強さは、他の絵でも
感じられて、鳥瞰図的な視線であったり、
強烈なデフォルメであったりしている。


面白いのは、上記のようなものだが、
こういう才能を持った人だからこそ、
通常の絵も、とても魅力的だ。


あの有名な富士山の版画なんかは、
めちゃくちゃストレートな感性でかかれていて、
バランスとかは、実際に、そういう風にみえたのではなくて、
自分が一番かっこいい、と思う構図で、
不要なものは全部捨てて書いている。
だから、ある意味、模様のようにも感じる。
でも、それゆえ長く、いつでも、
繰り返しみるものとして耐えるだけの
ものに思える。
率直に「自分の部屋に飾りたい」
と思ってしまった。


このような、完璧にみえる構図の絵は、
自分の感性でいえば、「バッハ」みたいに思える。
で、妖怪の絵は現代音楽、(武満徹とか、ぴったりそう)
イラストは、即興音楽、
肉筆画はジャズ的・・・
もちろん、屏風画とかは邦楽だし・・・
ということで、何でもできる巨匠だ!
90歳まで生きて、まだ描くことに納得しきれず、
未練をもって死んだとかいわれているし・・・


でも、自分はこういう生き方にあこがれる。
北斎ほどの才能はないが、
死ぬまで、何かを追いつづけていける方が、
どっかで、悟ったようになるより
楽しいのではないか・・・などと思う。


自分の美術館鑑賞は、
1月は、ムンク展、フランドル派の絵画展、そして
この北斎と3つみたが、
自分が日本人だから、なのだろうか、
「しっくりきた」のは北斎だ。
感動したか、どうかではなくて、
「しっくり」なのだが、(感動はどれも感動した)
これは、
絵の大きさ、大体北斎の絵はA3くらい。マンガはほんとマンガサイズ、や、
筆使いの感じ、色使い、等、
自分が思い描く「絵」に一番近い感じをもった。


北斎展、1/27までだから、
もう1回みにいきたい気もするが・・・
混むだろうなあ、19日でも相当の人だったし。


以上、大満足の北斎展だった。


江戸東京博物館のHPより)/////////////////////////////////
 葛飾北斎(1760〜1849)は、日本の画家の中で最も早く西洋画法に習熟し、独自の絵画世界を作り上げた江戸の絵師です。しかし北斎の作品に魅了されたのは、日本人ばかりではありませんでした。激しいタッチと強烈な色彩を用いて感情を表出した作品を描いたゴッホは、「大好きな日本版画のコレクションをありったけ壁にピンで留めたい」と語り、その筆頭として北斎の名前をあげるほど、北斎の絵画世界に最も影響を受けた人物のひとりといえるでしょう。ゴッホをはじめ、日本の浮世絵が印象派をはじめとした西洋の近代絵画に大きな影響を及ぼしましたが、これ以前、江戸時代より日本の美術や世相、歴史、社会制度、物産などはヨーロッパで紹介されていました。

 最近の研究で文政年間(1818〜1830)、長崎の出島に滞在したオランダ商館長たちは、 4年ごとに行われる江戸参府の時に北斎などの絵師に肉筆の風俗画を注文し、次の参府の際に注文した作品を祖国に持ち帰っていたことがわかりました。当時、50歳を過ぎた頃の北斎の関心は、人物や風俗、動植物などを漫然と筆の赴くままに描いたスケッチ集『北斎漫画』を出版するなど絵手本の制作にありました。 <端午節句>
北斎工房、オランダ国立民族学博物館

オランダ商館長の依頼を受け、北斎やその弟子たちが描いた作品も、江戸の人々の暮らしぶりが描かれています。これらの風俗画は、現在、オランダ国立民族学博物館とフランス国立図書館に所蔵されています。
 そして、今回、オランダとフランス、2箇所に分蔵されていたこれらの風俗画が初めて同時に里帰りすることになりました。特にオランダ国立民族学博物館に所蔵される<節季の商家>、<端午の節句>、 <花見>などはオランダ商館の医官シーボルトが持ち帰ったものとして注目されています。本展では、オランダとフランスに残る北斎の風俗画から、これまで"知らなかった"北斎像を探るとともに、北斎シーボルトの交流にも着目します。そして江戸で人気を博した「冨嶽三十六景」や『北斎漫画』に代表される、版画や版本、肉筆画、摺物など、初公開を含む北斎の名品を幅広く紹介します。 "知らなかった北斎"と"知っている北斎"―、ふたつの視点から迫る本展覧会で、ヨーロッパをも魅了した江戸の絵師・北斎の芸術をあらためてお楽しみください。
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<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20070125
<ギター趣味人>
http://guitar-shumijin.g.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080427
<目に入ったニュース>


<読書記録>
身体を通して時代を読む 甲野善紀 内田樹
世界と人間 おもうままに 梅原猛
読了

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