自然に演じるということ

「自然に演じる」
というのは、どういうことだろう。
考えてみると、結構難しいのかもしれない。


子供が8月にミュージカルに出演するので、
その練習をしていて、
週何回か、ダンスや演技の練習にいっている。
その感想を時々話してくれるのだが、
それが結構面白い。


その中で、考えたのが、
「いつもの自身の性格でいいよ」
というアドバイスだ。


「演劇」の中においては、
あきらかに自分とは違った
人格を演じるわけだが、
役者は台本をもらってはじめは、
その台本の中に描かれている
自分がなるべき役を自分の
イメージで演じ始める。


ここで、
「いつもの自身の性格でいいよ」
というアドバイスだが、
これは、初めて演じてみたその役が、
いつものその役者さんが演じるであろうと
予測されていた演技とは違っている
ということだ。


これは、
「自分のいつもの性格」
という人格自体が、その方が常に作っている
性格なのだ、ということを言っているように
自分には思える。



「いつもの性格」
というのは、その方のオリジナルの性格が、
生きている環境から影響をうけて
つくられたものであるが、
オリジナルの性格が強い場合、
(環境からの影響に左右されにくい場合)
台本を読んでの役も、
あまり普段と変わらなくなるのではと思う。


そんなことを考えると、実は、
初めて台本をもらって、
なんのアドバイスも無く演じたその性格こそ、
その方がオリジナルで持っている性格なのでは
なんてことも、考えられる。
その最初に演じた役の性格というのは、
その役者が頭の中で持った性格のみから
だされるものだからだ。


そういう風に考え直してみると、
子供が話してくれる、稽古での
アドバイスやそれに対する、それぞれの
子供の反応というのが、
実に興味深く聞く事ができる。


こういう練習風景をみるのも
自分は好きなのだが、
さすがにそういう機会はないだろうな・・・


<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20060724
<ギター趣味人>
http://guitar-shumijin.g.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080427