伝統音楽追求型:「いいものはいい!」

禁じられた遊び」、「ラグリマ」、「アルファンブラ宮殿の想い出」、「11月のある日」といった人気曲は、ほぼ毎回に近い頻度で演奏される。
クラスタは演奏者のレベルが高いのだろうか、クラシックでは「大聖堂」とか「魔笛」なんかも人気が高い。
ボサノバだが、「イパネマの娘」とか「ウェーブ」なんかがよく演奏される。
ラグタイムやカントリーブルースなどでも人気曲は結構ある。オールドファンにとっては、中川イサト氏の初期のアルバム曲、それからステファングロスマン氏、キッキングミュール教則本からの選曲などがそれだろう。
こういった「ギター演奏におけるスタンダード曲」はさすがになんども演奏されるだけあって、「いいものはいい」のだ。演奏する方も、その曲が本当に多くの方に演奏されていて、言葉は悪いが、手垢まみれであることも百も承知だ。それでもその曲を弾く。演奏をしてその曲の中に入っていく。いい家具やいい道具に囲まれていると、とても気持ちのよいものだが、こういった演奏はそういった「趣味のよさ」のひとつだろう。趣味はクラシックのような気品のよさ、ラグタイムのようなオールドタイムの良さ、軽さ、いろいろあるが、人気曲はみんなそれぞれの「いい趣味」を持っている。いい音楽を演奏するのは、その趣味のよさを味わうものといっていいと思う。単純に弾いていて気分がいい。その気分のよさは、聴き手の方にも伝わってきて趣味のよい気持ちよさを感じることができる。