対位法

通勤での車の中が自分の音楽を聴ける時間なのだが、クラシックギターのTAB譜本についているCDを聴いた。コンサートで弾くレベルを意図した(従い初級用ではない)童謡などいわゆる伝統的日本の曲を集めたものだ。
クラシックギターのアレンジで、ラグタイムのようなオルタネイトベースではなく、対位法、すなわち2つ以上の旋律が聞こえるアレンジだ。
率直に美しい。でも練習を一生懸命実施して仕上げていく類の演奏だ。即興的な感じはない。そこで考えたことは、「ギターで、対位法で、即興演奏ってあっただろうか・・・」ということ。相当難しいと思う。
ランニングベースというアレンジでは結構ある。ダックベイカーなんか、最たるもんだろう。但し、やはりベース音は、ランニングではあるが、ある程度パターン化されたものだ。
2つの旋律をどちらも歌わせながら演奏することってできるのだろうか。
今年、フィンガーピッキングデーできいた、ミュリエルアンダーソンの演奏が2つの演奏を完全に、自分自身でも聞きながら演奏しているようにみえた。が、どんな思考がなされているのだろう。
昔キースジャレットのインタビューで読んだことがある。(ピアノであるが)「インプロビゼーション中のある瞬間に4つの旋律を一度に演奏している自分に気づくことがある。でも、気づいた瞬間にできなくなってしまうんだ。」天才の言葉だからとても理解できる状況にないが、ギターで2つの旋律にしぼって1曲、いや、小さなフレーズでもいいから、そんな経験してみたいものだ。