クラスタでのフリーコンサートでアマチュアの方の演奏を1ヶ月に1回だが、1年以上聞きつづけていると、確かに聴き方は変わった。プロの演奏にしろアマチュアの演奏にしろライブはやはりライブなのだ。これだけCDが多く出回っており、更にインターネットやケータイ電話でも簡単に音楽が入手できるようになった。だからいまさらライブなどいかなくても・・・という意見もあろうかと思う。でも、いまさら・・・という意見を持っている方に逆にたずねてみたい。
「じゃ、なぜ観劇が継続して公演されているのだろう。テレビで十分ではないのだろうか?」
イエスと答える人がいると思うが、それでも事実として、いまだに演劇は演じられつづけている。やはり、テレビと舞台は違うのだ。
先日、ある新聞で志村けん氏のインタビューが載っていた。
「舞台はテレビの100倍面白い」
やるほうがこうなのだから、これが観る方に伝わらない訳がない。やはりリアルタイムで観客の前に立つ、それを観るということは違う世界なのだ。
さて自分の場合の話に戻すと、聴き方としてなにが変わったか・・・・
ひとつはプロの演奏はやはりすごいということが、シロウトをみることで一段と明確に分かる。相撲を本当に好きな人が、午後3時くらいの幕下からずっと相撲を見つづけるのといっしょだ。普通の自分とほぼ同じレベルの人の演奏を客観的に聴いて、その後でプロの演奏を聴くと、プロのプロたる所以が納得できる。
もうひとつはアマチュアでも誠心誠意、心をこめて演じているものは人の心を打つということがわかる。一言で言うと「一期一会」とか「心意気」とかになろうか。その演奏が演奏という音だけでなく、その人自身をみせる瞬間がある。それを感じるようになった。ミュージカルで
「伸びる子供はわかります」
といった眼力を持った人の意見、わかる気がするのだ。
「誠心誠意の音」
ということで、次の節につづく・・・。