2万円のモーリスギター

正月、親からのお年玉と貯めた小遣いの合計は1万円くらいだった。水戸の駅前に川又本屋という、4階建ての本屋がいまでもあるが、その当時は楽器も売っていて、確か2階のワンフロアが楽器とレコードの売り場になっていた(3階だったかも)。ここにギターを買いに行った。
安いのでは、1万円くらいからおいてあったのだが、どうみても「ジャンク」だ。やはりカタログとかがでているメーカーがいい、と思うがそうなると2万円くらいは必要だった。「お金が足りない。もう少し待とう」そう思った。しかし、なんとそんな自分の状況をみかねたのか、親があとの1万円ポンっと出してくれた。
「楽器とかなら、いいよ」
とのこと。うれしかった。買ったのはアリスが好きだからということではないのだがモーリス。ヤマハでも同じ2万円ものがあってそれも弾いてみたのだが、音がどうこうより、若干ネックがそり気味だった。それでモーリスを選んだ。W20という機種。このW20は2008年のいまでも自分の部屋にある。もう本当に時々しか弾かないのだが、中学2年から31歳くらいまで、このギターをずっと弾きつづけた。いろんな想い出がある。ペグが壊れてしまって修理したり、圧電ピックアップをつけたりした。変則チューニングもやりまくったし、本当に過酷に使った。