先生の効用 

最初に書いたように、自分の意見としては時間とお金が許せば、先生に習うべきと思う。当たり前の内容かもしれないが、その理由を挙げてみよう。

(1)技術が得られる 
基礎を教えていただけることはもちろん、迷ったとき、どんどん聞く事、教わることができる。自分ひとりで悩んで失う時間も少なくて済むだろうし、技術的進歩は早いに違いない。なんといっても技術的な疑問の解決は、目の前でみせてもらうのが一番だ。
「なにかが悪いのだが、それがなんであるのかわからない」
といったような状況についても、第三者、すなわち先生にみてもらうほうが、解決する確率が高い。
一方、こと芸術については、独学をすばらしいこととして扱う方がいる。しかし、自分はあまり賛成しない。独学を尊ぶ気持ちはわかる。芸術関係では、「オリジナリティ」こそがほしいものだから。しかし「厳密には、独学などない」と言い切っていいだろう。
そもそも、芸術とは人の表現を人が感じるものであり、「共感」といった一面をもっている以上、誰かからの影響が一切ないなどという芸術はない。それに、まったくなにも元がなく、何かを作り出せるなんてこともあるはず無い。以上から、独学は、「仕方なくそうなって・・・」というものと考えていて、特にすばらしいものという考えは自分にはない。
それに、技術的な個性というのは、いろんなものを吸収しつくして、(つまり他人から習って)それが、自分の中で熟成されて、「自然にでてきてしまうもの」というのが、本物と思う。だから、可能なのであれば、どんどん先生を持って、どんどん吸収してしまうのがいい。特にプロを目指している方などは、いいものは片っ端から教わりまくって、吸収しまくればいいのだ。

(2) ギターの面白さがわかる 
当たり前だが先生はギターの面白さを知っている。なにしろ職業にしているのだ。そしてそれは、それを仕事としている人、すなわちプロとしての厳しさを知った上でのものだ。ギターは、自分の実感としてもあるのだが、技術的に悩むときもあるが、あわせて精神的に悩むこともある。そういったとき、話せる人を持てるといいなと思う。先生はそういう相談相手となってくれるだろう。というか、先生を持つのであればそういう先生を持つべきだろう。