あがらない人 (自分のブログを抜粋)

昨日、クラスタ田中マスターの誕生日演奏の感想を書いた。今日はマスターの演奏について、どうしてももう1件書いておきたいことがある。それは、「マスターはなぜあがらないのか?」ということだ。本人は「あがってみたい」とのことで、観客が多いステージや、ボーカル入りの方がメインのステージとかにチャレンジしているのだが、全くあがらないとのこと。クラスタ終了した後の雑談では、多くの方が、
「なんか、あがらない方法ないですかね・・・」
という話をしているのをよく聞く。こういう方々にとっては、マスターはうらやましい限りだろう。
さて、自分が興味あるのは、マスターがあがらない理由だ。それは子供の頃からずっとなのだろうか・・・
それとも、ある時期からなのだろうか・・・いろいろ気になってしまう。
でも、一番知りたいのは、 『どういう理由であがらないのか』 ということ。以下、勝手にその答えをいくつか 考えてみた。

(1)技術的にすばらしいから
(2)職業病
(3)精神修養の結果
(4)天才

それぞれについて、マスターが当てはまるかを考えてみた…・

(1)技術的にすばらしいから  
もしご本人に聞けば、まずもって、これはNOと答えると思う。それはそうで、世界で上手い人100人に入っていればプロになられているだろう。だから、厳密な意味でこれが理由ではない。でも、
「人前で演奏する曲について、技術的に不安な要素を失くして演奏する」
「自分の演奏技術を自身で理解し、その範囲内で演奏する」
ということまで含めて演奏技術とするならば、実は、マスターは「冷静に 自分自身を理解した上での演奏」を実現しているのかもしれない。そうであれば、これもすばらしい演奏技術かも・・・なにしろ、昨日の演奏では、
「1曲目の演奏時間は3分、いや、正確には2分59秒です。」
また、別の曲では
「この曲は自分にとっては、通常速度では厳しいので速度を落として演奏します」
との発言があった。実はマスターはめちゃうまなのかも・・・・

(2)職業病  
まず言えるのは、マスターほど、他人、しかも上手い人の演奏を日常的に聴いている人はいないということだ。通常、自分のようなアマチュアにとっては、人前での演奏というのは、「ハレ」と「ケ」でいえば「ハレ」であり、非日常だ。その非日常の場を提供してくださるのがマスターの仕事であるから、この「ハレ」が日常であるマスターにとっては、それはハレではないのかもしれない。自分だって、自分の職場ではめったに「あがる」ことはない。(あがるようでは身体がもたない。)  
でも・・・・そうはいってもマスターは毎日ご自身が演奏しているわけではない。どうだろう・・・

(3)精神修養の結果  
実はマスターは日夜精神修養に励んでおり、強靭な精神力をもっていらっしゃるのかも。昨日、このブログに頂いたコメントにも
「これからも精進します!」
との言葉があった。実は、精神的にすばらしいのかも・・・
クラスタで、一人でいるとき、いつもアイドル関連を聴きあさっているというのは…・仮の姿・・なのかも…・。

(4)天才  
ときどきいる。特にスポーツの世界ではよく言及される。  
例えば、金田投手(400勝した。・・・古い?)なんかは、ピンチになると、顔が紅潮するのではなく、青ざめたそうだ。要はピンチになるほど、冷静にもなったという。西鉄の豊田選手(今、自分が一番すきな解説者・・・古い?)も似たような評価をされている。また、 長嶋(しつこく古い?)なんかに至っては、「あがる」とかいうのは完全に超越している。マスターはこの方々と同等の精神をもっていらっしゃるのかもしれない・・・。

以上、好き勝手書いたが、そのうちご本人に聞いてみようと思う。
なお、今の自分は、ある程度緊張してあがること自体を楽しんでいる。この年になって、どきどきできる機会が持てることはうれしいことじゃないか!と思う。(ことにしている・・・あがる人の言い訳?)
////////////////////////////////////////////////////////
以上が自分のブログ。このブログに対して、マスターから直接コメントを頂いた。

●田中マスターコメント
クラスタ田中です。kiriharaさん連日ありがたい書き込みをしていただき恐れ入ります。
なぜあがらないのか、あまり深く考えたことはないのですが、人に言われてあらためて考えてみました。

■どうせ弾くんだからあがらない方がいいだろうという考え。
あがっちゃうと失敗率が高くなるのでそれまでの練習がもったいない!
見ているお客さんに、あがってるなー大丈夫かなー
なんて同情されるのは恥ずかしいというか申し訳ありません。
つまり、あがっていいことは何もないのです。

■とにかく練習して臨むこと。
とは言っても、練習不十分で本番に臨めば失敗するのが心配であがってしまいます。
あがる最大の原因は練習不足です。目をつぶっても何十回も弾けるくらいになれば、練習だろうが本番だろうが同じ「あと一回弾くだけ」の気持ちで弾くだけ。 だから私は暗譜もできてないような曲はとても人前では弾けません。
また私の場合、お客様が自分の演奏に注目してくれればくれるほど嬉しくなって、気持ちが演奏に集中できてあがらないみたいです。

■しかし・・・ せっかく弾いているのに
誰も聞いてくれてなかったり、自分の演奏が受けてなかったりすると、がっかりしてしまって集中力も途切れ、そういう時は失敗しまくります。 まあそういうのも「あがり」の一種かもしれません。
今後の課題です。

■結論
などと偉そうに書けるほど私はたいしたギタリストではありません。
たとえあがらなくても、あの程度の演奏しか出来ないのではダメダメです。全然練習不足です。
上手い人の本番演奏を毎日のように聴いていると、上手さの天井がどんどん高くなって自分がいくら練習を重ねても相対的にどんどん下手になっていくのを感じます。おそらくは絶対的な上手さは練習をし続ける限りは上がっているのでしょうが、それ以上の速さで天井が遠ざかっているんでしょうねー。
人前で演奏する時は、自分が世界一上手いんだ!さあ聴け!みたいな自信を持って臨めれば一番いいんでしょうけど、この仕事をしてる限りは永遠に無理でしょうヒー。』
(2006/04/12 02:51)
///////////////////////////////////////////
以上、ブログのやりとりから。