一筆の技

資料や図面を受け取ったとき、
担当へは、ライン長を
通して流れていく。


昔、自分の上司には、
そのとき、必ず「一言・一筆」
を書いてくれる方がいた。


その「一筆」
が非常に効果的で、
若かった自分は、それに畏怖を感じていた。


あるときは、叱咤激励、
あるときは、リスクポイントの提示、
あるときは、相談をしやすいように・・・


いずれも、
的確な「技術者の目」と
「自分を育てようとしてくれている」
という気持ちを感じるもので、
自分のやる気を維持するには、
十分な内容であった。



さて、現状の自分だが、
「書いていただく側」から、
「書く側」
へとなっている。


自分もできるだけ、
件の先輩のような
「効果的な一筆」
を常に書きたいものだと
思って取り組んでいる。


しかし、
世はインターネット、メールの時代。
重要な資料や図面も
「ラインを通って」
ではなく、
「担当に直接、ラインには写し」
に変わっている。


そして、この環境では、
「瞬時に一言を書き記す」
という技は、なかなか発揮しにくい。
(メールの返信でも、ある程度できるが、
  PDFやTIFのある部分へのコメントは
   面倒だし、
    紙のように即座に全体を見通す
     ことは至極やりにくい・・・)



いつまでも、昔の技術をなつかしんで
いてもしょうがない。
今の環境で、同様の効果を得られる方向は
なにか?
そしてそれは技にできるだろうか。


いろいろ考えながらの日々だ。




<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20071015
<目に入ったニュース>



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