曙橋バックインタウン インストナイト

初めて曙橋のバックインタウンにいって来た。
今回のGWは家人の手伝いが予定としてあり、
自分は東京へ車を出す予定。
今日も21時過ぎに迎えなのだが、せっかく
東京にいくのだから・・・
と思ってインターネットをみていたら、
本イベントを見つけたもの。


ただ、GW前の仕事の忙しさで、
人前で弾く準備はしていない。
聴くのが好きな自分なので、
聴くだけにしよう、と決めて出発。
ただ・・・
これに以前誘っていただいた、プリンセスピンクさんが
仕切っているのだが、
ピンクさんの性格からして、演奏薦められるだろうなあ、
と思う。
では、と過去のインストナイトの記事を探してみる。
おっ、大体10数人参加している。これなら、大丈夫かな・・・
と思い行くこと決定。
ただ、万が一と思い、自分の譜面集をノートパソコンが
入ったかばんに放り込んだ。


18時からということだったが、
10分遅れぐらいに到着。
地下への階段を下りてドアを開けると、
暖色系の照明がなされた、
小学校の教室くらいの大きさのスペースに
趣味のいい机がきれいに並べられていた。
「いい箱だなあ」
というのが第一印象。
で、
遅れてきたつもりだったが、そのときお客様は
まだ4名だった。
・・・・しまった・・・・
もちろん、その中の一人がピンクさんだったが、
「よくきてくれました。今日、弾くんでしょ」
「あの・・・ギターは持ってきてませんが・・・」
「大丈夫。貸し借りしあうことになっているから」
とのことで、演奏することになった。
まあ、ここで「演奏しない」と言い張るのは野暮というものだろう。


それから、3,40分談笑していたが、
そのなかでiwasawaさんが、つめを痛めており、
悩んでいる、とのことだったので、
自分がそういうときに使用する、
フィンガーピックをたまたま持ってきていたので、
みていただいた。
大変興味を持ったとのこと。
もし、本ブログを見ていたら、以下参考にどうぞ。
アラスカピック
http://soundtravel.net/saisinn.html
PRO PIK
http://www.taurus-jp.com/propik/finger_tone.html


さて、以下簡単演奏の感想。
クラスタのフリーコンサートのように、演奏者と
曲目が明確ではないので、覚えている範囲で。


最初はsuzukiさん、次が
ハンドルネーム鉄道員さん。
お二人は、最初に来ていた4人のお客様の
うちのお二人。
suzukiさんが、バッハのアリア他クラシック曲。
鉄道員さんもクラシックだが、
グリーンスリーブス等少しポップスより
という感じ。
お二人とも、音だしがしっかりしていて聴きやすい。
すごくギターが好きであるのが
伝わってきて聴いてて気持ちいい。
なので、もう少しお客様が入ってから、
他のお客様にも聴いてほしいな、などと思ってしまった。
まあ、
自分は21時で早退したが、その後2巡目があったようなので、
きっといい演奏をされたことと思う。


なお、自分はこの場所が初めてということもあり、
演奏とともに、音響も気になったが、とてもいい感じだった。
マイクどりであったが、音量音質ともちょうどよく、
(演奏聴くもよし、テーブルで話をするもよし、といった感じ)
また、この後、自分もステージで弾いたが、
モニターも違和感のない感じ。
いい箱だ。



次自分だったが、
練習不足に加えて、自分は
「初めての場所での演奏」が苦手。
かつ、「自分のギターではない」
という状況で、予想したとおり、
納得のいかない演奏となってしまった。
このところ、演奏をする際、自分の演奏を
よく聴いて、「その音楽に入り込む」みたいな
ことができれば、納得がいく演奏になるのだが、
今回の状況では、これも予測していたのだが、
「よく聴くと、自分の音に違和感を感じる」
状況となり、これを解消できなかった。
そうすると、
「歌えない(メロディをたたせられない)」
→「右手に力が入ってきてしまう」
→「ミスをする」→「リズムもよれる」
という悪循環だ。
まあ、仕方ない。次回があれば、きっとリベンジを・・・と思う。


次ピンクさん。
ぜひ聴いてみたいなあ、と思っていた
ピンクさん作曲の曲だ。「一過点」という題名。
題目からすると、短めの曲だろうか、と思うが
そんなことはなく、3楽章で、10分以上あったのではなかろうか、
大作だ。
第一楽章、サスペンス風というか、ちょっと現代風というか、
     少し、ラテン系、ピアソラ系の感じ
第二楽章、メジャーコードで、かつその展開が
ゆっくりとしたさわやか系で、第一楽章のカウンター
になっている。
第三楽章、また、第一楽章の雰囲気に戻るが、
今度は低音弦での重厚なメロディー。
それに1,2弦をドローンとして使い、かつ
これを細かく刻むことで、低音弦でのメロディーとの
対比を作っている。
この低音弦でのメロディーの合間に、
高速のスケール上下降が入れ込まれる。


自分としては、この3楽章がよかった。
弾いていて、すごく気持ちよさそうだ。
気持ちよさそう、といってもメロディーは
重厚なので、なんていっていいかわからないが、
ピアソラの曲とかを弾くときの気持ちよさ」
みたいな感じといえば、いいだろうか。


なお、この曲は曲としても演奏としても
「現在進化中」
と思う。今後また聴ける機会を楽しみにしたい。


次、名前は失念してしまったが、
鉄弦での「エンターティナー」
オリジナルアレンジ。
実に凝ったアレンジがなされており、また、
演奏の方もしっかりしていてよかった。
「このごろこればかり弾いていた」
とのことだが、そうだろうと思う。
いい演奏だった。


次、takaさん。
相変わらずMCが楽しい。
直前の4,5日九州に出張であったとのこと。
では、ギターの練習不足か、というとさにあらずで
ずっとギターを連れてまわったそうだ。
かつ、「夜の席」で活躍されたそうなので、
そういう意味で、「練習十分」な状況だった。
で、その状況にたがわない、いい演奏だった。
世界の車窓から」「明日へ架ける橋」
の2曲だが、ご自身の演奏をじっくり聴けており、
そこから自在に音質、間などを楽しんで演奏されている。
・・・自分もこういう演奏がしたかった・・・
そう思った。
いい演奏でした。


gakiさん。
現代曲風の曲3曲。
MCが聞き取れなかったが、オリジナル曲だろうか。
なかなか面白い曲だった。
(「迷宮への・・・」とかいう四重奏の曲を
 ソロでアレンジしなおしたとかおっしゃっていたが・・・)
この方は、音が大きく明瞭。
特に、曲想から音を大きくする部分において
気合で音を出しているのが伝わってくる
演奏だった。


nakamuraさん
鉄弦だが、これは、マーチンのシングルO、
もしくはダブルOだろうか。
小ぶりで可愛いギターだ。
で、
その小ぶりのギターのおいしい音が
十分活かされた演奏。
中川イサト氏の曲です」
とだけ紹介されたが、たしか、
「○○の夜は更けて」だったっけ?
ラグタイムの軽快な曲だ。
「まだギターを始めて日が浅い」
とかおっしゃっていたが、そんなことを
感じさせない、実にしっかりした演奏だった。
自分もイサト氏のラグは好きで弾いているので、
とても親近感をもってしまった。


yoshida ariさん
女性の方だが、大変お上手だった。
右手左手ともとても脱力されていて、
かるーく弾いている感じなのだが、
しっかりした音がでてくる。
で、MCでは、運指を研究しているといっていた。
演奏に細かく取り組んでいらっしゃる方なのだろう。
ピンクさんにすごくお上手な方ですね、
とお名前を教えていただいたのだが、
ピンクさんと同じ先生に習っている(た?)方
とのこと。
・・・・ぜんぜんタイプが違う・・・・


同じ先生に習うと、右手とかは似てきてしまいそうな
気がするが、
「まったく自由にさせてくれる先生」
とのこと。すごくいい先生に違いない。



shinozakiさん
右手のピッキングが強い。
で、選曲は「ブエノスアイレスの夏」。
選曲と奏法があっている。
ビール一本飲んでの演奏にチャレンジ、
とのことであったが、
車で来ている自分はちょっとうらやましい。
楽しい演奏でした。


kawazoeさん、yoshidaさん
鉄弦ドレッドノートサイズのギター2本もしくは
1本フラットマンドリンという、カントリーウエスタンタイプ
の演奏。
ビクトリーラグとか、ずばりの曲目で、
楽しめた。
「ナイロン弦、クラシックがメインのところで、
 このような演奏、ちょっと気が引けますが・・・」
とおっしゃっていたが、自分としては、
大歓迎で、いろんなタイプが演奏されたほうが
楽しめる。
自分も鉄弦でラグとか演奏すればよかったな、とか
思ってしまった。


kanaiさん。
安定している。
つい2週間前クラスタで演奏されていたものと
同じ曲目だったが、そのときより、
「よりメロディーをしっかり弾こう」
という意識付けがなされていたように感じた。
特にホールアンドオーツの曲。
そのほかにも、前回と比較して、
のところがあったので、
ゆっくり話を聞きたかったところであるが、
今回はできなかった。そのうち機会あることだろう。


tanakaさん
鉄弦だが、大変うまい演奏。
1曲目はランニングベースを弾きながらの
難易度の高い演奏だが、
「一生懸命弾くだけ」でなく、
音楽的な表現もばっちりで実にかっこいい演奏。
トミーエマニュエルとかが頭に浮かんでしまった。
他スローの曲も実にいい歌わせ方。
ちょっと自分として、家人との
連絡のため、席をはずさざるをえなくて、
途中聴くのが抜けてしまったのが残念。
またどっかでぜひ聴きたいと思う演奏だった。


最後、takahashiさん。
佐藤正美氏の曲2曲とバーデンのイパネマの娘
すばらしい演奏だった。
4/20のクラスタで聴いたとき、
佐藤正美氏サンバエテルノは練習中であったが、
ほぼ完成に近づいていた。
2週間で、これほど纏め上げてくるtakahashiさんはすごい。
最後のイパネマは、もう、芸の域で、
ため息がでた。
それとギターの音も最高。
こういうステージ、マイクだと、
そのことが一層感じれる。
いい演奏でした。


以上、演奏の感想。
GW中の休みということもあり、じっくり
書いてしまった。


なお、自分は演奏中、その演奏が聴きたい
ということがあり、あまり話をしない。
なので、話は演奏終了後に楽しむ。
特に今回のように、初めてお会いする方が
たくさんだったので、是非ともお話を
したかったのだが、
早退してしまったので、この点が大変残念。
まあ、仕方がない。
また、今後こういう機会が持てたときに
期待することにしよう。


5/2追記

takahashiさん、コメントどうもです。
takahashiさんのギターの音色を言葉で
説明するのは、難しいでしょうね。
質問された方はどう答えていいか、悩むのでは、
と思います。
以下、自分からの回答ですが、
聴こえ方、表現の仕方は人それぞれですので、
あくまで、kiriharaの印象としての
お答えです。


takahashiさんのギターの
印象としては、
(1)とてもコントローラブル
(2)音色はすっきりしている
(3)音の立ち上がりが速い
以上です。
(いいギターに共通している、音が大きくでる、
 というのはもちろんで、音色として)

まず、特徴として思うのは、
「すっきり感」というような感じ。
バーデンとか佐藤さんとか、
ボサノバ特有のテンションコードが
とてもきれいに響くのが印象的です。
ものすごくクラシックっぽい音だと、
音の立ち上がりの深みが多すぎる、
重くなりすぎる、と感じるときがありますが、
これが非常に小さい。
しかし、じゃあ、フラメンコのような
立ち上がりも速い代わりに減衰も速い、
「枯れた音」「表板がめちゃくちゃ軽い感じ」
かというと、それともちょっと違っていて、
フラメンコギターよりは、芯のある(重みのある)音です。
このすっきり感は、人によっては
気に入らない方がいるかもしれません。
悪い言い方をすれば、
「癖(特徴)がない」とか、
「深みがない」
とか評価する方がいるのでは、と思います。
しかし、この音質は音の立ち上がりが速いことも
合わさって、
ものすごく弾きやすく感じると思います。
カニカルな演奏が好きな方には、
評価が高いのではないでしょうか。
例えば、
10弦ギターのkimuraさんなんかは、
このギターの評価はすごく高いのではと思います。
一方、funatogawaさんのような、
音の立ち上がりに「重厚さ」を求めるような
タイプが好きな方には、いまいちかもしれません。


で、takahashiさんが追っている音楽が
バーデンであり、佐藤正美さんであるのであれば
ベストのギターと思います。


バーデンのイパネマのあの高速コード奏法に対して、
これだけ着いてくるギターはなかなかないのでは・・・
(フラメンコギターを選んだほうがいいかもしれません)
普通のクラシックギターでは、音がまとわり着いて、
輪郭がぼやけたものになると思います。


以上が自分の感じです。
takahashiさんが持っている印象と
違っているかもしれません。
音色の評価、表現は、むずかしいですね。


takahasiさんが、どのように感じられているのか、
(演奏するほうとしては、どのような感じなのか)
もしよろしかったら、お聞かせください。



<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20070501
<目に入ったニュース>
パス。

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