手工品:美しい道具

現状、手工品のギターは持っていないから、憧れの気持ちとして綴ろう。
自分は、本当にいい道具というのは、その持ち主の生活全般に影響を及ぼすものと思っている。質のいい万年筆は、よし使おう、文章を書こう、という気にさせてくれる。いい運動靴があると、つい外出し、運動したくなる。本当に使わなくても、飾っておきたいと思うくらい美しい道具は、それを見たとき、気持ちを動かしてくれる。机の上にグリッパーという握力を鍛える器具を置いている人がいる。そういう人は、いつもいつも暇を見つけて握っているかというと、そういうわけでもない。(そういう人もいるとは思うが…)置いてあるのをみることで効果があるのだ。時々それが目に入ったとき、「体を鍛えよう!」 という気持ちを得るのだ。その効果はけして小さくない。
美しい道具にはそんな力があると思う。
美しいギター、弾きやすそうなギターは、思わず手にとって弾いてしまう。そして、その音色、製品としての質感などは、ギター好き故とても敏感に感じてしまう。手工品のの丁寧なつくり、そしてそれゆえ生み出される美しい音は、弾き手と一体になって弾き手の個性を生み出していくことだろう。いつ見ても美しいと思え、いつ弾いても美しい音と思えるギター・・・いつか、手にしてみたい。