フィンガーピッキングコンテスト感想

レベルの高いコンテストだった。
今回トップになったTANAKAさんは、
とにかく楽しそうだった。
コンテストでは、
「毎回弾いてきたように弾く」ということ
ができれば及第点と思うが、
それを突き抜けて、
「全く新しい演奏をしよう」
「気分がのれば途中で発展させてしまったっていいじゃないか」
くらいの思い切った演奏がいいのかなと
思ってしまった。


そんなことに考えが至るような、
技術的な良し悪しもさることながら、
「思わず引き込まれてしまう」
という感じを一番もったのがTANAKAさんの
演奏だった。
おめでとうございます。


その他賞をもらったかたも、
概ね納得できた。


特にすばらしいなと思ったのが
YANAGITAさん。
50歳を超えての受賞者。
この演奏も、上手い下手ではなく、
「語っていた」演奏。
いい味だった。
それと、音色が秀逸!
なんていうギターだろう。


その他気になった方の感想//////////////
SIYOHさん、TANABEさん
いずれも、技術的にすばらしいのだが、
自分は、いずれの方の演奏も
生とCDで聴いていて、そこからすると、
「本来のベスト演奏は、もっと熱いはず!」
との感想を持った。


聴いていた人の感想を聞くと、
「すごい上手」
との感想がでていたが、お二人の
本当の出来であれば、
「すげー熱い演奏!」
という感想がでていると思うのだが・・・・
大変惜しいと思う。


SIYOHさんご本人は、演奏後、相当落ち込んでいた。
しかし・・・・
相当落ち込む演奏であの出来なのだ。
本来の演奏がでていたら・・・
と自分は思う。


TERUIさん、ITOHさん
「演奏中の音色の変化のさせ方」
という観点では、この2人はすごい。
TERUIさんの右手位置の変化のさせ方、
ITOHさんのナイロン弦、鉄弦両方での
鳴らし方、
自分もこういう風にならしてみたい。


GINさん
高い位置にフレットをつけ、
ブライトな音色とし、
左手のビブラートというかチョーキング
使っての表情だしがよかった。
いろいろ他の曲も聴いてみたいという
感想を持った。


MATSUEさん
GINさんと同様、曲の「歌わせ方」が
絶妙。けして難しいことをしているわけでは
ないが、感情がでている演奏であれば、
ここまで聴かせることができると
いう意味で、自分は、励みになるものを
感じた。

ただ、GINさん、MATSUIさんの演奏は、
一見、簡単そうにみえるが、
右手の各指での微妙なタイミングずらしや、
左手のスライドなどがすばらしく、
「なかなか真似できない表情付けのテクニックがすごい」
という意味では、難しい演奏とも思う。



OHNOさん
クラシックの確かな技術がある方
なのだろう、音の鳴らし方がよかった。
ちょっと小さめのギターにみえたが、
自分の好みではこの音が
今回一番好きだったかも。


YASUDAさん
2位だった方。
男はつらいよ」はよかった。
歌っていた。
でも、2曲目の高速アルペジオの曲は
自分では、あまりよさが分からず・・・。
自分は全般的にクラシック系の高速アルペジオ
のよさがわからない・・・ので、
あまり言及できず。


MIZUKIさん
クラスタでも何回か聴いているが
この方は、なんといっても、その作曲能力だろう。
どっから、あんな曲作るのだろう・・・
いつもそう思ってしまう。
クラスタで直接聴いたときは、
「まずエレキのやわらかい弦で・・・」
とか言っていたが・・・
CDほしいなと思う。(売り切れ中とのこと)


他にも、みなさん、すごい方ばかりだった。


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ゲストですごいと思ったのは、
中川イサト御大。


特にすごいと思ったのは、
紙テープを使っての(本人は「飛び道具」といっていたが)
音色を筝のように変化させる技。


60歳の還暦(おめでとうございます!!!)
を超えて、いまだ進化しつづけている。
驚愕だ。


しかも、
音楽にとって一番根っこの部分である、
「音色」をココまで追及してくるとは・・・
音色から曲がインスパイアされているのが
わかる。いい曲ばかりだった。
ほんとに、すごくいい音色、自分の「心の琴線に触れる」
音色だった。
素直に、真似してみたいし、
次のアルバムは買おうと思った。


以上楽しいイベントでした。



PS
昨日までの疲れで、即帰りダウン・・・
爆睡した。(熱も多少あったみたい)


本当はいろんな知人が来ていたので、
もう少しお話できればよかったのだが・・・。



<昨年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20060407