■20190720(土)第203回クラスタフリーコンサート

今回も最高に楽しめました。

田中マスター、ならびにご参加の皆さんに感謝申し上げます。

以下、感想です。

なお、演奏者、曲目については、クラスタのホームページから頂いております。ありがとうございます。(N:ナイロン弦、S:スチール弦、M:マンドリン

 

マンドリンみかちゃん 横須賀市(M) マザーネイチャーズサン、インマイライフ、アンドロメダ

マンドリンが好きすぎて、休日演奏していると、

 1時から演奏して、気が付くと5時とか・・・」

とのMC

演奏は、そういう気持ちとその練習が十分に伝わる内容。

1曲目は、シングルトーンでの演奏で始まって、

音が思いのほか小さいかな、と感じ、

たどたどしい演奏になってしまっている?

と一瞬思うも、まったくそういうことはなく、

どの音もしっかり出されていて、かつ、

きちんと表現された音。

ほどなく自分の耳の方が慣れて、気持ちよく

聞けるようになった。

自分としては、2曲目、3曲目がよかった。

2曲目の途中のバロック風の間奏部がマンドリンにピッタリ。

また、3曲目は、曲自体すごくよくて、

演奏に引き込まれるような感覚になった。

また聴きたい。

 

浜川さん 川崎市(S) タピスリー、ウィズアウトユー、ユアソングハナミズキ

前回同様、鉄弦のサイレントギターの演奏。

例の帽子も前回通り。

演奏の方は、1曲目は、オープンチューニング(DADGADかな)

3拍子の曲。

オープンチューニングの響きを活かした、

流れるような演奏。よかった。

2曲目、3曲目は、

「鉄弦では、こういうアレンジで、こういう風に

  弾くと、かっこいいよね」

のそのとおりの演奏。

次のハナミズキも含めて、岡崎リンテンさんのアレンジと

とのことだが、歌いまわしが、しっかり浜川さんの

モノになっていた。

 

ブラジリアン八木さん(N) Caminhos CruaodosNaqueles Velbos TempsGraunaLuiza

前回は7弦ギターだったが、今回は6弦ギター。

で、ヤコピ!!!

まずもって、この音が最高によかった。

そして、演奏の方もすばらしかった。

今回は、

「サンバテイストでなくて・・」

とのことで、しっとりしたボサノババラードから。

ボサノバのふわっとした柔らかさと

軽快さがとてもよくて、他の人にも、

ボサノバってこういうのがいいよね、と

思わず聴かせたくなるような演奏だった。

 

2曲目の前に、そのMCが興味深かったのだが、

「いつもは弾けるようになってから、半年は

 寝かせて自分のものにします」

とのこと。

なるほど。

たしかにいずれの曲も完全に自分のものに

して演奏されているなあ、と納得。

(自分は、とてもそういうふうにはできないだろうな)

という八木さんだったが、しかし、次の曲は

「そこまで寝せることなく、ここで演奏したいと思った」

とのこと。

その演奏だが、演奏自体は、ほとんど完全に

弾けているように聞こえるすばらしいものだった。

ただ、MCでおっしゃっていたように、

「完全に自分のものにはしていない」

というところも、感じられて

自分としては、それはそれで、新鮮でよいのでは、

と思う。

まあ、「八木さんの、すごーく高いレベル」での話で、

自分は別世界だな。

 

ウォーターロード宇田川さん 中野区(S) トトラの島、タイムアフタータイム、打ち上げ花火

宇田川さんのトトラの島は、4月からずっと

聴いているが、今回がいままでで一番いい演奏だった。

一番前の席にすわって、一人目の演奏からずっと

自分のギターを抱えて待っている状況で、

気合が入っているのが伝わってきた。

最初のメロディーを短音で弾く部分においては、

ちょっと気負い過ぎかな、という感じであったが、

その集中力を最後まで切らさずに弾き切っていた。

よかった。

2曲目は、1曲目をちょっと引きづってしまって

いるような感じとなってしまい、11音を

しっかり、という気持ちがちょっと強過ぎかな、

という感じ。

結果、曲の軽快感がでてきていなかった。

もう少し軽く、リズムキープの方を優先

させた方がよいと思う。

 

フラメンコ井端さん 杉並区(N) アレグリアス、マラゲーニャ

毎回フラメンコの演奏をされているが、

今回は1曲目がよかった。

11音クリアで、はっきりした演奏。

喜びを意味する曲とのことだが、

その感じがよく出ていた。

 

2曲目は、「クリアでない音」

が混ざってしまうところが残念。

左手の押弦がうまくいっていないのかも。

クリアな音が出しにくいところが、

演奏上、同じようなところで出てきてしまっていた。

ここが改善されると、ずっと聴きやすくなると思う。

 

ビラ松尾さん 国分寺市(N) 練習曲5番(ビラロボス)、ショリーニョ(同)、ショーロス1番(同)

今回もすべてビラロボス。

で、1曲目から、やっぱりビラロボス。難しい。

自分にとってはそういう状況なので、

やっぱり3曲目のショーロス1番が聴きやすい。

しかし、松尾さんとしては、ショーロス1番は、

すべて手癖的に弾ける、という状況なのかも。

そういう演奏に聞こえた。

なので、裏返すと演奏としては、1曲目、2曲目の

方のチャレンジ感が感じられる演奏も、

毎回の比較で聴いていくと面白いかな。

 

霜田さん 横浜市(N) 酒とバラの日々、愛は夢の中に、ドリームカムトルゥー

おひさしぶり。

5年前も、トミーエマニュエルのドライブタイムを

ライブバージョン完コピにチャレンジするなど、

すごかったが、その勢いでずっと弾いているのだな、

というのを十二分に理解できる演奏だった。

1曲目の酒バラから、いい演奏だった。

ルバートから入って、インテンポの4ビートに

入っていく、ジャズギターの王道の演奏だったが、

アドリブが随所にビシバシ入っていて、スリリング。

次の「愛は・・・」はカーペンターズの名曲だが、

サンバ(速いボサノバ?)テイストのアレンジが

実にかっこいい。

最後はアールクルーの名曲。

こちらもゴキゲンな演奏。聞き惚れてしまった。

また聴かせてください。

 

ゴジラ佐々木さん 国立市(N) ゴジラの指ならし、ゴジラのテーマ、地球防衛軍のテーマ、モスラの唄

(「ゴジラ指慣らし」は、「ゴジラトッカータ」)

譜面台を横に5台。で、椅子もその前に

移動できるように2つならべての演奏!!

自分としては、よく知っている、

ゴジラのテーマ」ならびに、「モスラの唄」

がツボだった。

この曲をこういう風に弾けたら、

さぞかし楽しいだろうな、と感じずにはいられない。

アレンジとしても、この2曲が出色。

特にモスラの唄は、ギターならではのおいしいアレンジ

だ、と思ってしまった。

(でも・・・自分には難しすぎるかな)

最高に楽しい演奏でした。

 

自分: 横浜市(N) 夢の途中、夢芝居、夢想花、デイドリームビリーバー

上述の通り達人といえる方お二人の後だったので、

どうなることか、と思いもしたが、

思えば、クラスタでは、いつもそうだし、そうだった。

 

さて、今回のテーマは夢。

演奏の出来としては、ちょっと1曲目が失敗。

4曲やるには、ちょっと時間が・・・と

思ったので、いずれの曲も、途中で一部バイパスして

端折ったのだが、その部分で、演奏が飛んでしまった。

他も、細かい失敗はたくさん。

しかし、それもいつものこと。

全体でなんとか表現できればいいか、と思って行こう。

それにしても、「みんなが知っている曲」

というのは、すごくやり易くもあるし、

やりにくくもある。

しかし、今現在は、そういう選曲を含めての

演奏が楽しい。

 

・・・・・さて・・・

・・・来月は何をテーマにするか・・・・

 

ラグタイム北村さん 江東区(S) Great Dream From Heaven、ソラス

「すごく体調が悪いので、癒し系がテーマ」

とのMCでスタート。

(若い方との会合で飲みすぎとのこと)

「で、こういうギター曲を弾いていると、調子の悪いのが、

  すっと楽になりました」

と。実にそういう演奏だった。

 

1曲目の「Great・・・」は、昔、自分もハマった曲。

ライクーダーバージョンと、中川イサトバージョンを

練習したなあ、と懐かしくなった。

北村さんの演奏は、本当に「癒し」そのもので

1曲ずっと演奏に乗っかっているような感じに

なり、気分がよかった。本当に癒し系だ。

 

2曲目のソラスは、サブタイトルが

メキシカンセレナーデとのことで、こちらも

癒し系。

ただ、こちらは目をつぶって曲だけ聞くと

本当に癒し系なのだが、実際の演奏は、

左手が特にストレッチの連続で、おそらく

「聞くのと弾くので大違い」

の曲なのではと思う。

こういうのが、さらっとリラックスした感じに

弾けてしまうのがすごい。

いい演奏でした。

 

優勝箭田さん 国分寺市N) マドゥルガーダ(ジョンウィリアムス)、ソナタロマンティカ第2楽章(ポンセ)、アンダンテBWV1003(バッハ)

箭田さんも、「癒し系」とのことで、

ゆったりとした曲を選曲されていた。

自分としては、これが大変参考になった。

特に左手。

自分はフォークギターのコード弾きでスタート

しているため、左手がバタバタと

「次のポジション」と探しまわってしまう感じ

なのだが、箭田さんをみていると、

「左手でピアノを弾いているよう」に

みえる。すなわち

「右手で弾く瞬間に左手も音を出すポジションに」

となっていて、右手左手が本当に一体となって

音をだしている感じ。

なるほど。自分もこういう風に弾きたいな、と

思ってしまった。

練習してみよう。(多分難しいが・・・)

ということで、演奏の方は、11音が

表現されていてすばらしい演奏。

みなさんの演奏後に、他の方と会話されていたが、

右手の弾く位置でのトーンコントロールもしている、

とのことで、そういう細かいところまで

表現されたすばらしい演奏だった。

なお95日にリサイタルをされるとのこと。

(詳細はインターネットで見れるとのこと)

 

YLトミー中村さん 新宿区(S) Digger's waltzOne Christmas Night

今回から、名称にYLが付きました。

 

「今回は新曲なので、とても心配・・・」

「みなさんすばらしい演奏なので、自分大丈夫か・・・と心配」

といったMCがまず3分くらいあっての演奏。

しかし、演奏に入るとそういうことはなく、

2曲ともしっかり曲の雰囲気がでていて、いい演奏でした。

ご本人が心配するのは、これまでずっと取り組んできた、

「アンジェリーナ」が相応のレベルに到達したので、

それと比べてしまうからなのでは、思う次第。

アンジェリーナでうまくなったところは、

今回の新曲でも、間違いなくプラスになっていて、

明らかに演奏力のベースの部分が底上げされているので、

もっと自信を持って演奏していいと思う。

 

2曲目の最初のハーモニクスの連続の部分があるが

すべての音がしっかりでていて、ご本人のMCとは違って、

しっかり練習していることが、よくわかる。

なので、繰り返しになってしまうが、

自信を持って楽しい気分で弾けば、もっとよくなると思う。

 

あと、すごくこのレポートを気にされておりましたが、

素人の勝手な感想ですので、あまりお気になさらないように。

(なにかお心障りのところあれば、修正削除しますので、

 ご指摘ください。)

 

吉村さん() あざみ野(N) ソルの5番,6番、BurreeSinple song

クラスタでの演奏は初めて、で、こんなに

弾けてしまうのはすばらしい。

アメリカにいって30年」

アメリカでもオープンマイクに参加していた」

とのことで、なるほど、場数を踏まれているのだな、と納得。

演奏としては、最後の佐藤ヒロカズ(すいません、漢字忘れた)さんの曲がよかった。

メロディーがしっかり歌っていて、吉村さんの歌心が

伝わるような演奏だった。

3曲ともだが、音が11音クリアでのびやかな演奏だった。

 

と、記載しつつ、

目でみていて、右手親指に力が入りすぎていて、

低音弦の弾弦がバタバタしていたりというのが

見て取れたので、

「実は、相応に緊張していた」

とも思う。なので、

「慣れて緊張がまったくなくなった演奏」

もぜひ聴かせていただきたい。

 

志原さん 新宿区(N) アラビア風奇想曲、タンゴアンスカイ、最後のトレモロ

今回、すごく力が抜けていて、かつ、

ご自身を客観的にみている演奏ですごくよかった。

途中で、自分がミスすると、自分で自分を苦笑いする

ような状況。

観客の木村さんから、

「すごく余裕がでましたね」

の一言があったが、

「疲れているだけですよ」

との応答。思わずみんなの笑いになったが、

実際そのあとに続いたMCより、本当にそうだったのだ、と納得。

「・・・とのことで、クラスタに来る前に 

  7時間くらい演奏しています」

とのこと。

なるほど。

「野球のスイングは、疲れ果てて、ふらふらになった

  時が一番いいスイングになる」、

というのを聞いたことがあるが、これのギター版だ。

 

演奏は本当にそういう感じで、自分の身体(指)が

疲れて動かなくなっているのをやれやれ、と

感じながら、それでいて、しっかり弾いてやろう、と

いう集中力をもっての演奏だった。

それと、これもMC

「緊張すると、曲がまっしろになりかけて、

  それを頭のなかで払拭して・・というのを

    続けていた」

とのお言葉もあったが、これも聴いていてわかる演奏でもあった。

そのうち、と思うが、志原さんの

「まったく緊張していない自宅通りの演奏」

というのを、聴いてみたい。

 

アンプラグド鈴木さん 小平市(S) スモークオンザウォーター、ゲゲゲの鬼太郎

自分としては、以前何度も聴いていたが、

4年ぶりに戻ってきてからは初めて上述の2曲を聴いた。

4年前よりはずいぶん余裕がある。

すこしお酒が入っていたので、少しハイに

そして少しフリーな感じの演奏であったが、

演奏自体はしっかりしたものだった。

場数としては、ずいぶんな数を経たのだろう。

なお、「かぐや姫をやろうかな、と思っていた」とのこと。

こちらは次回かな・・・期待したい。

 

コレクター木村さん 狭山市(S) (ギターに関するうんちく)、朝ドラのテーマ(スピッツ)、鐘の響き、年下の男の子

今回は、

1931年製C-2というマーチンのアーチトップギターを

  2年前にジョン・グレーベン氏がフラットトップに改造したギター」

という、なんともマニアックな1本。

自分も弾かせて頂いたが、不思議な感じのギターだった。

ぱっと見た目は新しいギターで、

新しいギターの音がでてくるか、と思いきや、

結構乾いた(年数を経たような)音がでてくる。

ギター自体として、もった瞬間に「かる・・・」と

驚く状況。

後ろから見ると、ハカランダのすごい材が使われている。

 

音は、中低音域に膨らみがあり、

この音を活かすようなギターリフとかがハマる。

(志原さんが演奏後に実にハマった演奏をしていた)

一方、高音部は全く癖が無い。

この点は前回お持ちくださったギブソンと対照的。

 

毎回、木村さんには、このギターを弾かせて頂くだけでも

ものすごく楽しい時間を頂いている。

ありがとうございます。

 

演奏は、4月からずっと感じているのだが、

4年前と比べて、明らかにリズムがしっかりしていると思う。

今回の3曲を聴いて改めて、それを感じた。

 

今回聞いてて、実に自分勝手ではあるが、

「鐘の響きを、いま木村さんがもっている3本のギターで、

  続けて聴いてみたい」。

とか、思ってしまった。

もちろん、3本のギターを持ってくること自体が

できないであろうし、そういうのを聴きたい、

というのも、自分くらいであろうから、

無理な注文だが、そういうのが、楽しいものに

なるのでは、と思ってしまうような、

この3か月のギター3本、そして木村さんの演奏だった。

 

以上、今回も楽しかった。

 

また、次回もよろしくお願いします。

 

 PS

4年(もっと前か)本フリーコンサートの

常連だった、村上さんが、聴きに来られて、

カウンターでお隣に。

いろいろお話をさせて頂いた。

来月は、フリーコンサートに参加するとのこと。

こちらも楽しみだ。