「本を書く」アニー・ディラード著読了

アニーディラードは、1945年米国生まれの女性小説家。
ピュリッツァー賞を受賞している方だ。


こういう物書きの方が、
「本を書く」
という、本を書くときの種明かしみたいなことを
書いているのかな、との興味から
読んでみたもの。


読んでみると、全く想像と違っていた。


この方は、物書きが好きではなさそうだ。
どう贔屓目に見ても
愉しんでいるのではなく、
もがき苦しんでいる、とみえる。
英語でいえば
struggleというところか。


で、小説家・・・・。


この感覚は、ちょっと前、感じたものと同じだ。


そう、走ることを生業としている
スコットジュレク氏の
「EAT & RUN」の走っているのと
同じ感覚だ。


ジュレク氏に対して、
これだけ走れば、プロだよな、と思ったが、
同じように、ジェラード氏に対して、
これだけ、葛藤するのなら、プロだろうな、
と感じてしまった。


欧米人って、そういうのりなのかもしれない。


ちょっと比較してしまったのが、
村上春樹氏。
走る小説家、だが、走るのも書くのも、
無理はしていない。
極めようとしているが、極めるために
通常時の体力と精神については、健全さを
保とうとしているように感じる。


自分としては、村上春樹氏の方が
やり方としては、賛成できるかな。


しかし・・・・
その葛藤から生まれてくる文体は、
ハードボイルドで(女性だが、こういって差し支えないと思う)
精緻で、それでいてユーモアがきいている。


こういうのも、かっこいいとは思う。


なかなか、面白かった。


ちなみに、「美」に対してこだわりを
持っている方とのことだが、
想像するに、自分とは、全く違った感性の方だと思う。



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