#126クラスタフリーコンサート

今回は、20分くらい前にお店についたのだが、
すでに席が半分以上埋まっていて、
CDかけているのだろうか、と思うような流麗な
ギターがBGMとなっていた。
久しぶりに15名の演奏者とのこと。うれしい。


しかし、聴き終わった感想を先にいってしまうと、
今回の演奏はうまい方ばかりで、
感動したのと同時に、
「うまいってなんなんだろう」
と思わず思ってしまった。
それをマスターに言ったら、
「私なんか毎日なんで、もう、わけがわからないです」
とのこと。


その気持ちがよくわかった・・・。


いつものレポートを。


nishimuraさん(初) 中野区(N)
レフトアローン(ウォルドロン)、ドントエヴァゴーアウェイ(ジョビン)、マズ
ルカ(ビラロボス)、やさしさをこめて
お店に来た時の「流麗なギター」は、nishimuraさんが弾かれていたもの。
丹精なクラシック演奏で、上手だなあ、と思って聴いていたが、
着ていた服は、紺色のキャップに、ベージュのセーター、
そしてジーパン。
どっちかというと、ジャズなんかが
似合いそうな方だな、という印象。
こういう方でクラシックがうまいなんて、かっこいいな、
と思っていたが、
「初めてなので」
とMCの後で、始まった演奏が、いきなり
レフトアローン」。
激渋のかっこいいジャズ演奏。
もろ、服はマッチして見えてしまった。
しっかりしたテーマの後、アドリブまで入っていて、
かっこいい。
そのあとの曲も、バーデンバージョンのボサノバだったり
ロスロボスだったり、難しいアレンジばかりなのに、
しっかり弾かれていて本当にうまい。、
特にいいと思ったのは、左手でのビブラート。
メロディを大切に歌わせていて、すごく気持ちよかった。
また聴きたい。


アンプラグドsuzukiさん(初) 小平市(S) 禁じられた遊び、白い冬、妹、スモー
クオンザウォーター、エナジーフロウ
クラスタの飛び入りの方のフリーコンサートの常連さんとのこと。
アシックスのウィンドブレーカーにジーパン。
明らかにスポーツマンであることはわかったが、
柔道をなさっている格闘家とのこと。
しかし、昨年いきなりミュージシャンにもなろうと思った、
とのことで、ギター演奏に取り組んでいるとのこと。
ということからわかるように、すごく前向きな方だった。
鉄弦(ヤイリかな)で、ローコードでの響きとプルオフ、ハンマーオン等を
うまく使った演奏。
鉄弦のローコードがよく響いて
日本のフォークミュージックが好きなのがわかる。
自分も、日本のフォークが大好きなので、
もっといろいろ聴いてみたい気がした。
ちなみに演奏の特徴は「たてのり」。
1拍目の先頭音に強拍がきて、
音は短めに切れる。
空手の動作なんかをイメージしてしまうリズムだ。
やはり、普段の武道からのリズムがでるものなのだろうな。


ishigakiさん(初) 立川市(S) 能登の雪、首飾りのワルツ、風鈴の音、暗い夢
(全曲オリジナル)
「オリジナル曲を作りながら弾いているので、弾くことと練習が同一です」
とのこと。
ギターは、イーグルのインレイがあるので、ラルビーかな、
と思うのだが、(音もそういう感じ)
ラルビーは羽を広げたイーグルだったと記憶するが、
ヘッドのインレイが、イーグルの顔だった。
これは、ラルビーだろうか・・・
と、気になったが、確認させていただくのを忘れてた。
(また、それはいつか・・・)
演奏の方は、前の2曲がDADGAD、後ろがノーマルチューニング。
どちらのチューニングの曲もだったが、
曲が通常のコードではなく、ちょっと浮遊感のある、
テンションコードが使われていて、それらが、きれいな
アルペジオで、響き渡る。
コードの肌触りみたいなのは、ウィリアムアッカーマンとか
アレックスデグラッシを感じるもの。
そのうえ曲進行が、「進行感のあるコード展開をあえてさけた」ような
コード進行で、ベースの半音変化だったり、
内声のずらしみたいなものが折り重なって曲になっていく。
それがきれいに聞こえるところは、ishigakiさんの曲作りであり、
ご本人のセンスなのだろう。
一度お話して、曲がどのように創られていくのかお聞きしてみたい。
大変興味深い演奏だった。
何曲くらいオリジナル曲があるのだろうか。


yoshiokaさん(初) 東久留米市(N) ソルのエチュードOP31−23,OP35
−17、組曲イ短調よりアルマンドサラバンドポンセ
ステージ上ではさほどでなさそうだったが、
緊張されてたのかもしれない。
自分のお隣のカウンター席におられたのだが、
最初の方の演奏から、ご自身の演奏まで、
ずっとギターを持って立ったままだった。
そして、ご自身の演奏前にトイレに行かれたのだが、
ドアの調子が悪かったようで、
トイレに閉じ込められてしまった。
一段と緊張されたのではなかろうか。
しかし、演奏の方は、丁寧の一言で、音だしがとてもきれい。
特に2曲目が小曲が、
明るくてさわやかな曲調で、よかった。
緊張が小さくなると、もっともっとうまいと思う。


ishimizuさん 武蔵野市(N) 時代、花は咲く、たしかなこと
いつものとおり、気持ちの良いアレンジでの
ポップな曲の演奏。
今回自分が一番よく聴こえたのは、最後の「たしかなこと」(小田和正)。
ただ、ご本人としては、
「いつも市販のギター譜からスタートして、自分なりの
 アレンジにしていくのだが、今回この曲は、まだ
 そこまでいっていない」
とのことで、もうひとつの状態とのこと。
しかしそれ以上に、ishimizuさんが、この曲のメロディを
気に入っている、というか大切にしているのが、
伝わってくる演奏で、とてもよかった。
今後、ご自身のアレンジでどのように
完成されていくのか、楽しみだ。
なお、本日はかなりお疲れの状況での参加であったとのことで
早めにお帰りになった。
体調、大丈夫だっただろうか。


ayaya(^^)さん 所沢市(N) カッチーニのアベマリア(佐藤弘和編)、サラバンド
プーランク)、プレリュードBWV999(バッハ)、ほま(佐藤弘和)
間をすごく大事にした演奏。
音数は少ない曲の演奏だったが、「音と音の間の演奏」
みたいなところまで、神経が行き届いていて、
聴いていて、気持ちよかった。
また、聴衆の方からも同じ声があがっていたが、
音がきれいだった
前にすごくでてくる音というか、
広がりを感じる音だった。


hamumiさん 稲城市(N) エチュード一番(レゴンディ)、椿姫の主題による幻想曲
(タレガ)
2曲目がよかった。
「自分にとって、とてもチャレンジングな曲なので・・・どうしようかな」
とのことであったが、確かに、そういうだけの難曲だと思う。
リズムが食ったリズムになったり、とにかく
右手左手ともかなりのスピード感を要する。
しかし、ほとんど完璧に近い演奏であったと思う。
加えて、
「チャレンジングな気持ち」
が伝わってきたこともよかった。


masakiさん 東村山市(N) 前奏曲第二番(ビラロボス)、アルハンブラの思い
出、いそしぎ、イパネマの娘
ギターはいつものマリン。
やっぱり自分としては、masakiさんの演奏は、
このギターが一番に思える。
特に、最後のイパネマは、久しぶりに、
「疾走感あふれるmasakiさん」を聴いた。
さすがです。
アルハンブラの自己採点もよいできだったのでは。


自分 横浜市(サイレントN) ドントノウホワイ、ブルース、元気を出して
今日は、体調というか、ちょっと精神的に
疲れがあったのを自覚していたのだが、
その自分の感覚のとおり、自分としては、もうひとつの演奏だった。
演奏技術については、そもそも、
自分は、どうこう言えるものは、持ち合わせていないので
とやかくいうことはないが、
「演奏への入り方」の面で、、
もう少し曲に入り込んで、自分なりのストーリーが
だせる演奏ができたはず。という思いが残った。
ちょっとくやしい。
また来月チャレンジだ。
ちなみに、マスターのお店のBBSで、(全曲オリジナル)って
なっていたが、そうではなくて、1曲目はノラジョーンズ、3曲目は
竹内まりあです。(書くまでもないと思うが)


satoko(25)プロ 練馬区(N) 第2ポロネーズ(コスト)、スケルツオ(メル
ツ)
サイズの小さい、19世紀(18世紀?)ギターでの演奏。
これがまた、すばらしく音がいい。
演奏もものすごくいい演奏。
上手であることはもちろん、それに加えて、
「いいなあ」と感動してしまう演奏。
曲への表現が細部まで行き届いていて、
長い曲だったが、あっという間だった。
演奏してる姿勢がすごく脱力しているのだが、
そうでありながら、全身で弾いている感じ。
こういうのを近くで見て聴けるのは、ほんと
うれしい。


sekiguchiプロ 武蔵村山市(N) 練習曲No.19,12,16,8(ソル)、アルハ
ンブラの思い出
お久しぶりに、拝聴させていただいた。
相変わらず、お酒をおいしそうに飲んでいながら、
ものすごい難しい曲を、
「弾ききる!」という気合で、弾いていく。
今日の曲は、
「左手いじめの曲ばかり」
とのことだった。
確かに、鬼のような難しいセーハのコードが、
延々と続いていく。
それらを、
「鉄壁のアルペジオ
で、まったく音が途切れることなく、
音楽として紡がれていく。
相変わらず、さすがだった。


コレクターkimuraさん 川越市(N) (ギターに関するうんちく)、アドリブ
2本目のナイロン弦とのこと。
エスス・ベジート」とか言っていたが、
自分はあまり詳しくないので、聞き違っていたらごめんなさい。
音は、kimuraさんが弾いているのを聞いていて、
「鉄弦の音みたいだ」と思ってしまった。
音の倍音の出方や、低音弦の響きが気持ちいい。
後で弾かせていただいたところ、
少し強めで弾くと、この感じが現れてくる。
音の立ち上がりがよくて、
「思ったようについてくる」感じ。
また、masakiさんもおっしゃっていたが、
ネックが同じ太さで平らなまま、というか、
そういう感じで、左手がすごく楽に感じた。
毎回そうだが、いいギターでした。
ちなみに、このギターは、masakiさんに合うな、
と思ったが、みんなの演奏後、masakiさんが実際に演奏された
のを聞いて、本当にそうだと確認してしまった。
なんでも、マリンと同系統の製作家であるとのこと。
また、hamumiさんがこれを弾いた時の音も、
すごくよかった。
自分は、hamumiさんご自身のギターと似ているのかな、と思ったが、
そうではなくて、hamumiさんの演奏技術ゆえらしい。
(kimuraさん、hamumiさん、お二人ともそのように
いっていた。ちなみに、hamumiさんは、このギターほしいっていっていた。)


テリーterashimaさん(初) 府中市(N) 禁じられた遊び、ラグリマ
ギター初めて1年、とのことで、
覚えたての2曲とのこと。
確かに、たどたどしい演奏ではあったが、
しっかり「音楽している演奏」だった。
特に2曲目のラグリマがよかった。
ギター弾くのが楽しい、というのが伝わってきた。
それが、一番大切なことなのだと思う。


hanamuraプロ 世田谷区(N) 即興曲アルマンド(バッハ)、アラビア風奇想曲
「流れるような」演奏。
背も高そうにみえたが、それにもまして、
なにしろ手がでかくみえた。
クラシックギターのネックが、
エレキギターか、ウクレレのネックにみえてしまうくらい。
ギター弾きとしては、うらやましい。
しかし、演奏のうまさは、そういう恵まれた体
だから、ということではなく、アーティキュレーションや、
強弱に神経が行き届いたすばらしい演奏だった。
音楽を大事にしている感じ。
また聴きたい。


しかし・・・最初にも書いたが、
今日は本当にうまい方ばかりで、
このhanamuraプロの演奏を聴いている途中で、
なんだか、自分のなかの
演奏レベルのうまさに対する感覚がマヒしていくような
感覚を覚えた。


フラメンコイータンooyamaプロ 世田谷区(N) ソレア、ポルブレリア、パサデロフ
ラメンコ、ブレリア
最後はooyamaさん。音がでかい。スピードが速い。
フラメンコって、あまりにスピードが速いので、
演奏は、音の塊の単位でイメージで追っていかないと、
間に合わないのではと思う。
で、本日のooyamaプロの演奏は、うまくイメージどおりの
演奏ができたところは、すごいのだが、
うまくいかなかったところも、けっこうあった。
で、そういうのがわかるのは、
演奏の途中で、苦笑いをなさるので、
はたから見ていても、すごくよくわかってしまうもの。
素直な性格なのだなと思う。
で、その素直な性格そのままのMCが
曲の間に入るのだが、あまりに性格がよすぎてゆえか、
なにをいっているか、全くわからなかった。
そして、それがめちゃくちゃおかしい。
「驚くことって、予想していないときに、予想せず、やってくるんですよ」
って、なんのこと? っていうか、正しい日本語か?
この調子のMCがわけがわからない
にやけ笑いとともに続いていく・・・。
意味もなくおかしい。
以上、熱い演奏と、このMCのギャップがなによりたのしかった。


今回も楽しかった。


いい演奏は、自分を変えてくれるような気になります。
ありがとうございます。



<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20120217

<目に入ったニュース>

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