「小商いのすすめ」読了

今というか、数年前というか、
中国が高度経済成長だった。
その結果として、中国国内では、貧富の差が広がって
問題になっている。
この話は中国に限ったことではなく、
米国でも欧州でも同じようなものだ。
そしてそれは、資本主義、グローバリゼーションの
帰結でもあるように思える。


しかし、
日本も昭和において高度成長があったのだが、
その結果は、「1億総中流」。
貧富の差は、なくなった。


これはなんとも素晴らしいことだったのではないか。


では、この理由はなんなんでしょう?


といったようなテーマが提示されている本。
(もちろん、それだけではないが)


しかるに、それができた日本が、
現在、「グローバリゼーション」を
欧米と同じく目指してしまった結果、
同じように、貧富の差を生じさせ、
借金大国へ、向かっているように見える。


そして、それは、3.11もあって、もう待ったなしで
手をうたねばならない状況になっている。


自分は、「1億総中流」を達成してきた日本
の一員として、過ごしてきた一人だ。
そしてその後、現在はグローバリゼーションがあって、
苦しむ日本となっている今の日本の状況も、
日本の一員として、十分理解している。


たしかに、
1億総中流になる途中、すなわち、
自分が小学生から二十歳くらいになるまでの
日本の方が、誠実というか、助け合いがあったというか、
よい社会だったのではないか、というような気がする。


著者の平川克美氏は、自分よりも20歳くらい年上で
自分よりももっと強烈に、その感覚を
お持ちで、それを懸命に本にアウトプット
しようとされているように感じた。
この「硬派」な感じが大変気持ちの良い。


で、気持ち良い、ですませず、
自分なりにできることを考えていこうと
思ってしまった。
読んでよかった。





ちなみに、自分の会社にも
多くの自分より年上の、まさしく、
「一億総中流をなしえた原動力であった方々」
がいらっしゃるが、今度聞いてみたいと思う。
「どうしてできたんですか?」
「今は、どうすれば、いいと思いますか?(そのときとの違いは?)」
なにか答えは返ってくるだろうか。


<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20111024
<目に入ったニュース>

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