公開の威力

事業仕分け」のニュースを
大変興味深くみた。

完全一般公開、プラス、ウェブ上にも
公開している。


誰が、どんな発言をしたか、どんな文脈で
いっていたのか、そういうことが、
すべて筒抜け。


今回が初だから、今回の議論の中身自体は、
程度の低いものもあるだろう。


だが、それは、次回、次々回と
続くに従い、洗練されてくるに
違いない。


なにしろ、これまでとは
比較にならないくらい、多くの
人がみていて、そのみていた人からの
意見が得られる可能性
が、開かれたのだから。


さらにもうひとつ、
「公開」については、利点があると思う。


「みんながみてますよ」
「記録に残りますよ」
という意識を、いやが上でも
議論している方がもって望まねば
ならないということがそれだ。



自分の経験から、ひとつの例だが、
お客様とメーカーが打ち合わせを
した場合、あきらかにパワーは
お客様のほうが強い。
当たり前ではある。


自分は、こういうケースのメーカー側に
座るケースが仕事でよくあるのだが、
「お客様」側が大変理不尽なことを
当たり前にいいはじまってしまって、
際限がなくなるケースもある。


そんなとき、自分は、、
「公開」の意味で、打ち合わせ内容、
つまり、「誰がこういった」
というのを逐一、ホワイトボードに
書いていく。
そして、
「これを議事録にしますね」
と言う。


平たく言うと、
「公開するのは、この内容で間違いないですね」
ということだ。


そうすると、とたんに、
「いや、自分がいったのは、そういう
 (記載された)意味ではない」
などという方がでてくる。


「では、どういうことですか?」
とやっていくことで、
議論の公平性は高まったりする。
もちろん、進捗もよくなる。


これは、ホワイトボードで今後・・・
というやつだが、
今日のニュースのやつは、
もう、直で公開、大公開状況だ。


本当の「一般公開」。


「書き直し」は、もちろんできなくて、
「言い直し」しかできない。
かなり、かっこ悪い気がする。


そうならないように、
と思ったら、相当なプレッシャーだ。
きちんと、襟を正して・・・
となるだろう。



どんどんこのスタイルになれば
いいと思う。


ひょっとしたら、
本当のエリート政治家と
エリート官僚が生まれる
仕組みになるかもしれない。


というか、なってほしいな。



<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20081110
<目に入ったニュース>
事業仕分け 飛び交う怒声、矢継ぎ早の質問に官僚も反撃
 国の予算の無駄遣いを洗い出そうとする「仕分け人」と、虎の子の事業や組織を死守しようとする官僚たち。11日、完全公開で始まった政府の行政刷新会議による事業仕分け作業は、ときに怒声が飛び交う激しいやりとりが展開された。


■聞こえません!


 仕分け作業の会場となったのは、国立印刷局の体育館。普段はバレーボールやバスケットボールのコートなどとして使われている。約1600平方メートルの会場を、3つのワーキンググループ(GW)ごとに区切り、計300の傍聴席を設けた。

 午前9時半、一斉に作業を開始。が、突然、第3作業グループを傍聴していた高齢の女性ら数人が「全然聞こえません!」と声を上げた。傍聴者にはレシーバーで聴いてもらう仕組みをとったが、レシーバーが行き渡らなかった傍聴者から不満の声が出たのだ。結局、同日午後には事務方が陳謝し、スピーカーでアナウンスする方式に変えた。

 騒然とした雰囲気の中で始まった議論で、仕分け人は官僚側に「事業に成果はあるのか」「法人理事に役所のOBはいるのか」などと矢継ぎ早に質問した。

 ただ、文部科学行政を判定するブースでは、興味ないのか、自分のパソコンでインターネットの書き込みに興じる仕分け人の姿もあった。


 ■私の話も聞いて


 その文部科学省の所管事業を担当した第3ワーキンググループ。国立青少年教育振興機構教員研修センター国立女性教育会館の3施設の予算が俎上(そじょう)に乗った。いずれも、自民党政権時代に整理合理化が検討されたものの、文教族の反対でうやむやになった施設だ。


 口火を切ったのは財務省の主計官だ。


 「教員研修センターは国が教員を1カ所に集める必要性は低下している。女性教育会館は議論を絞り込む必要がある」


 蓮舫参院議員が「女性教育会館の稼働率は?」とたたみかけると、同館の女性理事長は「44%…」と小さな声で答えるやいなや反撃に転じ、「私の話も聞いてください。一方的にただ質問に答えろというのは心外だ」と声を荒らげた。

 仕分け人の統括役の枝野幸男衆院議員は「目的を話したい気持ちはわかるが、(事業としての)効果があるかどうかだ」と切り捨てた。結局、女性会館は予算削減、教員センターと青少年機構は「地方か民間へ委託」との結論になった。


 ■“大物”めぐり攻防


 事業評価手法の見直しにとどまった道路整備事業でも仕分け人側と所管する国交省担当者との間で熱い議論が繰り広げられた。

 「無駄が多い」との批判がつきまとう道路整備事業は仕分けの対象事業の中でも“大物”だ。仕分け人の関心は事業評価の仕組みに集中した。仕分け人からは「継続中の事業においても事業評価を行うべきだ」「安全性などに配慮しすぎるあまりコストが高くなっていないか」「景観や環境への影響も評価に入れてはどうか」との厳しい質問が投げかけられた。

 ただ、国交省側の担当者も打たれっぱなしではない。新規事業の凍結などで22年度予算の概算要求で道路整備費を前年度比約20%削減した実績を盾に反撃を開始。「今後は老朽化などで維持修繕費用が膨らむ」と訴え、「引き続き事後評価の厳格化やコスト縮減に取り組んでいく」との姿勢を強調して国交省ペースに引き込むなど、仕分け人の切り込み不足が露呈する場面もみられた

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