精霊流し

今日は出かけることをせず自宅で過ごした。


17時ごろだろうか、
バタバタバタ・・・・
と豪雨のような音が外から聞こえてきた。
天気はとてもよいので、雨ではない。


爆竹の音だ。


雨と間違えるくらい、
連続してなるときがあって、
思わず雨か、と思ってしまったのだ。


今日はお盆。長崎では精霊流しの日。


精霊流しについては、自分は、
さだまさしの歌を昔きいて、
「とてもしめやかなものか」
と思っていたが、まったくそうではない。


長崎では、お盆のお墓参りは、
「御先祖様との宴会」という感じだ。
お供え物といっしょにお弁当やお酒を
もちこんで行われる。
そして、初盆の方がいる家系(もしくは町の方)
がおそらく、何十万もかけたであろう、
精霊船(屋台くらいの大きさの山車といったら
いいのだろうか・・・)
を大通りを引っ張っていく。


そのゴールのひとつが、
平和公園下の県のグランドで、
自分の今の自宅から歩いて5分だ。


このゴールに向かって
精霊船を引っ張りながら、
爆竹を鳴らしまくっている。


あちこちから、百隻を越すであろう、
精霊船が引っ張ってこられて、
また、初盆でない方は、
菰(こも:わらでくるんだお供え物。生まれたての赤ちゃんくらいの大きさ)
を流しに同じ場所にくるのだが、
みんな爆竹を鳴らしまくりながら来る。
家族というか、一族みんなで歩いて来るのだから、
それはそれはすごい行列だ。
で、
みんなが爆竹をならす。


あれだけみんなが爆竹すると、
もし自分だけやらないと、
「自分の御先祖様にわるいのではないか・・・」
と思ってしまうのでは、
と自分が思ったくらいなので、
みんな、ほぼ自動的に、爆竹に
火をつけている。


従い、その音は、まるで豪雨が
振り出したときのように、
連続音となって、天空にこだましていく。


元々は仏教の行事、ということだが、
どのような気持ちでやったのだろう。


いずれにしろ、故人を偲ぶものであろうが、
それにしてもすごい。


でもまあ、黒人の方も、
「聖者の行進」という曲があるが、
あれは、葬式において
めちゃくちゃ明るい曲をやりながら
歩いていくというものだったから、
同じようなものなのかもしれない。
(そちらの演奏は、自分はまだみたことないが・・・
  いつかみてみたい気はするが。)


夜になると、通りは、
ヤンキースの優勝パレードの後は
こうだろうな、
と思うくらい、小さな紙、爆竹の残骸
が舞っている状況になった。


そして、22時過ぎ、
ぴたっとその音がやんだ。


空気は、線香と爆竹のにおいが
残っているのだが、
その静けさから、
豪雨がやんだ後みたいに、
きれいな空気に思える。


いまから、みんな
「お疲れ様会」をやるのだろうな。
お盆というのは、
一族の方がみんなで顔を合わせて
過ごすものと思うが、
精霊流しは、その最たるものかもな・・・
なんて思う。


自分の実家は茨城だ。
おいそれと帰れないが、
帰ったときは、お墓参り行って、
親戚に御挨拶しなければ。


<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080815
<目に入ったニュース>


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